やるべきことをしっかりとやり続ければ、結果がついてくる試験です。

法科大学院在学中

 T.Tさん(24歳)

私立大学法学部卒業
国立大学法科大学院(既修)在学中

【受講講座】
入門講座本科生+リーガルトレーニング など

※プロフィールは、2011年合格時点のものです。



はじめに

 私は、大学時代に法律家としての進路に興味を持ち、伊藤塾高田馬場校の横山えみこ講師のクラスで、入門講座本科生として勉強を始めました。横山講師は基礎マスターの講義において、実務家としてのご経験を踏まえ、豊富な具体例を織り交ぜた、わかりやすい講義を展開してくださいました。また、講義の中では実務のお話などもしてくださり、勉強へのモチベーションの維持という意味でも、横山講師のクラスを選んでよかったと思っています。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 私は、基礎知識のほとんどを伊藤塾の基礎マスターで学びました。今年の予備試験を振り返っても、合格のために必要な知識の相当程度は、基礎マスターに詰まっているのではないかと思います。予備試験は科目数も多く、やることの範囲は膨大ですが、基礎マスターでやるような基礎的な部分を何度も何度も繰り返して正確に理解しているかどうかが、非常に重要であるように感じました。

短答式試験対策について

 予備試験の短答式試験は、旧司法試験と比べて科目数こそ増えましたが、より基本が問われるようになっていると感じました。そのため、基礎的な知識を中心に、正確に確認していくことが重要であると思います。私は、条文・判例マスターで使用した情報シートを愛用しており、これを中心に勉強していました。また、予備試験の短答式試験の問題の一部は司法試験の短答式試験と共通のため、司法試験の短答式試験の過去問が非常に参考になると思いました。

論文式試験対策について

 論文式試験対策としては、やはり旧司法試験の論文式試験の過去に出題された問題などを用いた勉強が重要であると思います。旧司法試験よりも答案1通当たりの時間は少し長くなっていますが、予備試験の論文式試験においても、問われているのはあくまで基本的な事例を正確に処理する能力だからです。私は論文マスターを受講して以来、そのテキストである「問題研究」に掲載されている問題について何度も答案構成を繰り返していました。

法律実務基礎科目対策について

 法律実務基礎科目は、旧司法試験などにはなかった科目であり、新たに対策が必要な部分です。しかし、予備試験、特に論文式試験で問われているのは、基本的な部分が中心であるように感じましたし、民法や民事訴訟法、刑法や刑事訴訟法といった科目の理解があれば、対策はそこまで大変ではありません。私は特に要件事実に関しては、岡崎敬講師による基礎マスター法律実務基礎科目の講義を受講しました。この講義では、要件事実について非常にわかりやすく解説してくださり、また簡単な事例問題を用いた演習もでき、予備試験対策としては必要十分であると思いました。

一般教養科目対策について

 私は、一般教養科目についてはほとんど対策をせずに本番に臨んでしまいました。短答式試験については何とかなりましたが(あらかじめ、解答する問題の選び方などを自分なりに決めておいたのがよかったのかもしれません)、論文式試験では低い評価がついてしまいました。法律科目の点数で逃げ切れたため助かりましたが、一般教養科目についても、伊藤塾の答練などを利用して、書く練習をしておくべきだったと思いました。一般教養科目の論文式試験は、何行で解答せよ、という形式の出題だったのですが、全然書いたことがないと、指定の分量でうまくまとめきるのは大変です。

口述試験対策について

論文式試験の発表までは本格的に対策をしていなかったこと、口述試験対策としては何をすればよいのかあまりよくわからなかったことから、論文式試験の発表後には少し慌てました。ただ、伊藤塾ではオープンスクールとして口述試験のための講座をやってくださり、予備試験のサンプル問題を素材に、想定される問答などを示してくださったので、これを指針に対策を進めました。論文式試験とは問われる部分がやや違うように感じましたので、こうしたオープンスクールなどを利用して、対策の方針を間違えない(多くの受験者が答えられるであろう部分をしっかり答えられるようにする)ことが大事であると思います。  

旧司法試験との関係について 

旧司法試験と比較して、予備試験ではより一層、基本的な部分の正確な理解が問われているように感じます。したがって、合格者の人数が110人程度であったとしても、基礎を徹底すれば十分チャンスがある試験だと思います。ただ、一つ気をつけるべきだと感じたのは、問題が司法試験に接近化していることです。特に論文式試験では、このことを意識して対策をする必要があると思います。例えば憲法では、訴訟類型を選択する能力、問題となり得る複数の人権のうち本件で主張することが適切なものを選択する能力なども重視されるようになっており、こうした点を意識して書けたかどうかで、差がついたのではないかと思います。  

伊藤塾の学習フォロー制度について 

 伊藤塾の学習フォロー制度で非常に便利だったのが、インターネット講義によるフォロー制度です。私は基礎マスターの段階から、ライブ講義に出席できない場合でも、インターネット講義を利用して、次の講義までに追いつけるようにストリーミングで受講していました。また、試験直前期などには、講義を2倍速で素早く観ることで、全体の確認をしたりしていました。  

司法試験受験の準備として 

 予備試験を受験する利点の一つは、問題がある程度司法試験に近いため(特に短答式試験)、その対策が司法試験対策と重なる部分が多いということだと思います。論文式試験については司法試験の問題に十分慣れる必要があり、また選択科目対策を急いで完成させなければならないと考えていますが、基本的な勉強の仕方自体は、今後も大きく変えるつもりはありません。

合格後を見据えて 

 私はまだ予備試験に合格したに過ぎませんし、志望する法曹像についても、迷っているのが正直なところです。ただ、伊藤塾で開催されている「明日の法律家講座」については、勉強の合間に積極的にインターネット講義で視聴するなどして、モチベーション維持に活用するようにしていました。

最後に 

 予備試験は科目数が多く、合格者数も110人程度というハードな試験です。しかし、科目数が多いということは、それだけ全科目にしっかり手が回っていない受験生も多いということではないかと思います。基礎的なところをしっかり書いて、現場思考の部分も原理原則・制度趣旨といった基本からしっかり考えること、問いに正面からこたえること、そして旧司法試験からの変更点(司法試験に接近している部分)を意識することができれば、十分合格できると感じました。決して見た目上の数字だけに惑わされることなく、やるべきことをしっかりとやり続ければ、結果がついてくる試験だと思います。来年以降受験される方も、ぜひ最後まで諦めずに頑張ってください。
 最後になってしまいましたが、丁寧かつわかりやすい指導で私を合格に導いてくださった、伊藤塾長、横山講師、岡崎講師をはじめとする伊藤塾の講師の方々、そして常に親切に対応してくださった、伊藤塾のスタッフの方々に、この場をお借りしてお礼を言わせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。また、あらゆる面で私を支えてくれた家族にも感謝したいと思います。ありがとうございました。