{"mypage_flg":null}
トップ > 資格・試験一覧 > 司法試験 ( 司法試験予備試験 / 法科大学院 ) > 特集一覧 > 試験特集 > 手紙 > 【試験実施をうけて】司法試験受験生へのメッセージ 

伊藤塾長からのメッセージ

受験生の皆さんへ
伊藤塾長

4日間、本当にお疲れ様でした。
今日は試験のことは忘れて、頭と体の疲れを癒してください。

半月ほどすると、短答式試験の成績発表があります。
結果に一喜一憂せず、その後の計画をしっかりと立てて、着実に実践してください。
試験の手応えがあまりよくなかった人は、少しだけ休んだら、すぐに来年の準備に取りかかりましょう。

たとえ短答式試験に合格していたとしても、11月の最終合格発表まで遊んでしまってはいけません。
短答を突破しても、半数近くの受験生は来年も受験しなければならないのです。
伊藤塾の司法試験出題分析会などを活用して自己分析や再現作成等を進め、
司法修習へ向けて自分に足りないものや、来年に向けて準備をしておくことを忘れないことです。

岡口基一先生の「予備試験受験生のための要件事実講義」は法曹をめざすすべての人必聴ですから、この機会にせひ、この講座で考える力をつけておいてください。

もし短答式で残念な結果だった場合は、間違いなく基礎・基本が不足しています。
基礎マスター講義をもう一度活用するなど、基本を丁寧に振り返り、盤石な基礎知識を確立しましょう。
短答式試験で残念だった翌年に最終合格している人の多くは、気持ちを速やかに切り替えて、素早いリスタートから基礎固めを徹底的にし直しています。

最後のチャレンジだった人も、まだ色々な活躍の場があります。
法科大学院を修了して得た法的知識や問題解決力は、社会の様々な場面で活かすことができます。
伊藤塾を含め、多くの企業や官公庁が、法科大学院修了生の力を求めています。
また、今まで学んだ知識を活かして、予備試験や他の資格試験にチャレンジしてみるのもいいと思います。
予備試験からの再挑戦で法曹になった方々や、別のステージで活躍されている方々は数えきれないほどいます。
これまであなたが蓄積してきた知識や経験は、どの道に進んだとしても大きなアドバンテージになり得ます。
是非考えてみてください。

そして、大丈夫だろうと思っている人も、修習開始までのんびりしていて良いわけではありません。
二回試験の不合格者が増加した年もありました。
ここ数年実体法の知識が不足している修習生が多くなったという話も耳にします。
今の知識を維持するのではなく、むしろ向上させるくらいの気持ちを忘れないでください。

例えば伊藤塾なら、教材制作スタッフとして、あるいはクラスマネージャーとして、
収入を得ながら法律知識をブラッシュアップすることができます。
今年も多くのスタッフを募集しています。
是非あなたの積上げてきた知識や経験を、後進の育成のために活かしてください。

どのような道を選ぼうとも、私は最後まであなたを応援しています。
最後まで読んでくださってありがとう。

2024年7月14日
受験生の皆さんへ

受験生の皆さん。お疲れ様でした。
きっと、いろいろな後悔が、頭をよぎることでしょう。でも、それは誰も同じです。
この5日間の長丁場を、とにもかくにも最後まで乗り切ったこと、それだけでも大変なことです。

自分をいたわり、まずはゆっくり休みましょう。

少し休んだら、やはり、これからのことを考え、行動に移してほしいと思います。
絶対合格という自信のある人を除いて、まず取り組んでいただきたいのは、ご自身の論文答案の再現です。試験が終ったのにまた論文問題を見て答案を書くなどという作業が苦痛であることは、十分承知しています。でも、時間が経てば、再現はどんどん困難になります。今やるしかありません。最終発表直後に送られてくる論文式試験の採点結果は、かなりの場合、自身の予想と違っています。よく書けたと思っていた科目の点数が、思いのほか低かったという体験を、これまでの多くの受験生がしているのです。そういうときに、出題趣旨やヒアリングに照らし合わせ、あるいは、合格者の再現答案と比べて、どういう問題があって評価が低かったのか、それを分析することが、翌年の合格に向けて必須の作業であり、そのために、答案の再現を用意しておきたいのです。
もし仮に、短答式が基準点に達せず、論文の評価を得られなかったとしても、もし採点されていたらどの程度の評価だったろうかということを、検討する作業から始める必要があります。第三者の意見を聞くことも有益です。再現答案は、そのために必要不可欠なのです。

もし、残念ながら、短答式試験で基準点に達しなかったとしたら、少しでも早く次のステップに向けてスタートを切ることが大切です。その際に、一つだけ気を付けていただきたいのは、短答式の訓練をいくら積んでもなかなか点数が伸びないという場合です。そのような場合、科目によっては、基礎からもう一度勉強しなおすことも考え、学習の計画を立てていただきたいと思います。

短答式で基準点に達した場合、合否の結果を待つ3ヶ月あまりの間、どっちつかずで、中途半端に過ごしてしまいがちです。不合格の場合に備えて、来年に向け着々と勉強を続けられるという方はなかなかいません。そこで、提案が二つあります。

一つは、思い切って、明確に修習を、さらにはその後の実務を意識した学習をするということです。要件事実についてでも、刑事の事実認定についてでも、伝聞証拠に関してでも、テーマを何か選んでください。その上で、実務家としての資質を高めるための最良の手段は、実務家の書いたすぐれた文章に取り組むことだと思います。書籍もたくさんあります。最高裁判例の調査官解説や、判例時報・判例タイムズなどの裁判官の論文でもいいでしょう。そうした学習は、合格した場合に役立つのはもちろん、万が一残念だった場合の来年の受験にも、きっと生きてくると思います。

もう一つは、条件が許す場合ということになりますが、法学館法教育研究所のスタッフに応募していただき、仕事をして収入を得ながら、法律に触れていくという方法です。ここで得られる経験は、合格の場合も、不合格の場合も、その後の学習に必ず生きてきます。私も、皆さんと一緒に仕事ができるのを、楽しみにしています。

今回の試験の後も、一人ひとりの受験生の皆さんに、それぞれの形で、試練が待ち受けていると思います。これからも、がんばってください。
心から応援しています。

2024年7月14日