明日の法律家講座

伊藤塾では、皆さんが法律家・行政官として必要となる事実の見方や価値判断能力を磨き、どのような法律家になるのかを考える場として、毎月「明日の法律家講座」という講演会を開催しています。
法曹を志す皆さんの関心を踏まえながら、人権問題、国際問題、経済・社会問題、司法問題などについて、できるだけ幅広く、またタイムリーなテーマを取り上げています。

法科大学院進学を考え勉強されている方々にとっても、日ごろからさまざまな問題を法律家の立場から考え、自分なりの価値判断を持つことは、入学試験で課される小論文や面接試験においても大変役立つことになります。また、社会を知ることは、公務員試験人事院面接や官庁訪問の際にも役立ちます。

司法試験の受験生の方はもちろん、法科大学院を目指される方や公務員を目指す方も、ぜひ積極的にご参加ください。

※「明日の法律家講座」は塾生・受講生以外の方でもご参加いただけます。
※インターネット受講されている塾生・受講生の皆様は、過去の「明日の法律家講座」をログイン後無料で視聴できます。

今後の「明日の法律家講座」の予定

【タイトル】危機管理とリーダーシップ~ローヤーからローメーカーへ
【日時】2016/7/2(土)18:30~20:30
【講師】塩崎 彰久 氏(弁護士、長島・大野・常松法律事務所所属、元伊藤塾塾生)
【場所】伊藤塾 東京校(渋谷)

【タイトル】社会福祉士、主婦からみた中国のリアル~子供も大人も違いを認められる社会・日本へ~
【日時】2016/7/30(土)18:30~20:30
【講師】山脇 恭子 氏(上海在住の社会福祉士、NLPビジネスマスター)
【場所】伊藤塾 東京校(渋谷)

東京校 第250回

【タイトル】一ジャーナリストが考える、あるべき法曹の姿(仮)
【日時】2016/8/20(土)18:30~20:30
【講師】竹田 昌弘 氏(共同通信編集委員)
【場所】伊藤塾 東京校(渋谷)

参加者からの声

法科大学院合格者 宮田 由希子さん

法科大学院出願の際には、ほとんどの学校が志望理由書の提出を求めています。この点、伊藤塾では、講義内容も法曹となった後まで見据えた視野をもたらすものでしたし、講義のほかにも、法曹となるための意識とモチベーションを高めるオープンスクール(「明日の法律家講座」など)が開かれています。これらの機会を活用することによって、大学側にもより強く志望動機を印象づけられるようになると思います。

2001年度司法試験最終合格者 松田 美和さん

こんなつらい勉強はやめてしまいたい―――落ち込むたびに「明日の法律家講座」からエネルギーをもらいました。自殺過労死した会社員の遺族による会社に対する損害賠償訴訟は、大企業を相手に遺族の立場を思いやりながら懸命に証拠を集める弁護士の先生の姿に胸が熱くなりました。松山事件の元死刑囚である斎藤さんは飄々としたチャーミングな方で、こんな人の自由を29年間も奪い、死の恐怖を感じさせていたのかと、法律家の責任の重さを痛感しました。また、ドイツの司法試験合格者のお話は、よりよい司法制度とは何だろうと考えるきっかけを与えてくれました。
ぜひ多くの皆さんに「明日の法律家講座」に参加していただきたいと思います。きっと法律家になりたい気持ちがより一層強まるでしょう。

「明日の法律家講座」の目的

様々な人権問題を学び考える

中坊公平先生講演会

基本的人権を守ることは法律家と司法に求められる特別に重要な使命です。伊藤塾はこれまで、社会に生起する様々な人権問題をとりあげ、その現状と問題点、人権擁護のための法律家の仕事と役割について学び考えてきました。具体的には、女性、子ども、消費者、労働者、障害者、患者、外国人など様々な人権問題、公害や薬害の問題、報道被害や戦後補償問題、情報公開問題などをとりあげてきました。

「明日の法律家講座」でとりあげた人権問題のほとんどは、その講演録『明日の法律家へ』シリーズ(日本評論社)の刊行などと相俟って、市民のための司法をめざすとりくみの重要な一翼を担うようになってきました。

開催例
「落ちこぼれた者の生き方」
(1996年9月25日、弁護士・元日弁連会長・中坊公平氏)
「深刻化する多重債務問題と法律家の役割」
(1998年10月10日、弁護士・宇都宮健児氏)
「これからの法曹と国際人権法」~国際社会で活躍するために~
(2003年9月6日、龍谷大学教授・JFORジュネーブ国連出席代表戸塚悦朗氏

刑事弁護・刑事司法の役割を考える

刑事事件の被疑者・被告人はたいへん弱い立場に立たされ、国家権力に対峙してその人権を守り、えん罪を防ぐ弁護士や司法の役割は特別に重要です。伊藤塾は被害者の権利の確立の必要性もきちんとふまえつつ、刑事弁護・刑事司法の役割とあり方を考える様々な企画を実施してきました。

刑事弁護・刑事司法は、伊藤塾が当初よりその必要性を主張してきた被疑者公選弁護制度が実現の見通しとなるなど、伊藤塾のとりくみと相俟って、新たな発展段階に入ってきました。

開催例
「刑事弁護ルネッサンス~『日本型公設弁護人事務所』設立へ」
(1998年2月21日、弁護士・櫻井光政氏、弁護士・神山啓史氏)
「死刑台からの生還~実録・松山事件」
(1999年8月28日、元死刑囚(元松山事件被告人)・斎藤幸夫氏、松山事件弁護人(元日弁連副会長)・青木正芳氏)他
「忘れられた犯罪被害者」~刑事司法における正義を求めて~
(2003年4月23日、弁護士・「全国犯罪被害者の会 代表幹事 岡村勲氏」)

アジアをはじめとする諸外国から学ぶ

21世紀は国際的な視野をもつ法律家が強く求められます。伊藤塾では、当初からこのことを重視し、欧米のロースクール教授や法学徒などの講演会を開催したりしてきました。

諸外国の司法制度や法律家の役割を学ぶにあたって、伊藤塾はアフリカやアジアの国々も重視し、第三世界に対する日本の法律家の法律支援についての講演会も実施してきました。

韓国や中国への視察旅行などとも相俟って、伊藤塾はそれぞれの国の法律家との友好関係を築いてきています。

開催例
「米・独・仏の法律と法学徒」
(1997年2月15日、ラトガーズ・ロースクール教授、フロリダ州弁護士 リチャード・ハイランド氏)
「法律と国家を創る~『途上国』への司法協力」
(1999年3月13日、弁護士(日弁連国際交流室長)・上柳敏郎氏、エリトリア青年同盟法律顧問・モハメッド・アルハッサン氏、エリトリア・アスマラ大学助手(当時)・ツァガァイ・ラアクィ氏)
「カンボジア法曹育成支援レポート」~アジアの時代の法律家の使命について熱く語る
(2003年5月24日、弁護士 木村晋介氏 弁護士 桜木和代氏)他

経済・社会の高度化・複雑化・国際化と弁護士の役割を考える

経済・社会がめまぐるしく変化し、その高度化・複雑化・国際化が急速に進んでおり、法律家の役割もまた大きく変化しています。伊藤塾は経済界から講師を招いたり、企業活動をサポートする弁護士の講演を聞くなどしてきました。サマースクールや法律実務家入門講座、海外視察旅行の企画などとも相俟って、今日では、企業活動の国際化とそれに対する弁護士のサポートについて、海外での現状を学ぶ機会も設けられるようになってきています。

開催例
「『法化社会』を切り拓け!~弁護士の仕事が変わる」
(1998年3月28日、弁護士・久保利英明氏)
「グローバルスタンダード時代に求められる法律家像」
(2000年1月22日、公認会計士・杉田純氏)
「中国の司法と法律家」~中国人弁護士の視点から~
(2002年11月18日、中国弁護士・範雲濤氏)

司法改革の課題を深く考える

司法制度改革が急速かつ大規模に進められようとしている状況の中で、伊藤塾はその動向や求められる改革課題についての企画を重視してきました。特に市民のための司法を実現していく上での大きな改革課題とされている「法曹一元」や「裁判への国民参加」の問題などを重視し、実際に裁判官に任官した弁護士を招いたり、アメリカの陪審制度をテーマにした講演会を実施するなどしてきました。

また、裁判所内部からその改革に務めている、現職裁判官による「日本裁判官ネットワーク」からも講師派遣していただき、裁判官のあり方を系統的に学び考えてきました。

開催例
「陪審裁判は嫌いですか」
(1999年9月18日、弁護士・四宮啓氏)
「弁護士から“民衆の裁判官”をこころざして~その経験と意義」
(2000年4月1日、弁護士・元裁判官・田川和幸氏)
「21世紀のあるべき司法の姿とは」~市民のための司法を求めた実践報告~
(2001年9月1日、弁護士・日弁連司法改革実現本部本部長代行 宮本康昭氏)

自分の将来の姿を探す手がかりを掴む 法律家の役割やどのような法律家になるかを共に考える

これまで、HIV訴訟や松本サリン事件など様々な事件・裁判の当事者や弁護士をお招きし、現実に生起している多様な人権問題を学び考えてきました。消費者問題や労働事件、刑事事件、環境問題などのほか、外国人の人権問題なども取り上げ、また、元死刑囚の声も聴き、冤罪についても考えてきました。

企業をサポートする弁護士や渉外弁護士、企業内弁護士、裁判官や検察官の仕事やその役割についても、現職の法律家にリアルに語っていただき、具体的なイメージを抱く場となりました。

国会議員、政府高官、財界、マスコミ、人権擁護団体などからも第一線の方々にお越しいただき、法律家への期待を率直に語っていただきました。さらに、諸外国の法や裁判制度を学びながら日本における制度とこれからの法律家の役割を考える機会も設けてきました。

21世紀の法律家に何よりも要求されるのは、事実の重要性を知る謙虚さと、自分なりのしっかりとした価値観を持つことです。現職の法律家や事件の当事者、各界の第一線でご活躍中の方々の生の声に触れ、「明日の法律家」への糧としていただきたいと思います。

伊藤塾は、法律家を志す方々とともに、司法試験の「合格後」を考えていきます。