伊藤塾で学習することで論理的に結論を導くことができ、学部成績に直結しました。

柿原 研人 さん(22歳)
 

合格者イラスト
首都大学東京都市教養学部4年在学中
【合格校】
早稲田大学法科大学院(既修)、中央大学法科大学院(既修・半額免除学生)、明治大学法科大学院(既修・全額免除学生)
【受講講座】司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、適性試験シミュレーション など

※プロフィールは2012年合格時点ものです。

はじめに

 私は刑事弁護に長けた弁護士を志しています。そのきっかけは重罰化を一方的に叫ぶ世間の風潮に疑問を抱いたことにありました。たとえ犯罪者であっても人権を持つひとりの人間です。深く反省し、罪を償うのならば、早期の社会復帰を可能にした方が、犯罪者・社会の双方のためになるのではないかと感じたのです。それに貢献できる仕事をしたいと弁護士を志すようになりました。
 しかし私は大学で体育会のサッカー部に入っていたため1・2年次はサッカーの毎日。2年次が終わったとき、現役で法科大学院に合格するためには短期間で基本的な法律知識を効率的に学習しなければならないと感じました。そこで大学3年生の春に伊藤塾に入り、勉強と部活の両立を決意したのです。 
ここでは私のような遅い時期にスタートを切るという方に向けて、私が1年間でどのような勉強をしたのか紹介したいと思います。

私がとった勉強方法 

適性試験について

 私は適性試験用の問題集を本番2ヶ月前から毎朝20分のみを使って勉強し、その成果と本番の緊張感を体感するために伊藤塾の模試を受けました。特に模試は適性試験に必須であるスピードと正確性を磨くために大変有益でした。
 なお適性試験は各法科大学院の試験の3ヵ月以上前に実施されるため、点数が悪いと不安を抱えたまま入試に臨むことになってしまいます。しかし適性試験には得手・不得手があります。過去問を解き、不得意だと感じた方は早めに対策を講じるとよいと思います。

法律科目対策について

 短期間で法律科目を合格レベルにするには、まず体系的な理解が必要不可欠です。そこで私は、頭の中に7科目(憲・民・刑・民訴・刑訴・商・行政)の引き出しを作りました。頭の中の引き出しとは例えば、憲法の引き出しを開けると人権と統治の引き出しがあり、人権の引き出しには平等権、表現の自由など様々な項目が入っている、といったイメージです。論文試験のときにはこの引き出しを次々に開けていき、書く内容を決めます。そしてこの引き出しを作るのに最も役立つのが基礎マスターテキストの目次です。時間が経って記憶が曖昧になったとき、私は目次を思い出すことで記憶を喚起することができました。
 また基礎マスターテキストにある多くの論点や知識も当然暗記する必要があります。しかし、それらはあくまで各法律科目の枝葉にすぎないということを忘れてはいけません。体系的な理解なくただ細かな論点を記憶しても、いざ試験となると何を書けば良いかわからなくなるのです。これは実際に答案を書くことで実感できると思いますので、伊藤塾で積極的に答練等を受講することをおすすめします。
 以上より、私がおすすめするのは、基礎マスターの目次を使った体系的な理解と肉付けとして論点や知識をインプットすること、そしてアウトプットとして答練を受講するという方法です。

学部成績について

 法学部の定期試験は膨大な試験範囲に及ぶ一方で出題される問題はわずか数問であることがほとんどです。手薄な分野が出題されると単位を取るのがやっと、ということもあるかと思います。
 しかし私は3年次に伊藤塾で法律の勉強を始めてから、勉強時間に大きな変化はないにもかかわらず、多くの優評価を受けるようになりました。この変化は伊藤塾での学習を通じて法律試験の論文の書き方を学べたことに起因すると感じています。法律家の書くべき文章は作文ではありません。問われたことを順序立てて説明し結論を出さなければならないのです。伊藤塾で学習することで手薄な部分が出題されても論理的に結論を導くことができ、学部試験の成績にも自然と直結したのだと思います。

伊藤塾の学習と大学生活

 私は通学クラスに属していましたが、上述の通り、大学で部活をしていたため伊藤塾に毎日通うことはできませんでした。しかし、それに甘え怠慢になることを避けるために、遅刻してでもライブ講義には必ず出席するようにしました。そうすることで学習のリズムを崩さず、また共に学ぶ仲間と会って刺激を受けるようにしました。大学の友人は法律家を目指す人ばかりではないと思いますが、伊藤塾の仲間は同じ目標を持った人ばかりです。そうした違いを活かし、厳しい環境に身を置くことも大切だと思いました。

入学前準備として

 来春の法科大学院入学までに、まずは残りの大学生活を謳歌したいと感じています。しかし入学時点でこれまでの法律知識を忘れてしまっては司法試験の合格が遠のくだけです。そこで法律学者の著書(基本書)を一通り読み、判例研究をし、また裁判傍聴に行くなど向学心を養うための学習・行動をしていきたいと考えています。

合格後

 「弁護士になっても就職がない」といった発言や情報をしばし耳にします。確かにそうかもしれません。しかし、いくら弁護士の就職が困難でも、難解な法律を操りクライアントを守る弁護士という職業は、今も将来も絶対に必要な仕事です。楽観的に過ぎるかもしれませんが、弁護士という仕事が存在する限り私は、夢に向かって愚直に努力するだけだと思っています。

最後に

 法科大学院入試は試験が長期にわたり範囲も膨大なため、精神的に辛い時期が必ず訪れます。また大学受験に比べて人数も少なく、孤独とも戦わなければなりません。
 そんな中で私が複数の法科大学院から合格を頂くことができた最大の理由は、合格した自分を想像し、そこから逆算して計画を立て、努力を重ねたからだと思っています。試験当日、自身に最大限の知識が備わるよう計画を立て、あとはそれに向かって愚直に努力する。シンプルですが、これができれば大丈夫です。
 ここまで一方的に書いてしまいましたが、一部でも参考にしていただければ大変嬉しく思います。法律家を目指す者同士、共に切磋琢磨しましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。