紛争を解決し、依頼者の悩みをなくす感謝の言葉で実感する大きなやりがい

伊藤 崇 先生 (弁護士)

依頼者の視点・気持ちから考える

所属事務所の顧問先企業の訴訟案件、相談案件、契約書のチェックを始め、一般民事事件、離婚・相続といった家事事件、破産、任意整理等の債務整理が主な業務内容です。また、刑事事件も年間数件ではありますが、担当させていただいています。「競合事務所との差別化を強く意識しながら業務をする」ということは、私自身はあまりしていませんが、業務の処理に際しては、依頼者の最大利益の実現、迅速さ、正確さ等を損なうことがないよう注意を払うようにしています。また、依頼者が個人の方の場合、「トラブル慣れ」や「弁護士慣れ」をしている人は滅多にいませんので、なるべくその方の不安やストレスを軽減できるように、かつ、私のことを信頼していただけるように、ということを意識しながら事件処理をするようにしています。

大きな達成感、満足感が業務の魅力

やりがいを感じる瞬間は、大きく分けて二つあります。一つ目は、事件が終了した時に依頼者から「ありがとう」の言葉を掛けていただいた時です。長年、親戚から家を借り、そこで暮らしていた人が、ある日その親戚から家の明け渡しを要求されたという案件があったのですが、家を借りていた人の代理人となり裁判手続を経て、最終的には明け渡す必要がない、との結論を得ることができました。その結論を依頼者に伝えた時に、その方は涙を流しながら「先生のおかげです。ありがとうございました。」とおっしゃってくれました。事件の規模としては小さい部類に入りますが、「やりがい」という点ではとても大きな事件だったと思います。二つ目は、規模が大きい案件の主任になり、その案件がこちらの希望通りの形で解決した時です。依頼者(企業)が1億円近い売掛金債権を有していた取引先(便宜上「A社」と言います)が倒産してしまい、もしその金額が回収できないと依頼者まで連鎖倒産する恐れがあるので、少しでも多くの金額を回収して欲しいと依頼された案件がありました。この案件では、依頼者がA社所有機械に譲渡担保権を設定していたこと、A社の事業を承継したいと申し出た企業(便宜上「B社」と言います)が存在したことの2点が幸いし、B社にA社所有機械の買取交渉を継続したところ、最終的には依頼者がA社に有していた債権全額を回収することができました。依頼者から相談を受けてから債権全額回収までに1ヶ月程度の時間がかかりましたが、その間は毎日のようにこの件に関する打合せや相手方との交渉をしており、非常に凝縮された時間を過ごしたと思います。しかも、結果は依頼者の希望通りのものとなりましたので、私が感じた達成感、満足感はとても大きいものでした。上記の例以外にも、日々の業務の中でやりがいを感じる瞬間はたくさんあります。

法律を手段として、紛争を解決する

社会には紛争や揉め事が溢れています。企業間の紛争であったり、企業と労働者間の紛争であったり、夫婦間の離婚であったり、相続をめぐる兄弟間の紛争であったり…、実務家になって3年が経とうとしていますが、私が関与したものだけでも数多くの紛争がありました。弁護士は法律の専門家であるとともに、紛争の解決や処理の専門家であるとも思います。紛争の当事者、特に個人の方は、紛争をどのように解決していいか分からずに弁護士に相談しに来ます。その紛争を、法律や判例を使って、解決、処理する。実務に出る前は勉強の対象であった法律や判例が、実務に出た後は紛争解決の一つの手段になるのです。法律や判例を使って現実に生じている紛争を実際に解決、処理していく、これこそが弁護士が法律のプロであると言われる所以だと思います。

伊藤塾での学習について

私は、入塾説明会での伊藤塾長のお話を聞いて伊藤塾に入塾しました。今でもこの時の選択は正解だったと思っています。私は、本科生2年コースで入塾し、そのコースに用意されていた各カリキュラムを受講しましたが、司法試験に合格するための要素が詰まったカリキュラムであったと思います。基礎マスターで学んだ民法の基礎は、実務に出た現在でも活きています

これからのビジョン

弁護士は大量増員の時代を迎えており、今後は弁護士間の競争が更に激化すると思います。その中で生き残っていくために、まずは目の前の事件を誠実に処理するとともに、専門分野を作っていきたいと考えています

弁護士を目指す方へのエール

弁護士が取り扱う事案の中には、依頼者の人生や企業の命運を左右するものが数多くあり、事案を処理するにあたっては、常に大きな責任が伴います。その反面、依頼者からの感謝や達成感を直に感じることができ、一日一日が本当に充実しています。皆様が一日も早く弁護士となって、大きなやりがいや達成感を感じていただければ、と思います。日々の勉強は確実に実務へと繋がっています。是非、頑張ってください。
 

■Profile 2002年司法試験合格
2004年弁護士登録
南舘・北川法律事務所(現 南舘・北川・伊藤法律事務所) 入所
 
■事務所プロフィール
南舘・北川・伊藤法律事務所
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1-11-20 大永ビル9階
 
■所属弁護士数
3名(2007年6月時点)


■主な業務内容
企業法務、一般民事、家事等


■現在の「ある一日のスケジュール」
 08:30  起床、朝食
 09:30  出勤後、執務開始、メールのチェックをする
 10:00  依頼者と打ち合わせ
 11:00  依頼者と打ち合わせ
 12:00  電話応対、書類作成
 12:30  昼食
 13:30  地裁で和解期日
 14:30  契約書のチェック、書類作成
 16:00  依頼者と打ち合わせ
 16:30  顧問先企業にチェックした契約書の件で電話
 17:00  電話応対、書類作成
 18:00  依頼者と打ち合わせ
 18:30  破産申立人を同行して破産管財人と面談
 20:00  書類作成、途中で夕食
 00:00  仕事を終え、帰路につく
 00:30  帰宅、入浴
 01:30  就寝