法科大学院/ロースクール 入試の概要

法科大学院/ロースクールの概要

■難易度 :★★★★
■学習期間 :未修コース:10ヶ月~ 既修コース:1年~
■学習費用 :未修コース:30万円~ 既修コース:70万円~

法科大学院/ロースクールとは

法科大学院とは、「法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクール」であり(司法制度改革審議会意見書)、平成16(2004)年4月から開校されました。質の高い法律家の養成を目的とした教育機関で、修業期間は2年と3年の2コースが設けられています。法科大学院課程の修了者には司法試験の受験資格(受験回数制限あり)が与えられます。

法科大学院ができることとなった理由

いろいろな要因がありますが、主なものとして(1)法曹人口過少の改善、(2)21世紀の法社会を担うにふさわしい質の高い法律家の養成、(3)旧司法試験の弊害排除、(4)多様な法律家の養成、等が理由としてあげられます。

法科大学院2つのコース

法学未修者コース(3年コース)
・ 入学前に法律学習の有無は問われない
・ 法科大学院入学後に法律を学習していく
・ 大学の法学部を卒業していても、未修者として3年コースに入学することが可能
法学既修者コース(2年コース)
・ 入学前に法律の学習をしている必要がある
・ 「法律科目試験」で法律の知識が試される
・ 大学の法学部を卒業していなくても、既修者として合格することで2年コースに入学することが可能

法科大学院入試の概要

適性試験 法学未修者・法学既修者を問わず法科大学院入学を希望する方は全員受験する必要がある。法律学の知識ではなく、法科大学院における履修の前提として要求される論理的判断力、分析的判断力、長文読解力、表現力等の資質を問うもの。
実施団体は適性試験管理委員会(法科大学院協会、公益財団法人日弁連法務研究財団、公益社団法人商事法務研究会の三者によって組織)。平成28年(2016年)は、2回実施される。2回の試験は同質の試験であり、どちらか1回だけ受験しても、2回とも受験してもよい。
成績表は、2つの同質の試験の結果を、共通の得点に変換して、比較可能にした後に発送される。なお、2回とも追試験は実施されない。
法学既修者試験 法学検定試験委員会による、法律7科目(憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法)の基礎知識を試す多肢択一方式、マークシート方式の試験。出題形式は,①正誤問題(各1点)と②択一問題(各4点)で、各科目25問程度がめやすとされている。1科目40点満点で、①と②の具体的な出題割合は①20問、②5問となっている。スコアの提出を必須とする法科大学院のほか、任意提出を認める法科大学院も多数ある。
自己評価書
(パーソナル・
ステートメント)
出願書類のひとつで法曹志望理由、どのような法律家になりたいか、どうしてその大学院に入学したいのかなどについての記述が求められる。単なる形式的な提出書類として考えるのではなく、しっかりと準備をして推敲を重ね、作ることが必要。
語学 多くの法科大学院が語学能力を示す資料については任意提出としており、スコアが高得点であれば、適性試験の得点が多少悪くても合格できるケースがある。
小論文試験 テーマは法律に関連するものにとどまらず、人文科学、自然科学や時事的な問題まで多岐にわたっている。形式としては課題文や資料について要約を求めたり、理解を試したうえで論じさせるものが主流。読解力と論理的な文章表現力が問われており、また長文の課題文を処理する事務処理能力も問われる。既修者コースを受験する場合も必要となる大学もある。
面接 受験生が「本当に法曹となる見込みがある人物かどうか」を見るために、面接試験を実施する法科大学院もある(一橋大学など)。法曹志望理由、どのような法曹になりたいか、どうしてその法科大学院に入学したいのかなどについて自己PR力が問われる。各大学院の建学精神やカリキュラム内容などを理解し、答えられることを準備しておくなど個別の対策が重要。
法律科目試験
法学既修者として認定を受けると法科大学院を2年で修了することができる。憲法・民法・刑法がほとんどの法科大学院で共通して出題され、商法・民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法を出題する法科大学院もある。実力勝負なので、今まで法律の勉強をしたことがない方でも、これから勉強をはじめ、受験することも可能。