試験を解く上では、大学での最先端の議論よりも基礎的な議論を押さえることが大事です。

K.O さん(23歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)、 中央大学法科大学院(既修・半額免除学生)
◆適性試験 / 第1回:226点 第2回:212点
◆受講講座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、 法科大学院別過去問分析講義 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

私が法律家を目指したきっかけは、中学時代に裁判を身近に経験する機会があり、もし自分の家族や友人がトラブルに巻き込まれたときにその人たちを助けるためには、自分が法律家にならなければいけないと感じたからです。
ただ、私は大学時代に部活動をしており、まずは部活をやりきろうと考えていたため4年の秋に引退するまで法律に関する勉強はあまりしていませんでした。そこで、引退してから勉強を本格的に始めようとしたのですが、独学で一年後の試験に合格するのは難しいと考え、もともと伊藤塾の『試験対策講座』(弘文堂)を使って勉強していたので、伊藤塾に入塾することにしました。また、伊藤塾にしようか迷ってスタッフの方に相談した時に、スタッフの方がとても丁寧に対応してくださったことも決め手になりました。

私がとった勉強方法

法律科目対策について

基礎的な法知識、法理論については基礎マスターテキストをとにかく読みこみました。講義を聴いた時には何となくわかっているつもりでも、1回や2回では身につけられる知識には限度があります。一度身につけたと思っていても、時間が経てば忘れてしまうこともあるため、前に通読してから時間があいたと思ったら何度も読み返しました。基礎的な知識に関しては、問題を解く上で絶対に必要になるものですから、ここに関して妥協していたら合格はできません。短答はもちろん、論文を書く時には自分の頭の中に知識の貯えがないと何も書くことができません。特に、A、B+の論点、定義、趣旨に関しては完璧に覚えましょう。その意味では、基礎マスターテキストは必要な知識を過不足なく押さえることができるためとても重宝します。 
論文試験に関しては重要論点を抑えることなども大事ですが、やはり実際に答案を書くことは不可欠だと思います。知識を文章にすることは知識を理解することとは違う作業であり、また、時間内に文章を書くという力もテキストを読んだりすることだけでは身につかないものです。さらに、私は伊藤塾のコンプリート論文答練を受けていましたが、自分の書いた答案を誰かに読んでもらうことも重要だと思います。自分では話の筋が通っていると思っていても、他人が読むと意味がよくわからない場合などもあります。できれば、友人などと答案を読みあって、その場でわからない部分について質問しあうなどできればいいと思います。

適性試験対策について

適性試験対策は、伊藤塾の適性試験対策講座と2年分の過去問を解きました。適性試験に関してはまず解き方をしっかり身につけることが大事だと思います。その意味で伊藤塾の適性試験対策講座(基礎編)は基本的な部分を重点的に学習できるのでよかったです。高得点を取りたいのであれば別ですが、基準点をこえる程度の点数であれば時間配分と基本的な解法さえしっかり押さえておけばとれるので、必要以上に対策に時間をかけない方がいいと思います。

学部成績について

私は伊藤塾の講義を受けるまでは学部成績も芳しくなかったのですが、伊藤塾の講義を受けて自分がどうして成績が良くなかったのかが何となくわかりました。学部の授業とはいえ最終的には試験で成績が決まるので、やはり論述を書くということを意識して普段の勉強をするべきでした。また、学部の授業においては先生方が今まさに議論しているような話などをしてくれます。この話などは聞いていてとても面白いのですが、試験を解く上では最先端の議論よりも基礎的な議論を押さえることが大事です。

伊藤塾の学習と学習フォローについて

伊藤塾の講義は主にインターネットで受講していたのですが、これであればいつでも自分の都合のいい時間に利用でき、また、倍速などもできるので短期間で学習を進めたい私にはとても向いていました。さらに、答練の添削などもとても丁寧に書いてあり、一人でも十分な学習ができるようにサポートしてくれました。勉強しているときに疑問があっても質問制度などで解消できるのでインターネット受講でも特に不便を感じることもありませんでした。

合格するために重要なこと

私は将来社会保障に関する法律問題を扱う弁護士になりたいと思っています。弁護士数が増大している現在においても社会的に弱い立場の人たちは法律家に対するアクセスが不十分な人たちも多いです。弁護士の就職が厳しいという情報もよく聞きますが、現場の弁護士の方の話を聞く限り、不足している地域や分野が存在することも確かだと思います。今後は弁護士が自ら積極的に必要としている人を探す姿勢が求められているのではないかと思います。

最後に

法科大学院だけではなく、予備試験や司法試験も結局は法律家になるための単なる通過点だと思います。そして、法律家になりたいのであれば試験でどんな結果が出ようと勉強するしかないのだと思います。これから勉強する人も不安になることは何度もあるかと思いますが、迷った時は勉強するしかないと割り切ってあまり余計なことは考えない方がいいと思います。