時間と伊藤塾を活用してつかんだ弁護士資格、依頼者のトラブル解決の力になれることが魅力です

齋藤 尚 先生(弁護士)

人生の転機に法律家を目指す

私は、サラリーマン生活を経て、実家の商売を継いでいましたが、体を壊してしまい、実家の商売ができなくなってしまいました。一時期商売を離れ、それまでの自分や周囲の状況を見つめ直しました。当初は今まで何不自由なく過ごせていた生活がうまくいかなくなったことに対して苛立ち、非常に焦りました。
しかし、散々焦ってもがいた後に、このような体験をした自分だからこそ、世の中の同じように「頑張ってもなかなか報われない」「頑張ろうとしても頑張れない」想いを感じている人々のために何かできるのではないかと思い始めました。 実現はしませんでしたが、今でいうNPOみたいな活動をしようかと考えていたこともあります。
そんな時にたまたま法曹資格のことに興味を持ち、伊藤塾を訪れ、スタッフの方の熱い励ましを受けて、法曹を目指すことにしたのです。
 
時間を工夫し伊藤塾を活用
 
私は、先にも述べたとおり、伊藤塾のスタッフの方の熱い励ましを受けて、伊藤塾の入門講座を受講することにしました。当時、私はまだ実家で働いておりましたので、夜間・土日に受講していました。
とにかく当時は細切れ時間や移動時間をフルに利用して、時間があれば講義を何回もテープで聴いていました。車での移動がとても多い営業職でしたので、移動中、塾長の講義を録音したテープを聴き続け、テキストの内容を思い出し、復習に努めていました。当時はカーナビがついていない車で営業をしていたものですから、テープの内容に気を取られ、目的地を通り過ぎてしまうことがあったのも、今となってはよい思い出です。復習はテープを聞くという方法でフォローできるのですが、予習はどうしても時間が取れず、ほとんどできませんでした。でも、そのことについては、今でも仕事をしながら勉強するという道を選んだ以上、致し方なかったと思っています。人より時間がないと嘆く前に、どんな空き時間でも、どん欲に勉強時間に当てていくことが大切だと思いました。時間というものは意識の持ちようで、驚くほど作れるものです。
勉強の内容のことに関していえば、入門講座がもっとも大事な講座だと思います。入門講座で学ぶ知識は法律を学ぶ上で大切な土台のようなものです。土台がしっかりしていなければ、その上にしっかりとした建物を建てることはできません。実際、私にとって「入門講義テキスト」は最終合格するまでずっとお世話になる大切な参考書となりました。
 
社会人経験活かし「人のために」働く魅力
 
司法試験に合格して、実務家になると、さらに活動の場は広がります。その時に、社会人としての経験は確実に役に立ちます。私の場合は会社員あるいは中小企業の経営者として一貫して経理に携わっておりましたので、会社経営者の方と話をする場合でも、決算や資金繰りの話になると話が通じやすいことが多いです。
一方、法律家としての魅力といえば、なんといっても、何らかのトラブルを抱えている人を目の前にしたとき、その人にトラブルの解決方法を教示してあげることができる、ということでしょう。私が会社員あるいは会社経営をしていたとき、基本的には自分のために仕事をこなしていました。しかし、法律家は違います。目の前にいる人のために仕事をし、その報酬として手数料をいただくのです。自分のアドバイスあるいは活動によって、依頼者が良い方向に進み始めたと感じられるとき、その瞬間を味わえると(まだその瞬間は少ないですが)、弁護士になって本当に良かったなあ、と思います。
 
人生経験はプラスに働く
 
働きながら法曹を目指すことは、想像以上に大変なことだと思います。現在では予備試験の動向も気になるところで、思わず躊躇してしまうかもしれません。
働きながら学習するにあたって、一番良いことは上司の理解を得ることです。自分がなぜ法律家を目指したいか、今の自分の仕事に対する思い、両者を両立させたいと思った理由(経済的理由であればその旨)を正直に上司に話し、時間的な配慮してもらえればベストです。
もちろん、その様な理解を得られないこともあるでしょう。
その場合には、とにかく集中力を高め、なるべく早く仕事を処理し、自分の時間を確保することに努めることをおすすめします。時間を有効活用する方法は、その人ごとにきっとあるはずです。それでも心が折れそうな時は、是非、「明日の法律家講座」を視聴して気合いを入れ直して下さい。
年齢を理由に不安を覚えている方もいるかもしれません。
しかし、そもそも、弁護士という職業は一生勉強する職業ですし、ベテランの先生方も皆そうしています。勉強を始めてしまえば、やるべきことは自ずと見えてきますし、講義やテキストを繰り返すことによって、知識を自分のものにできるはずです。逆に、学習面でも(特にモチベーションの点で)人生経験を重ねていることはプラスになることも多いはずです。
法律の世界に向かって足を踏み出すことは、そのこと自体、人権という崇高な、それでいて実現困難な理念を実現しようとする素晴らしいことです。現在、私にできることは一つでも多くの案件にあたり、一つでも多くの書籍を読み、一つでも多くの書面を書き、研鑽を重ねることです。私も頑張ります。皆さんも頑張って下さい。
 
(2010年11月・記)

【プロフィール】
1996年 大阪大学経済学部卒業
2006年 司法試験合格
2007年 司法研修所入所
2009年 弁護士登録
中村成人法律事務所入所


■ 事務所プロフィール
中村成人法律事務所
〒440-0884  愛知県豊橋市大国町35
■ 当事務所の所属弁護士数
2名(2010年12月現在)
■ 事務所の主な業務内容
不動産・借地借家・相続・遺言・離婚・交通事故・破産・商事全般・刑事全般・行政事件・その他
■ 現在の「ある一日のスケジュール」
8:00 起床・朝食
9:00 拘置所にて被告人と接見
10:30 事務所に戻り、依頼者と打ち合わせ(2件)
12:30 昼食
13:00 書面起案
15:00 依頼者と打ち合わせ
16:00 法廷にて弁論準備手続
16:30 法令・判例調査
17:30 依頼者と打ち合わせ
19:00 書面起案
21:00 帰宅