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* 絞り込みと繰り返し。諦めない心。
山村講師の2つの言葉を守り通しました
猪狩 佳亮さん (30歳)
東京大学法学部卒業 会社員

■受験回数
2回(実質1回)

■伊藤塾受講講座
06春 司法書士入門講座 山村クラス速修生、うかる!記述式「合格への直前予想編」、全国公開模試

■司法書士以外の受講講座
司法試験入門講座 本科生
* はじめに
大学2年時(もう10年ほど前のこと)、法律家という職業に憧れ、伊藤塾の司法試験入門講座を受講し、大学3、4年時に司法試験を受けましたが失敗。元々そこで辞めると決めていたので、大学卒業とともに就職してから早8年。ようやく、その夢のきっかけを掴むことができました。

司法書士試験は2002年に1度、記念受験したのですが、本気で受けたのは今回が初めてです。大学時代の友人に司法書士に合格した方がいて触発されたこと、会社法関係の法務知識を必要とされる業務に携わっていたことで、法律家という夢が頭の中に再び浮かんできました。そんなときに、久々に伊藤塾のホームページにある無料ストリーミング説明会を見て、山村講師の歯切れのよさ・熱さを感じ、「よし、勝負してみよう」とスピードマスター講座(司法書士入門講座 山村クラス速修生)を申し込みました。
* 私がとった勉強法
スピードマスター講座は、民法から刑法まで、11科目すべて在宅で受講しました。「民法を21問中2〜3問以内の間違いにおさえられない人は一からやり直したほうが良い」とのお話があり、また近年の午前の部の基準点の高さから民法でのミス・曖昧な知識は許されない、と考え、早期申込特典も利用して民法から受講しました。講義は、インターネット画面越しなのに、本当にメリハリのある、そして「本気で受からせたい」という情熱がひしひしと伝わってくる、本当に素晴らしいものでした。

合格のためにどんな勉強をしましたか、と質問されれば、やったことは、「テキストと過去問の往復」ただそれだけです。
ある意味何ともつまらない、言い古された、飾り気のない方法で、読んでいただいている方からは「なんだよ!」と言われそうですが、それでも尚この表現を使うのは、これこそが司法書士試験合格への王道だからです。

講義の進行に合わせて過去問を解き、ある科目の講座が全て終了したらもう一度一通り解く。この2回で、絶対に間違えない肢と、間違えやすい肢とを峻別。「間違えやすい肢」の解説箇所にマーカーを塗り、付箋を貼る。テキストの該当部分にシールをはる。この作業を、11教科について3月中に終わらせました。

「直前期にテキストを全部理解し、見直すのは到底無理である」ことを自覚し、「直前の1週間で見直したことは忘れない」という山村講師の言葉を信じ、11科目を1週間で見直す習慣づけをしました。4月からの直前3ヶ月で12週間ありますので、この「1週間総見直し」を12回やったことになります。この間、全国公開模試を8回受けましたので、月〜土で見直し、日曜に5時間の試験を受ける。この感覚を体にしみこませることができました。

この手法をとると、たとえば商法・商業登記法の全部を1日で見直すことになります。なので、分量的にこの直前3ヶ月は、付箋が張ってある箇所・マーカーでマークした箇所しか、見直しができません。テキストや過去問の、それ以外の部分は一切、見ていません。でも、択一は午前午後とも31問取れました。結果として、山村講師の言う「絞り込みと繰り返し」を実践できたと思います。

…などと何気なく書いているものの、実はこの「絞り込みと繰り返し」というのは、やってみると分かりますが、ものすごい勇気と忍耐力が必要です。敵は二つ、一つ目は「自分が目を通さない箇所から出たらどうしよう」という不安。これは、「そして10あるあやふやな知識より5ある確実な知識で十分。1年目には基本事項の繰り返ししかできない。」という山村講師の言葉で一気に気が楽になりました。信じて実践して本当に良かったと思います。

二つ目は「同じことばかりの繰り返し」に起因する苦しさ。12週連続で同じことを記憶するのは、知的好奇心がそそられるものでもなく、まさに「苦行」です。しかし、「理解は重要。でも、理解だけではダメで、記憶しなければ合格しない。」というお話を思い起こし、愚直に記憶作業を繰り返しました。司法試験経験者の方は特にそうだと思いますが、「法学は考えることが重要」という幻想に惑わされがちではないでしょうか。しかし、試験中に六法も引けない司法書士試験に関しては、正確な記憶がなければ太刀打ちできません。「覚えなきゃ受からない」当たり前のことなのですが、当たり前のことを明確に言っていただいたことで、核になる記憶が確固たるものにできました。後で試験当日の箇所でも書きますが、試験現場で「あれ、その話、(結論は)どっちだったっけ」という場面が必ず訪れます。そんな時に頼りになるのは、核となる5の確実な知識、鮮やかな記憶、ただそれだけなのです。

もう一つ、入門段階から「答案構成力」という、記述式の方法論を教えていただいたことも、合格への大きなポイントになったと思います。記述式は、Aランクレベルの知識さえ備わればあとは「体で覚える」というスポーツの感覚に似ています。記述式では、重箱の隅をつつくような出題はなく、だれでも知っている知識を正確に表現できるかの勝負だからです。よって、記述の得意不得意は、知識量より練習量に比例する気がします。
入門段階から「1日1問答案構成をやり」、「間違いノートをつける」という指示を(ほぼ)守り、日課として続けるうち、いつの間にか記述を解くのが楽しくなってきます。楽しくなってきた頃に「できる!記述式」で打ちのめされますが、でも喰らいついていくことが重要です。「できる!記述式」では、山村講師が受講生に質問する形式で進みます。根抵当権の元本確定事由、会社法における機関構成など、基本的かつ重要箇所の復習に有益なポイントをおさえた質問が多いので、在宅でも、自分の中で回答しながら受講することにより(声を発すると周囲に迷惑ですが…)知識の定着にも役立ちました。

「間違いノート」で重要なのは、「ケアレスミスだからいいや」という甘えを捨てることです。「こんなミス、もう絶対しないよ」というミスを繰り返すものです。私の場合、「抵当権の債務者変更登記において、所有権登記名義人の印鑑証明書は不要」という、誰でも知っている知識なのに、毎回のように印鑑証明書を添付してしまっていました。択一で問われたら、絶対間違えない知識です。でも記述式の答案上でミスをする。だから、ケアレスミスだから、で済ませてはいけない。ミスは、意識して潰していくものなのです。

スピードマスター講座、「できる!記述式」という最高の記述式対策講座を受講する中で、当然のように、気が付いたら、記述式が得意になっていました。全国公開模試でも安定して40点以上取れるようになりました。
* 試験当日
7月1日、横浜の青山学院大学で本試験を受けました。山村講師が常々仰っていた、本試験会場での「現場対応力」の重要性を体感できた1日でした。5時間の中で、いくつの波が来たことか。

朝、憲法の3問を解くぐらいまでは、落ち着かずに手が震えていたような気がします(あまり記憶がありません)。民法に入ってからも、最初の5問くらい確信の持てない問題が多く、一瞬「やばい」という想いが頭の中を駆け巡りました。全国公開模試の時よりも解き終わるまで時間がかかり、見直しも満足にできず…二つまで肢は絞れるのですが、最後の選択があっていたのか不安な問題が10問くらいありました。加えて、憲法・刑法の答えが全部「2」だったり(結果的には合ってましたが)…不安材料を多く残したまま午前の鐘がなり、一瞬「基準点に達しないのか」の不安にさいなまれました。しかし、「合格に近い人ほど、2択まで絞れた後の感覚が研ぎ澄まされる」という山村講師の言葉を10回くらい反復し、「自分は仕事が終わってから毎日喫茶店で2時間勉強してきたんだ。俺は合格に近いはず。絶対負けられるか。執念だ、執念」と思い直し、「基準点は絶対超えているはずだ」と(勝手に?)思い込み、休み時間は記述式の間違いノートに目を通していました。

午後に入ると、一転して択一がえらく易しく、あまり得意でない最初の11問がすべて、1問1分くらいでスムーズに行き、「何かおかしい。不動産登記・商業登記が難しいはず」と思い身構えて解き始めたら、不動産登記・商業登記もえらくやさしい。かなりの手応えを感じつつ、予定より10分早く択一解き終わりました。「午前の分は取り戻した。よし、行ける!」と思った次の瞬間、不動産登記の記述式の問題の1行目に「競売について相談を受け…」。加えて、当事者となるはずの人から依頼を受けていない…10分くらい悩んで、また気持ちが焦ってきました。

「もうだめか?」とこの日2度目に思った瞬間、「現場での柔軟性が大事」という、山村講師の言葉がまた頭をよぎり、すぐに商業登記に切り替えました。商業登記の記述式は何とか、瑕疵事由も2つ見つけられ、他に悩むところも無く、不動産登記に戻りました。残り40分。ここからが最後の山でした。時間が無いのに、登記を入れる順番がよく分からない。申請人であるはずの人から依頼がない…焦りから、絶対やってはいけないこと−書きながら考える−をしてしまいました。

何とか枠を埋め終わりましたが、終了10分前、ある枠に書いた解答に全部二重線を引き、書き直しを始めました。5分前になって、やはり最初の答えが正しいと思い直し、また書き直しました。「登記の目的」「原因」だけは書き直し、添付書類等の些細な箇所は、二重線を引いた部分に○(マル)をつけ、「イキ」(やっぱりこれを書いたことにして欲しい、「生き」という意味)と書いたその瞬間、鐘がなりました。

最後の不動産登記の書式は、完全に自分のミスとはいえ、解散になった後10分くらいは動けませんでした。

でも、たった5時間の中で三度「もうだめだ」と思ったのに、最後の鐘が鳴るまで書き続けた、ミスはしたけど完全燃焼できた、という満足感で、その日はビールを家で飲みまくって寝てしまいました。
* 最後に
合格体験記でこんなことを言っていいのか分かりませんが、私の合格については、運の力は多分にあります。しかし、だからと言って受験生32,000名全員に運が向くかというと、そんなことは絶対無いと思います。運を引き寄せる者には、必ずバックグラウンドがあるはずです。

社会人で時間が無いのは最初から分かっていました。が、「社会人で勉強時間が少ないから法務省が下駄を履かせてくれるわけではない」のです。通勤時間や休み時間を最大限有効に使うことは、かなり強く意識しました。毎日とは言いませんがほぼ毎日答案構成を1問やり、最後の3ヶ月は仕事後、喫茶店やファーストフード店で閉店時間まで勉強しました。山村講師の真似をして、昼は弁当を食べながら過去問を解きました。通勤時にも山手線をあえて1周して勉強時間を確保しました。

もう1つ、逆境になっても「絶対に」諦めない執念・強気・思い込み(?)。スピードマスター生としてのプライド。直前3ヶ月は本当に大変でしたが、それでも続けられたのは、絶対受かりたかったからです。精神面で幾度か救われたのは、山村講師のおかげです。登記業務にとどまらず、依頼人のために信念を持って決断できる法律家として広く活躍の場を求めていきたいと考えています。「司法書士ってすげえ」と世間に言わせてやりたいと思っています。

最後になりますが、1年間で合格レベルまでに引き上げていただいた山村講師、周りで支えてくれた方々に、心から感謝しています。本当に有難うございました。

(2007年11月・記)


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