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- "法学部はつぶしが利く"といわれる理由
- 魅力的な仕事がたくさん!法律を学んで広がる選択肢
- いろんなシゴト、なるにはガイド(弁護士・検察官・裁判官)
- いろんなシゴト、なるにはガイド(公務員・司法書士・行政書士)
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3、魅力的な仕事がたくさん!法律を学んで広がる選択肢
弁護士無限の活動領域を持つ、法律のエキスパート。
こんな仕事!
腕一本で、自由に働く。
図1弁護士の特長を一言で表すと、「自由」。これは、仕事の内容を自由に選択していけること、さらに仕事の仕方を自由に決められるということです。 弁護士の活動領域は非常に幅広く、未開拓の分野も無限に広がっているため、自分の興味のある分野を専門にすることができます。 また、その働き方も、民間企業や官公庁で会社員や公務員として働く、自宅を法律事務所として在宅で働く、大手法律事務所でたくさんの弁護士とともに働く、独立して法律事務所をつくる、などなど、自分の性格に合わせて選び取っていくことができます。
「弁護士の仕事がなくなっている」って本当?
司法試験制度が変わり、弁護士が増えたことで「弁護士の仕事がなくなった」などといわれています。
しかし、実際には図2にあるとおり、弁護士は今でも高収入の職業といえます。また、弁護士が増えたことで、既存の法律事務所競争倍率は上がったといえますが、実際には修習修了後4ヶ月以内に95%の司法試験合格者が内定を得ています。
図2
図3※1「民間給与実態統計調査」(2011年9月国税庁)
※2従業員数5000人以上の事業規模の会社(平均勤続年数13年)
※3「司法修習修了者等の経済的な状況に関する調査」集計結果」(2011年7月法務省)・勤務1~15年目の弁護士の所得平均値。勤務1年目の弁護士は旧司法試験合格者を含まない。
図3
※日本弁護士連合会資料。弁護士未登録者割合は、裁判官及び検察官任官者を除いた割合である。
※法曹養成制度検討会議第3回(H24/10/30開催)資料より引用
検察官被害者とともに泣く、「正義の味方」
こんな仕事!
検察官の強力な権限
検察官は、刑事事件(犯罪に関する事件)について、捜査段階から裁判の段階までを通じて、強力な権限を持っています。
◆捜査の段階
外国の大使館に外交官として勤務したり、各省庁で立法作業に携わることも検察官の仕事。また、国際的な犯罪について、海外で国際捜査を行う場面も多くなってきています。
◆裁判所での公判
起訴した事件について、犯罪事実を立証(被告人が犯罪を行ったことを証明すること)し、求刑(その被告人にふさわしいと考える刑罰を求めること)します。弁護士と法廷でたたかう、ドラマなどでおなじみの場面です。
◆立法作業や、国際捜査も
外国の大使館に外交官として勤務したり、各省庁で立法作業に携わることも検察官の仕事。また、国際的な犯罪について、海外で国際捜査を行う場面も多くなってきています。
「巨悪と闘う」検察官

汚職事件・巨額脱税事件など、高度の専門知識を必要とする犯罪においては、警察ではなく、検察官が独自捜査を行います。
日本の検察といえば、元検事総長の「巨悪を眠らせない」という言葉が有名ですが、その言葉の通り、数多くの事件において政財界に潜む巨悪を暴いてきました。
特に、ロッキード事件(世界を巻き込んでの大規模な汚職事件。元総理大臣を含む日本の政治家が、アメリカの航空会社からわいろを受け取り、見返りとしてその航空会社の旅客機を発注していたことなどで逮捕された。)では、政治家や元総理大臣であっても犯罪を許さないという日本の検察の公正さと、その優秀な捜査能力が世界的評価を受けました。
裁判官公平・正義を実現する「人権保障の砦」
こんな仕事!
裁判官は、社会で生じる様々な紛争を公平な立場から解決する、レフェリーとしての役割を担っています。また、裁判所は違憲立法審査権(憲法81条)をもっているため、権力による人権侵害に歯止めをかけることも大きな使命の一つとしています。裁判官が扱う主な事件は以下の3種類です。
裁判官が扱う主な事件
◆刑事事件
犯罪を犯したとして起訴された被告人が有罪か否か、有罪であればどのような刑罰に処すかを判断します。近年話題になっているえん罪事件を見てもわかる通り、裁判官の判断は、被告人の人生、時には命をも左右するため、責任重大な仕事です。
◆民事事件
財産の帰属や、離婚などの私人間の紛争について、原告と被告の主張を聞き、提出された証拠を調べ、原告の請求を認めてよいか判断します。民事事件では、裁判ではなく調停※を行うことも多いです。
◆行政事件
国や地方自治体などの行為により権利が侵害された場合に、その救済を求める訴訟です。代表的なものとして、行政処分の取消しを求める訴訟や、国に損害賠償を求める訴訟(国家賠償請求訴訟)があります。
「裁判官の独立」とは
汚裁判官の仕事は、「公平であること」が何よりも要求されます。そして、公平であるためには、裁判官が、政治家や他の行政機関から一定の判断をなすよう圧力をかけられたり、これに従わないからといって不当な扱いを受けるような事態を防止しなければなりません。 そこで、憲法は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と記し、さらに裁判官を強制的に辞職させられる条件を厳しくしぼり、報酬の在任中の減額を禁止しています。
公務員国民のため、住民のために"全体の奉仕者"
こんな仕事!
「公務員」には様々な職種が存在します。ここでは代表的な職種をご紹介します。公務員は大きく分けて国家公務員と地方公務員に分かれ、その中でさらに様々な職種に分かれます。
国家公務員
◆国家公務員総合職:国家の政策の企画・立案を行う公務員。官僚とも呼ばれる。
◆国家公務員一般職:一つの政策分野のスペシャリストとして働くことの多い公務員。多くの場合、地域の出先機関で働く。
◆国税専門官:脱税の取り締まりなどを行う、国税の専門家。最近ではドラマでも人気の職業。
◆裁判所職員:裁判に関する書類を作成するなど、裁判所の運営を支える公務員。
地方公務員
◆東京都職員:東京都庁で働く公務員。首都公務員ならではのスケールの大きな仕事が魅力。
◆東京都特別区職員:東京23区で働く職員。
◆県庁職員:各道府県庁で働く職員。
◆市役所職員:市役所の職員。もっとも生活に身近な公務員といえる。
人気のヒミツBEST3
いつの時代も人気の職業、公務員。その理由は、民間企業にはない魅力にあります。

1.やりたい仕事が、必ず見つかる!
公務員、特に地方公務員の場合、中央政府において各省庁が担当している行政分野のほとんどを内包するため、様々な分野に携わることができます。そのため、仕事をしていく中で自分の興味に合った分野を発見することができる点で特徴的です。
図42.どんな時代でも、生活の安定を確保。
公務員の仕事は、国民の生活がかかった責任重大な仕事。その分、対価も保障されています。グラフを見ると、公務員の所得は、民間企業の平均所得を大きく上回り、大企業の平均所得をも超えていることがわかります。
※2「地方公務員給与実態調査結果の概要」(総務省・2012年3月)参考、一般行政職員について「平成23年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」(総務省・2011年6月・9月)参考
※3「名古屋市の職員給与・定員管理等の公表」(名古屋市・2012年9月)参考
| 区分 | 週38時間45分以下(%) | 右時間より長い |
|---|---|---|
| 都道府県 | 100.0 | 0.0 |
| 指定都市 | 100.0 | 0.0 |
| 市区町村 | 97.0 | 3.0 |
3.ワーク・ライフ・バランス※の実現
公務員の勤務時間数は、ほとんどの自治体で週38時間45分以内(図1)。これは1日にすると約7.8時間となり、定刻どおりの出退勤であることがうかがえます。多くの民間企業で残業が当然のものとなっていることとは対照的です。
司法書士市民に身近な「街の法律家」
こんな仕事!
司法書士は、登記手続や、裁判手続の専門家です。
◆登記手続き
登記手続きは司法書士の専門分野。登記とは、土地や家を買う、あるいは会社をつくったりする場合に、土地や家の所有者や、会社の存在を公的に示すものです。登記の有無は権利関係に大きな影響を持ち、一般的に複雑な手続なので、多くの場合、司法書士が代理して行います。
◆裁判手続き
司法書士は、裁判に関する書類を作成することができます。また、目的額が140万円を超えない民事訴訟は、司法書士も法廷に立って依頼者を代理することができます。
社会の変化とともに、広がる職域
近年コンプライアンス(法令遵守)の重要性が叫ばれる中、司法書士は、企業にとっての身近な法務アドバイザーとしての役割が重視されています。 また、高齢化が進む中、「成年後見制度」※の利用者が増えています。制度の当初からいち早く取り組みを開始してきた司法書士は、家庭裁判所で選ばれている親族以外の成年後見人等で弁護士や社会福祉士を抜いてトップとなっています。
※高齢者の方などが、判断能力が不十分なために不利益を被らないように、成年後見人が財産管理などを行う制度行政書士扱える書類は9000種類以上!ますます人気の資格
こんな仕事!
行政書士は、漫画やTVドラマなどでも注目されている資格です。行政書士は、他人の依頼を受けて、役所に提出する書類の作成や、提出手続の代理、契約書の作成などを行います。 行政手続きの専門家として 行政書士の業務は、依頼された通りの書類作成を行う業務から、コンサルティングを含む許認可手続きの業務へと徐々に移行しており、高度情報通信社会における行政手続きの専門家として国民から大きく期待されています。
◆広がる業務
会社関連業務 国際業務 相続業務 法律相談などの市民法務 著作権業務 許認可申請 運輸関連業務
民間企業社員・起業民間企業に就職する場合も、人気のこんな職業も、「法律」でパワーアップ。
民間企業に就職する場合も、法律学習経験は活躍の幅を広げる大きな武器になります。一見、法律が無関係に見えるこれらの職業も、関わる法律も多く、まさに知識を使って問題を解決していく力が必要になります。

◆エンターテインメント系(TV・出版等)
・ドラマと商品をタイアップしたい!(新しいビジネスモデルの構築)
・放送してはならない言葉が増える?(表現の自由への規制)
・外国のアニメをドラマ化したい。(権利の購入の交渉)
◆医薬品関連
・新薬で患者さんに障害が出てしまった!(薬害問題)
・取引をしたことのない外国企業の薬を売りたい。(ライセンス契約)
・薬の広告は、こんなことに気をつけて!(薬事法の遵守)
◆IT関連
・運営サイトの会員情報が漏れた?(情報セキュリティ)
・新しいサービスを始めるにはどんな問題が?(頻繁な法改正への対応)
・運営サイトで違法な音楽配信が行われた!(著作権侵害・プロバイダの責任問題)