大学1年生から始めることで、体育会の運動部と両立しながら、難関法科大学院入試に合格しました。

S.N さん(23歳)
 

合格者イラスト
国立大学法学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)、慶應義塾大学法科大学院(未修)、早稲田大学法科大学院(既修/未修)
◆適性試験 / 第1回:未受験 第2回:242点
◆学部成績 / GPA:3.3
◆受講講座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、 法科大学院別論文対策講座 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

私は中学2年生のときに、弁護士の方の話を伺った際に法曹の世界に興味を持ち、その後中坊公平先生の著書に出会って法律家になろうと決意し、法学部に進学しました。
伊藤塾には大学1年生の春に入りました。入塾の理由は、後述するように私は体育会の運動部に所属しており、大学3、4年で周りのようにしっかり勉強する時間がとれないだろうと考え、すこしでも早くスタートを切ろうと思ったからです。

私がとった勉強方法

法律科目対策について

(1)基礎的な法知識・法理論の修得について
初夏まで体育会で部活をやって既修に合格するためには、当然ですが引退してから基礎知識を暗記し始めたのでは手遅れです。そのため、練習でどんなにボロボロになって帰宅しても、1講座でも基礎マスターを聴いて寝るとか、練習に備えて昼寝しておきたい時間でも15分だけ勉強しようとかいった工夫が必要です。
(2)実践段階の学習について
実践段階の学習は6月中旬に引退してから始めました。既修者コースは、慶應は科目数が多くとても夏までには間に合わないと判断し、早稲田と東大を受験しました。
早稲田大学は憲法、民法、刑法の三科目なのでこの三教科の論文マスターを徹底復習して臨みました。早稲田は民法が大配点、刑法も総論の比重が大きいといった傾向があるので、この点を踏まえて勉強すべきです。なお、私立の受験までは、時間を計って答案を書いてみるとか、第三者に添削してもらうといったことは出来ずに臨んでしまいましたが望ましくはありません。
東京大学は私立と異なり、7科目全てが試験範囲です。商訴行についても憲民刑と同様に論文マスターの受講及び復習をメインとしましたが、準備期間が私立終了後3ヶ月しかないこと、東大では商訴行はかなり基本的な内容が問われることを考慮し、商訴行は論文マスターの復習においてA、B+ランクのみを反復しました。なお、基礎を徹底させ、地に足のついた勉強をするために、論文マスターの復習をするときも必ず基礎マスターとの往復を欠かさないようにすべきです。
また、私立受験会場で答案を書く練習、および添削の必要性を痛感したので「コンプリート論文答練」を利用しました。この答練では、(1)目的意識をもって取り組む、(2)生じた疑問点は添削者の方に質問する、(3)返ってきた答案を必ず2回以上復習する、の三点に注意しました。特に(3)の復習は必要不可欠で、例えば行政法では毎回分厚い解説冊子がついてきますが、あれをしっかり読み込むことで実力がアップすると思います。

パーソナル・ステートメント対策について

ステートメントを書くにあたって、私は学部の先輩で法曹界の方にお願いしていましたが、「明日の法律家講座」で実務家の先生のお話を多く伺うことで、ステートメントに書く内容を具体的なものにすることができました。

学部成績について

 一番大切なことはなるべく授業に出て、真面目に授業を聴くことです。特に体育会の学生は朝練等で非常に眠いかと思いますが、普通の学生より勉強する時間がとれない以上、積極的に授業を活用すべきです。

伊藤塾の学習と大学生活との両立について

 私は体育会の運動部に所属していましたので週4の朝練、週6の練習、たまに出稽古と、司法試験を目指す大学生とはかなり異質な大学生活だったように思います。しかし、やはり現役の体育会にとっては試合に勝つほうが大切なので、引退するまでは勉強は最小限にして、その代わり引退あとに爆発的に勉強するというスタイルでよいかと思います。

入学前準備として

法科大学院入試に合格したとはいっても、周囲より勉強量が足りないことは事実です。従って、司法試験短答試験の過去問を解いて基礎知識の増加及び洗練を行いつつ、論文答練を終わらせることで論文の勘を衰えさせないようにしていきます。

合格後に必要なこと

英語は勿論ですが、インドを含めた東アジア40億の中で日本の経済がどのように変質していくのか、それに伴っていかなる分野が興隆し、どのようなリーガル・サービスが求められるのかを見極めるべく、歴史から経済まで幅広く高度な教養を身につけることが必要だと思います。

最後に

 法科大学院入試はあくまで通過点に過ぎないので、気を緩めることなく次の目標に向かって真摯に最大の努力を積み上げていきたいと思っています。