最終合格に必要なのは、基礎マスターレベルの知識を完璧にすることです。

H さん(21歳)

東京大学法学部 4年在学中

【合格校】
・慶應義塾大学法科大学院(既修)
◆ 受 講 講 座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験答練パック、予備試験口述模試など

※掲載しております合格者のプロフィールは、2013年合格時点のものです。
※2013年予備試験合格者の皆様は、司法試験合格前のため、ご本人の学習環境に配慮して、実名・イニシャルでの公表を控えさせていただきます。

 

はじめに

私は、大学入学当初は法曹資格に興味がなかったのですが、法学部への進学が決まった大学2年生の秋に、一生使える資格を在学中に取得しようと考えるようになりました。当初は独学でまずはやってみようと考え市販の書籍を読んでラインマーカーを引くなどしていましたが、効率が悪いように感じたので、同級生が多く通っていた伊藤塾への入塾を決めました。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

伊藤塾の基礎マスターを受講しました。入塾したのがもう冬に差し掛かる頃だったので、とりあえず4月までにライブクラスに追いつくことを目標に、一日の目 標視聴数を7コマにし、ひたすらインターネット受講をしていました。また、基礎マスターは予習をすると良いとのことだったので、テキストは講義を聴く前に 必ず一通り読み、理解できない部分にはどこが理解できないかをメモしておくようにしました。あまり教材量が多くなると整理整頓の苦手な自分は持て余してし まうと思い、伊藤塾長のすすめていたテキストをコピーしてコピーに書き込むという方法はとらず直接書き込んでいましたが、見栄えはよくないもののわかって いない時点でのメモは後で見直す時のポイントにもなったのでまあ良かったかなと思います。
基礎マスターのテキストは、インターネットクラスを一通り受講した後も折に触れて通読し頭の中を整理するのに活用しました。また、答練などの解説で忘れて いた部分は時間の許す限り基礎マスターテキストまで戻って関連判例などまで一緒に読むようにしていました(実際にはそこまで手が回らないことも多々ありま したが…)。
基礎マスターは憲民刑の3教科しか講義を聴けておらず、商訴行政法はいまだに聴けずじまいなのですが、講義を聴いていない科目も、テキストだけは全て読み ました。伊藤塾のテキストはそれ自体がすごくよくまとまっているので、私のように怠け者で講義を聴けない人が読むだけでもある程度の知識が身につき、素晴 らしいと思います。
短答式試験に必要な知識は100%基礎マスターのみで身につけましたし、論文式試験においても必要な知識の半分以上は基礎マスターで得たと思います。また、今年度は口述試験においても実体法が多く聞かれ、訴訟法分野でも基礎マスターで学習する事柄がほとんどでした。
伊藤塾のインターネット講義は再生スピードが変えられて便利ですが、個人的にはあまり早送りしすぎず、きちんと聴く方が良いと思います。私はせいぜい 1.2倍速程度までにしていました。大学の授業や試験などもある中で予備試験を受験していると、実際には基礎マスターを何度も繰り返し聴く時間は取れない ので、わずか数分を惜しんで全体を早送りしすぎるのはもったいないと感じます。

短答式試験対策について

私は、短答式試験の対策をする時間がとれず、せっかくの短答マスターも聴けずじまいでした。それでも勉強を始めて半年後には短答式試験に合格できたので、まずは基礎マスターを完璧にすることが大切だと思います。そのうえで、電車移動の時間などすきま時間で一問一答形式の過去問に取り組むと良いです。だらだらやると全く進まないので、30分で100問などと目標ペースを決めて集中して取り組むことが暗記のコツだと思います。また、一問一答で知らない知識や判例が出てきた時には、何度でも基礎マスターに返ることが知識を確実にする方法です。

論文式試験対策について

論文式試験のためには、伊藤塾の論文マスターが大変役に立ちました。実際に講義を聴けたのは憲法と刑法の半分くらいなのですが、その他の教科もテキストは 全て読みました。テキストを読み、答案構成をして参考答案例を眺めるだけでもかなり勉強になると思います。特に、参考答案が何通も載っているところが、勉 強をするうえで自分の答案の比較素材として有意義でした。また、論文対策においても、基礎マスターは大変役に立ちます。基礎マスターを学習する段階からそこで学ぶ知識を使って最終的に論文を書くのだということ、また、論文を書くときにも基礎マスターのどこで学んだどの知識を使うのかということ、この2つを意識して学習することが肝要だと思います。
伊藤塾には基礎マスターや論文マスターの付属の答練はもちろん、その他にもコンプリート論文答練や論文直前答練など多くの答練があり、そのどれもが丁寧な添削と本番にそのまま活きる論点解説のおかげで大変実践的です。さらに、予備試験対策ゼミでは自分の答案を添削のみならずゼミ内で講評までしてもらうことができ、モチベーション維持の面でも大いに役立ちました。これらの講座は論文試験突破のために、不可欠ともいえるものだと思います。

一般教養科目対策について

私は、一般教養科目には短答、論文ともに全く対策をしませんでした。大学での教養科目の授業とセンター試験の記憶で乗り切ったのですが、2年とも短答は約 8割の正答率、論文はA評価を獲得することができたので、無理に一般教養科目対策の勉強をするよりも、法律科目をきちんと学習し、大学の授業などもおろそ かにせず取り組めば大丈夫だと思います。一般教養科目の論文式試験は比喩の裏に法と社会などのテーマが隠れていることが多く、そこを見破ることが高得点の 秘訣だと個人的には感じているので、法律をきちんと勉強し、リーガルマインドを養っておくことが一般教養科目でも役に立つと思います。

口述試験対策について

口述試験は、細かい規則よりも実体法が問われ、民事訴訟法・刑事訴訟法ともに論文の基本的な論点が問われることも多いので、まずは基礎マスターレベルの内容を完璧にすることが大切だと思います。
また、伊藤塾の口述模試は貴重な実践練習の場なので、ぜひとも受講しておくべきです。本番さながらの面接はもちろん、 その後すぐに詳しい講評を直接してくれるのが特に良かったです。私は口述模試ではものすごく失敗してしまったと感じたのですが講評では基準点をいただくこ とができ、その経験のおかげで、本番で1日目の教科があまりうまくいかなかったと感じた時にも、実は評価してもらえているかもしれないと気持ちを切り替え て2日目に臨むことができました。

法科大学院との併願について

私は予備試験の論文式試験の後すぐに学部の期末試験対策に追われ、法科大学院対策はほとんどできず、過去問すら印刷しただけで読むことなく試験に臨んだレベルなのですが、慶應義塾大学法科大学院の既修者コースに合格しました。
予備試験のために日ごろから幅広く様々な論点を学習しておくことで、例年と出題傾向が変わっても対応できたことが良かったと思います。また、時期的にも法科大学院の入試は予備試験の論文式試験直後なので、予備試験の論文式試験までに一通り論述対策を完了させておくと余裕を持って試験に臨めるというペースメーカー的な意味でも、予備試験受験は法科大学院との併願に際しても有利だと感じます。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

私は大学と自宅が遠く、いつも大学の授業に出席するだけで時間的にも体力的にも余裕がなくなってしまい、伊藤塾のライブ講義に出席したことはなかったのですが、インターネットフォローが充実していて使いやすいためにここまで伊藤塾を続けてこられたと思っています。
伊藤塾のインターネットフォローはアップロードが早くパソコンに余計な負担をかけないのはもちろん、実は公式に視聴可能とされているiphoneや ipadでない普通のアンドロイドスマートフォンでも視聴が可能です。(私自身のスマートフォンで可能だったというだけで、全てのアンドロイドスマート フォンで可能かどうかは保証できません)。このことに気がついてから、受講のハードルがぐっと下がり、学習ペースが上がりました。

合格後を見据えて

私は将来は弁護士になろうと考えています。弁護士を含め法曹は社会インフラとしての専門職だと思っているので、公平公正を信条に、弱者の権利を守る法曹となりたいです。

最後に

私の合格の秘訣は、完璧にこだわらなかったことだと思います。私は基礎マスターも論文マスターも半分も受講できていないのですが、平気で答練を受講していました。
もちろん本来はインプットアウトプットを両方完璧に行う方が望ましいことは間違いないのですが、試験のスケジュールに合わせてその時々で一番必要なことを要領よくこなす方がもっと大切だと思います。
とはいえ、伊藤塾の講座はどれも本当に素晴らしいので、これから司法試験受験までに少なくとも論文マスターの残りの科目は受講したいと思っています。これから受講される皆さん、ぜひ私と一緒に受講しましょう。笑