法科大学院入試をメインに考えていましたが、予備試験対策をしていたことが非常に有用でした。

大学在学中

 G.G さん(21歳)

国公立大学法学部4年在学中
【受講講座】
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、予備試験論文直前答練、予備試験口述模試 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。


法科大学院合格校

慶應義塾大学法科大学院(既修)
早稲田大学法科大学院(既修・半額免除学生)
中央大学法科大学院(既修・全額免除学生)

はじめに

 私はテレビドラマで漠然と法曹に興味を持ち、具体的に法曹の仕事内容を知るうちに、被疑者・被告人を訴追し被害者の代弁者となり得る立場にある一方で、被疑者・被告人の冤罪防止の上でも重要な立場にある検察官になりたいと思うようになりました。
 そしてその受験対策として伊藤塾に入ったのは大学2年生の夏休みです。伊藤塾を選んだ理由は、周りが伊藤塾を選んでいたというものにすぎませんが、その選択は間違っていなかったと思います。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 私が法律の勉強を始めたのは大学2年生の4月で、入塾までの数ヶ月は基本書などを読んでいましたが、伊藤塾に入ってからは基礎的な法知識・法理論の修得は専ら基礎マスターに頼っていました。私は入塾が周りよりも遅く、講義がだいぶたまっていたので1年目はそれを消化することを目標としていました。ただ、時間を消化する方が目的となってしまい、最初の段階では十分な基礎知識を身につけたといえる状況ではありませんでした。講義を繰り返し聴いたり、講義でのメモを含めて何度も読み返したりということが重要だと思います。その際、テキストの余白に何時間目かを書いておくと復習に便利だと感じました。
 基礎マスターは伊藤塾長クラスで、基礎修得に非常に役立ちました。今年の予備試験の論文式試験でも、基礎マスターでは歯が立たないというような問題はなく、基礎マスターには予備試験合格のための情報が十分に備わっていると思います。 
 具体的に私がこの段階でどのような勉強法をとっていたかというと、前述したとおり私は受講ペースが遅れていたのでインターネットで受講をしていました。インターネット講義はわからなかったことを何度も聴くこともでき、伊藤塾の大きな魅力の一つだと思います。私は講義でとったメモを含めてテキストを何回も(六法を引きながら)読むという勉強をしていました。アウトプットはこの段階では特に何もしていませんでした。カードも作ろうとしましたが、途中で断念してしまいました。自分に合った勉強法でやればよいと思います。ただ理想としては、基礎マスターの段階で短答の過去問を解くなど、短答のアウトプットをしておくのがよいと思います。

短答式試験対策について

 短答についても基礎マスターでの知識でほぼ足りると思います。4月から司法試験の過去問を解くことで対策を始めました。予備試験の最大の難関は何といっても論文であり、短答はそれほどボーダーが高くないので、短答についてそこまで神経質になることもないかと思います。

論文式試験対策について

 論文対策の中心として用いたのは論文マスターでした。基礎マスターで得た知識をどのように答案上で表現するかを学び、論文マスター答練で実際に書いてみるという勉強でした。論文対策で何より重要なのは自分で書くということだと思います。また、それと併行して論証パターン集を適宜修正していました。論証パターン集は批判されることもありますが、事案から適切な問題提起につなげて、正しいボリュームで書けば問題はないと思います。
 そして直前期は直前答練や模試を受けました。考えたこともないような未知の問題も出るので、良い練習になると思います。

法律実務基礎科目について

 短答合格後、実務対策で何をすべきかわからなかったので、法律実務基礎科目の基礎マスター・論文マスターを受講しました。使用テキストは市販のものもありますが、紛争類型別など独学では理解困難なものもあり、手続についても実際の経験を踏まえて講義をしてくださるので、理解はより深まります。本番でもA評価をもらうことができ、実務対策はこれで十分でした。  

一般教養科目対策について

 私は前年度の過去問を解いた以外短答対策は一切していません。法律科目で8割をとれば一般教養が0でも通ることから、法律科目で8割を目指した方がよいと考えたからです。一般教養は範囲が膨大があるため対策が点に直結するとは限りませんし、論文との関係でも法律については短答の勉強が役立つということは多々ありますが、一般教養についてはこのようには言い難いと思います。また、大学受験を経験した方なら勉強しなくてもある程度は取れると思います。
 論文についても、特に対策はしていません。出題者(著者)の言いたいことを把握し、問に答えるという点では、法律科目の論文対策と共通の面もあると思います。

口述試験対策について

 口述対策は、手続については法律実務基礎マスターで使った民事・刑事手続のテキスト、要件事実については新問研、類型別を使用しました。実体法の対策をする余裕はなかったのですが、今年実体法が出た以上、来年以降もその対策は不可欠と思います。

法科大学院入試との併願について 

 私は予備試験は受かったらいいなといった程度で、法科大学院入試をメインに考えていました。予備試験対策は法科大学院入試対策にも非常に有用でした。予備試験短答式試験までに法律7科目を完成しようというモチベーションができ、これは既修者試験を有利に戦うことにつながりました。また、論文式試験の対策を十分にしておけば、各法科大学院について過去問など特別の対策は必要ないと思います。
 ただ、予備試験とは全く関係性のない適性試験が短答後論文前の時期にあるので、法科大学院入試も真剣に考えている場合は、自分がどの程度適性試験で得点できるか早めに把握しておくべきだと感じました。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて 

 私は大学2年生の頃はサークル中心の生活であり、インターネットでのフォローが非常に役立ちました。勉強と私生活の配分は難しい問題ですが、一度しかない大学生活ですので後悔しない選択をしてほしいと思います。

司法試験受験の準備として 

 1年分司法試験の過去問を解いた以外は司法試験対策はしていません。もっとも、基本となる事項は共通ですので、予備試験に最終合格していれば過去問を中心とした対策を進めていきたいです。

合格後を見据えて 

 はじめにでも書いたとおり、私は検察官志望です。検察官にとって必要な資質とは何かはまだわかっていないですが、そうしたものを見つけ、身につけていきたいです。

最後に 

 予備試験に合格するため、何より重要なのは基礎だと感じました。基本的な理解を答案にしっかり表現できれば良い評価は来ますし、難しい問題、予想外な問題は合否を分けるうえで決定的ではないと思います。
 また、気持ちの面では当たり前ですが諦めないことが重要です。論文式試験初日の1科目目、憲法でまったく勉強していなかった統治機構が出て「終わったな」と思いましたが、必死で書いて、手形が出ても何かしら書いて、論文の合格を勝ち取ることができました。