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伊藤真塾長・岡崎講師からの手紙

受験生の皆さんへ
伊藤塾長

受験生の皆さんへ

試験に合格していた方、本当におめでとうございます。
今までの弛まぬ努力が、今日一つの形となりましたね。
今はこの喜び、そしてこれまであなたを支えてきてくれた方々への感謝で胸がいっぱいだと思います。

しかし、言うまでもなく、司法試験合格はあなたのゴールではありません。
将来に向けて知識の幅を広げるために準備をしていく必要がありますし、法科大学院在学中に合格された方は、その課程を修了するまで、さらに学ぶことができる環境にあります。
司法修習、二回試験を突破し、そしてその後も法律家として活躍するためには、まだまだ歩みを止めるわけにはいかず、これからも勉強と努力の日々が続いていきます。

あなたが今手にした新しい世界へのパスポートを、どのように活かすかはあなた次第です。
合格したその瞬間から、次の歩みが始まります。
今日の喜びを忘れず、自分で限界を決めずに研鑽を続けて、自信と謙虚さを大切にしてこれからの長い法律家としての人生を歩んでいただきたいと思います。

これからは伊藤塾同窓会(まこと会)の仲間として、私たちと一緒に伊藤塾を盛り上げていってくれると嬉しいです。そして、皆さんの知識や経験を後輩に伝えるために是非力を貸してください。

自分の受験番号を見つけられなかった方、本当に辛く、悔しい思いでいっぱいだと思います。
うまく気持ちを整理することができないのではないでしょうか。
ただ、今の辛さ、悔しさ、「なぜ」という思い、その強さは、今まであなたが本気で努力してきた証です。
ここまで勉強を続けてきたことは、それだけでも誇れることです。

人によっては勉強よりも優先しなければならないことがあったかもしれません。また、勉強をすることすらままならない環境で過ごされた方もいるかもしれません。
どんなに困難な状況の中で望まない結果に直面した場合でも、現実をしっかりと受け止め、明日への糧とすることができる人だけが人生の成功者となります。

ここまで勉強を継続してきたあなたには、そうなる力があると、私は確信しています。
法律家はあらゆる経験が明日への糧になる、すばらしい職業です。
今日この日の辛い思いは、必ず将来の自分を支えてくれます。
簡単に次の一歩を踏み出すことはできないかもしれません。
でも、心配はいりません。あなたが望む人生を、堂々と歩んでいけばいいのです。

受験資格を喪失してしまった方も少なからずいるはずです。
自分は選択を誤ってしまった、そう感じてしまっている方もいるでしょう。
司法試験さえ志さなければ、とさえ考えた方もいるかもしれません。

しかし、この選択をしたからこそ、この先実現できることが必ずあるはずです。
はじめに志を立てたときのことを思い出してみてください。
その思いを胸にここまで努力を積み重ねてきたのではありませんか。
それが無に帰すことなど絶対にありません。

再度法科大学院に入学したり、予備試験でチャレンジを続けるという選択肢もあれば、
他士業や公務員、民間企業で活躍し、別のやり方で志を叶える道もあります。
伊藤塾で社員として活躍するという選択肢も考えていただけるととてもうれしいです。

もし迷うことがあれば、ぜひ伊藤塾に相談をしに来てください。
次のステップへ進むお手伝いができればと思います。

来年の司法試験合格を再び目指す方は、冷静かつ客観的な分析が不可欠です。
結果には必ず原因があります。それを明確に意識してから、気持ちを切り替えてすぐ再スタートしてください。
来年とはいえ、本番まであと8ヶ月しかありません。
勉強の方向性が間違っていると、どんなに努力しても合格することはできません。
不安に感じられている方は伊藤塾にご相談ください。合格者によるカウンセリングも行っています。
正しい方法論のもと、自分の力を信じて、諦めずにしっかり頑張ってください。最後まで応援しています。

今日の合否という結果は、皆さんの長い人生の中で一つの事実に過ぎません。
その事実をしっかりと受け止めて、どういう意味を与えるかによって、これからの人生の糧にできるかが決まります。
周りの評価ではなく、自分の意志でそれを評価し、そして意味を与えてください。

皆さんがどのような道を選ぼうとも私たちは応援し続けます。
伊藤塾はいつも皆さんと一緒にいることを心に留めておいてください。

最後まで読んでくださってありがとう。

2024年11月6日
受験生の皆さんへ

合格発表に臨んだ皆さんへ
 
7月の試験から今日まで、いろいろな思いを抱きながら、発表の日を迎えられたのだと思います。
合格された皆さん、おめでとうございます。うれしいでしょう。私も、30数年前の合格発表の日のことが、今でも鮮明に記憶に残っています。しばらくは、この喜びに浸りましょう。
しかし、合格は、ゴールではなくスタートです。理不尽な仕打ちに苦しんでいる人、人生の目標を失って悩んでいる人、社会の不正義に憤っている人、そういう人たちにわずかでも光明を与える。それが法律家という仕事だと思っています。初心を忘れずに、これからの長い法律家としての人生を歩んでいっていただきたいと思います。

残念だった皆さん。悔しいでしょう。もっとこういう勉強をしておけばよかったという思いをお持ちの方も多いでしょう。これだけ頑張って合格できなかったので、どうすればいいかわからないと考えておられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、自ら法曹を目指すという道を選び、苦労して受験資格を獲得したのです。前を向いて、今日から新しいスタートを切っていきましょう。
近々送付されてくる採点結果、間もなく公表される出題趣旨、後に公表される採点実感(ヒアリング結果)などを十分に分析して、自分のこれまでの勉強に何が足りなかったのか、自分の論文答案の書き方のどこをどう直していけばいいのか、徹底的に検証してください。
そして、いうまでもないことですが、論文式試験は提出する答案が全てであり、どんなにすばらしいことを考えても、答案に示すことのできなかった思考は何の評価もしてもらえないということを、今一度よく考えていただきたいと思います。真剣に問題に取り組むのは当然ですが、時間の制約の中で、時には諦めや割り切りも必要です。時間の中でどうやって答案をまとめればいいかについて、ぜひ真剣に考え、訓練を積んでいただきたいと思います。
試験対策に唯一絶対のものはありません。周りの意見に謙虚に耳を傾けながらも、自分の頭で自分の対策をしっかり確立できた人が、合格していけるのだと思っています。

今回で、受験資格を失った皆さん。途方にくれておられるかもしれません。
でも、ご自身が最大限努力してきた結果です。受け止めるしかありません。そして、少し広い視野で現状を客観視してください。今の社会の中で、しっかりと法律の勉強をしてきたこと、それが役に立たないわけはありません。
いろいろな選択肢があるでしょう。その中でどういう決断をするか、その決断が、皆さんのこれからの人生にとって、とても大きな意味をもつはずです。そして、それをチャンスとさえ考えていただきたいと思います。
今までも、司法試験を断念して転進する方を、たくさん送り出してきました。それぞれの人に、いろいろな思いがあるでしょう。ただ、間違いないことは、一人ひとりにとって、大切な人生のスタートだということです。笑顔で送り出させていただきたいと思います。そして、笑顔で前を向いて歩んでいただきたいと思います。

すべての皆さんのこれからの人生を、心から応援しています。
 

2024年11月6日