伊藤塾の体験講義で、自分の能力の低さに気づき、急いで入塾した

合格者イラスト
赤川 新さん  成蹊大学法学部4年
 
◆学部成績
GPA 2.5 / S:A:B:C=30:39:39:19
◆受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング

◆合格校
東北大学法科大学院(既修)全額免除
首都大学東京法科大学院(既修)
明治大学法科大学院(既修)

はじめに

私は、高校生の頃に「リーガルハイ」というドラマを観て、単純に法律家がカッコいいと思い、大学で法律を学びたいと考え、法学部に進みました。その間に、父親の仕事の話をよく聞くようになり、その中でも、父親とともに働く弁護士の仕事の成果や姿勢を度々聴いて、そのような弁護士になりたいと思い、弁護士を目指すようになりました。そして、3年次まで法律学習を続け、企業法務に興味を持ち、会社法のゼミに参加しました。そこで、M&Aをはじめとした研究を続けることで、M&Aなどの企業の分岐点をサポートできるような企業法務専門の弁護士を目指すようになりました。私は正直、自分の実力に奢っている部分があり、伊藤塾の入塾を渋っていました。しかし、ゼミの先輩に入塾をすすめられたため、体験講義に参加しました。そこで、自分の能力の低さに気づき、急いで入塾したのが大学3年生の9月でした。

私の勉強方法

【基礎学習について】
私が入塾したのが、大学3年生の後半からということもあり、最初は基礎マスターをとにかく終わらせようと思い、1日2科目6講義+復習を欠かさず行い、次の年の2月までに基礎マスターの法科大学院で履修するであろう科目のみ頭に叩き込みました。そして、1月辺りから併行して論文マスターを進めました。論文マスターは初めて論文を書く機会であることから、最初はなかなか書けず、途中で心が折れることもありました。しかし、何とか書き続けて、まず長文を書くことに慣れていきました。その中で、一定の問題に対する答えの書き方などを覚えていき、論文ナビゲートテキストを使って論証という形でカード化し、覚えていきました。また、どうしても対立する学説の名称や法律用語まで覚えようとすることがありましたが、毎日勉強している以上、そのような用語などは自然と覚えていくので、頑張って覚えようとはしませんでした。しばらく論文マスターを理解して解いていき、2周目が終わった6月あたりから、法科大学院の過去問を解き始めました。すると、抜けている内容などが多々あり、そのたびに基礎マスターや大学教授による基本書、判例百選で知識の穴を埋める作業を行っていました。何事にも通ずることだとは思いますが、実際に問題に挑んで、書いて理解して、わからない箇所は基礎で学んだ教材に戻って確かめるといった勉強が、一番手っ取り早く知識を補填できる手段だと思います。全ては基礎に帰依するという言葉はこの世で一番信じられる言葉だと思います。そして、8月に早稲田大学法科大学院を受験したものの、補欠合格になりました。敗因は、テストに慣れていなかったことだと思います。事前に実際の試験時間に合わせて過去問を解き、休憩時間も同じ休憩時間に合わせて、その間に復習することなどを整理して、また過去問を解くといった、実際の受験と同じ環境に慣れることを1ヶ月前くらいから始めた方がよいと体感的に思いました。9月に入って上記内容を進め、直ぐに明治大学法科大学院後期日程、首都大学東京法科大学院、東北大学法科大学院の入試が行われ、結果的に全て合格し、東北大学法科大学院では1年間の学費免除を受けました。
 
【法科大学院対策について】
〈東北大学法科大学院〉
私が一番実力を出せたと思う、東北大学法科大学院の受験についてお話しします。まず、東北大学法科大学院は他の法科大学院と問題の性質を異にし、民法・民事訴訟法・商法については小問が 5つで、全て平均5行以内にまとめる必要があります。そのため、素早くかつ簡潔にまとめる能力が必要だと思います。民法は基礎マスターに書かれている内容をしっかり理解していれば容易に解ける問題が多く、逆に言えば外してはならないと考えてよいでしょう。しかし、例年1問だけ悩ませる問題が出題されます。その問題については、自分がどう書きたいのかしっかり整理し、論証にこだわらず条文に沿って書いていくとよいと思います。商法と民事訴訟法は、全て基礎マスターの理解どおり書けば大丈夫です。一方で憲法・刑法・刑事訴訟法はしっかり書かせていくタイプの問題で、論文マスターをしっかり勉強していれば、逆に有利に立ち回ることができると思います。憲法については 2 0 1 9 年、予想に反して統治分野から出題されました。私は統治分野については全く手をつけていないため、全く理解できませんでしたが、そういう時こそ、指定された条文に立ち戻り、その条文が言いたいことから問題を再理解していくと自ずと書けるようになると思います。最終的には条文に戻ることが一番重要です。そこを忘れずに頑張ってください。 

おわりに

私は将来、ベンチャー企業など、将来の日本の中心となる企業を支えていけるような弁護士になりたいと思っています。そのために、東北大学法科大学院での学修、経験を活かして、司法試験に臨んでいく所存です。大学4年生ともなると、学生という身分で友達との最後に過ごす1年でもありますから、気を負いすぎず、友達との思い出も大切にし、勉強に励んでいってほしいです。その両立できる能力も、きっと将来に活かされていくと思います。頑張ってください!