明日の法律家講座 東京校第000回

2020年7月11日(土)18:30~20:30 ※日程調整中

数学書として憲法を読む~前広島市長の憲法・天皇論~

秋葉 忠利 氏(数学者、広島県原水禁代表委員、前広島市長、元衆議院議員)
 


講師プロフィール

秋葉 忠利 氏(数学者、広島県原水禁代表委員、前広島市長、元衆議院議員)

秋葉忠利氏
1942年東京生まれ。高校時代 AFSによってアメリカに留学。東大理学部数学科・同大学院修士課程卒業。マサチューセッツ工科大学 (MIT)Ph.D. を取得後、ニューヨーク州立大学、タフツ大学等で教鞭をとる。
世界のジャーナリストを広島・長崎に招待し、被爆の実相を伝えて貰う「アキバ・プロジェクト」を創設・運営。広島修道大学教授を経て、 1990年から衆議院議員、 1999年から広島市長を 3期12年務める。2014年まで広島大学特任教授、 AFS日本協会理事長。
市長在職中、平和市長会議会長を務め。世界の加盟都市数を 440から 5,000以上に。市政では財政再建、情報公開、市民サービス、都市環境などに力を入れ、暴走族追放条例、新球場建設を実現、オリンピック招致にも取り組んだ。
2010年には、アジアのノーベル賞といわれる「マグサイサイ賞」、 2011年には、ネパール政府創設のゴータマ・ブッダ国際平和賞、 2013年にベルリン国連協会からアジア人として初のオットー・ハーン平和賞、 2015年に谷本清平和賞等、多数の平和賞を受賞。
 
著書に『真珠と桜-「ヒロシマ」から見たアメリカの心』 (朝日新聞社刊 )、『 ""を持ったコンピュータ』 (コンピュータ・エージ社刊 )、『ヒロシマ市長』 (2012年朝日新聞出版 )、『新版 報復ではなく和解を』 (20158月岩波現代文庫 )、『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論』 (2019年7月法政大学出版局 )等。

講師からのメッセージ 

昨年7月に法政大学出版会から上梓した『数学書として憲法を読む--前広島市長の憲法・天皇論』の内容、ならびに執筆の動機を中心に、法律と論理についての関係性を論じます。私の元々の専攻は数学ですので、その視点からの問題提起です。
小著のきっかけになったのは30年以上前、米国の大学に奉職中、当時の同僚から「天皇は日本国民としての権利を保障されているのか」と質問されたことなのですが、その後、試行錯誤を続け、憲法の条文を「公理」として読む試みをしたらどうかと考えるに至りました。
換言すると、条文を「字義通り」「論理的に」「自己完結的に」読むと整理しても良いのですが、その結果、いくつかの「定理」を得ることができました。中でも柱と言えるのは、(1)「憲法改正」の対象にはならない条文のあること、(2)憲法は死刑を禁止していること、(3)第99条の憲法遵守「義務」を含めて、「義務」は義務と素直に読むこと、(4)上諭の「国民の総意」とともに、この「義務」を考えることで、憲法における「天皇」の位置付けが明確になること、そして(5)「公共の福祉」とは、憲法の総体をいみすることの5つです。小著では、これらの命題を「証明」付きで解説しています。
今回はそれに加えて、いわゆる憲法「解釈」の前に、憲法という文書に本質的に備わっている「論理性」こそ優先されなくてはならないのではないか、その前提に立つと、論理を無視した「解釈」は自動的に憲法違反なのではないかという問題提起もさせていただきます。