明日の行政書士講座 バックナンバー
明日の行政書士講座 第91回
【タイトル】
尊厳死宣言まで扱う行政書士が語る ~終活業務のいまと未来~
【日時】
2017年9月30日(土)15:00~17:00
【講師】
田中 より子 先生
先生のプロフィール
渚行政書士事務所
写真専門学校卒業後、写真館でのカメラマンを経て、
いろいろなサービス業に従事。
ネイリスト、英会話講師を続けながら独学で行政書士試験合格。
平成25年に登録。
平成27~28年度 神奈川県行政書士会研修部所属。
平成29年度 同会経理部所属、同会鎌倉支部幹事。
主な業務は遺言、相続、成年後見。逗子市の民生委員、
行政相談員としても活動中。
【実施報告】
【実施報告】
今回東京校で開催されました明日の行政書士講座は、神奈川県行政書士会会員の田中より子先生にお越しいただきました。田中先生はいわゆる「終活業務」をメインにされており、遺言書作成以外にも、尊厳死宣言についても公正証書を作成するなど、積極的に依頼者に寄り添った業務をされています。
【終活とは】
最近よく耳にする「終活」という言葉は、「人生の終わりのための活動」の略で、はっきりした定義は難しく、人生の棚卸や、今をより良くするために行う活動のことをいうそうです。エンディングノートや生前整理、意志表示カード、遺言書など、具体的な例を挙げて、それぞれの注意点を詳しく説明していただきました。
【尊厳死宣言公正証書】
続いて、田中先生が遺言書の依頼を受けた際に一緒にご案内しているという、尊厳死宣言公正証書について、詳しくお話いただきました。いざというときの延命治療についてどうするのかは、元気なうちに細かい点まで決めていくことが大切です。緊急時になって、医者から「どうしますか」と言われると、残った家族はどうしてもとっさに「お願いします!」と言ってしまうため、もし今からも「こうしてほしい」という自分の希望があるなら、普段から口で言っているだけではなく、あくまでも書面で残しておくことが大切なのだそうです。
【死後をよく考えてみると】
普段あまり考えないようにしてしまうものですが、自分が死んだ後にも続く、様々なことについても、具体的にお話いただきました。例えば、残されたペット、葬儀やお墓はどうするのか等、特に昨今はデジタル遺品も問題となっており、インターネット上でしか見ることのできないネット銀行やFXの口座、SNSの自分のアカウントページも死後どうするのか、時間があるときに、自分でもイメージトレーニングして、できる対処をしておくことが大切だそうです。
【最後に】
自分が死ぬということについては、普段なかなか、自分からは考えないようにしてしまうものではありますが、必ずその日は誰にでもやってきます。様々なことを書面に残すことが死後の安心を作ることにつながり、更にそれが「今をより良く生きる」ことにつながるのではという、田中先生の言葉が強く印象に残りました。お話を聞けば聞くほど、言われてみればそうだったと気付くことがたくさんあり、大変勉強になりました。
