平佳苗さん

(経 歴) 兵庫県神戸市生まれ
平成21年3月   兵庫県立長田高等学校卒業
平成25年3月   神戸大学法学部法律学科卒業
平成25年8月   KOBE司法書士法人 就職
令和元年11月   司法書士試験合格
 
(保有資格)
司法書士
行政書士資格あり(行政書士未登録)
相続診断士
終活カウンセラー

合格すれば補助者のときとは比べ物にならない景色が見える!今のスキルを困っている方にわかりやすく伝えることことが私のミッションです

なぜ司法書士を目指したのですか。

就職を考えたとき、どんな大企業に就職しても、その会社が永遠に存続するとは限らない、やはり何か自分にスキルを身につけないと人生が不安だと考えました。母は看護師で資格があったことから産休後も職場復帰が可能であったと聞き、法学部だった私は法律資格の取得を考えました。調べてみると司法書士は登記という仕事があり、正確な登記手続きをすることで、紛争を予防するという「予防法務」という考え方を知りました。“紛争を防げるなら、それが一番だ。かっこいいな”と思い取得を目指しました。書店で伊藤塾の書籍を見るとわかりやすかったので、入門講座で勉強を始めました。大学卒業後は、就職活動をせずに1回目の試験を受け、すぐに今の司法書士法人に就職しました。ですからこちらの法人には、まる8年お世話になっています。

補助者で勤務しながらの受験はいかがでしたか。

モチベーションの面では良い点も悪い点もあったと思います。業務をこなすうちに、お客様からの質問にはある程度答えられるようになり、多くの業務をさせていただきました。しかし最終的な不動産決済の場面などは資格者に引継ぐので、お客様からは「あれ、今日は平さんじゃないの?」と言われることもありました。その時は「頑張って試験に合格するぞ」とモチベーションが上がりました。一方で、資格が無くても知識があれば対応できる業務も多く、「合格しなくても役に立てる」と思ってしまう場面もありました。勉強の面では、良かったです。実務を重ねると、手続きの細かい知識も頭に入っていますから、記述のさまざまなケースは理解できるので、択一式の勉強ばかりしていました。学習用のテキストも多くなっていたので、3~6年目頃は独学で勉強してしまいましたが、今思うと、そのせいで受験勉強が長引いてしまったと思います。

合格の年はどこかでスイッチが入ったのですか。

一緒に働いていた先輩の補助者が試験に合格したのが大きかったです。その方が独立する可能性を考え、「このままでは事務所がたいへんになる、そろそろ自分も合格しないと」と焦りました。その後は知識を整理しようと、もう一度伊藤塾の直前講座を受講し合格できました。合格してみると、事務所の外に出てお客様と直接接する仕事が増え、今まで以上に仕事が面白くなりました。「試験に合格した」というのが自信になり、より意欲的に仕事に向き合えるようになったと思います。合格しないと味わえない充実感にますます司法書士のすばらしさを感じました。

補助者経験は役に立ちましたか。

大学卒業後は補助者として経験を積みましたが、司法書士試験は実務家登用試験といわれるだけあって、実務と試験内容の親和性がすごく強いと感じました。契約書作成の際の注意事項でも、試験で重要と言われるところは、実務では見落としてはいけない、絶対に気を配って注意しなければいけないところです。その意味では司法書士試験は良くできていると感じました。“実務の手続き”という出口がわかっているからこそ勉強しやすいところが多かったです。

今はどのような仕事をしていますか。

有資格者は4人の事務所なので、それぞれが何か得意分野を作ることにしています。私は一通りの不動産登記と、相続登記、遺言作成、遺産承継といった相続関連を積極的に引き受けて勉強しています。私の強みは、自分でイラストを描いて、わかりやすく相続について説明できることです。オリジナルイラストを使って相続特設HPやリーフレットを作成したり、2ヶ月に1回“平通信”という相続についての案内を作成し、HPやFacebookで公開しています。また地域のフリーマガジンに情報を掲載するなど、相続の問題を広く知っていただくために、工夫をしています。自分のイラストを使うのは、同僚から「平さんのイラストで説明したらすごく良いと思う!」と言ってもらったのがきっかけです。自分一人では思いつかなかったので、法人で、自分と違う考えをもつ人たちと一緒に働けて良かったです。相続特設HPも作らせてもらったり、自分の好きな仕事をできる環境には感謝しています。なお、KOBE司法書士法人は現在有資格者・合格見込者を募集中ですので、「メンバーと協力して仕事をしながら、自分の強みを生かしたい!」という方、ぜひご連絡ください。

法律手続きをやさしく伝えることを工夫されていますがなにかきっかけはありましたか。

「遺言書があれば、こんな大変なことにならなかったのに・・・」という例を目の当たりにしたのがきっかけです。
亡くなったお父様に、前妻様との間のお子様がいらっしゃると、そのお子様も相続人になりますよね。音信不通になっている場合も多く、お子様と後妻様で遺産分割協議をして相続登記をするのは大変です。お父様が元気な時に、遺言書の必要性に気付いてほしかったと思い、遺言の重要性や相続の問題をもっとアピールする必要があると感じました。法律問題をわかりやすく伝えるということはとても大事で、セミナーでも講義だけでは居眠りをする方も見受けられますが、イラストを交えたり、紙芝居を使って説明すると楽しそうに参加して頂けます。「相続」というと、それだけで身構えられてしまうのですが、ビジュアル化すると気がまぎれて気軽に聞いてくれます。不動産決済の待ち時間など、手持無沙汰な場面でも、手描きイラスト入りの案内を見せるとちょっとした安らぎになります。お客様にご理解いただくためには情報発信の方法は大事な要素だと思います。

印象に残っている案件はありますか。

ご家族のない独り暮らしのご親族が孤独死され、行きがかり上、葬儀まで行ったあと、10年間放置してしまい、どう対応したらいいかわからない、というお客様からのご依頼がありました。そこでまず相続人の調査をし、最終的には、遺産承継や相続登記手続きまで行いました。立て替えていた葬儀費用も精算することができ、相続人の方とも円満に話ができたのでたいへん喜ばれました。相続のことは司法書士に相談できるとお客様が知っていたら、10年も悩むことはなかったと思います。またお母様の遺言書作成のご依頼でいらしたお客様でしたが、コミュニケーション不足でご兄弟の関係がぎくしゃくしていたそうです。そこで法的問題を整理してご説明した上でお母様に遺言書を作成していただき、ご兄弟でしっかりと話し合ったおかげでお互いの不信感がなくなり関係が良好になったということがありました。どちらも中立な専門家の立場で手続きを進めたことで、円満に解決できた案件だったと思います。わかりやすい情報発信を続けることで、相続や家族信託などのお問合せも増えていますし、法律の知識を活用して、将来の困りごとを予防できる仕事はたいへんやりがいがあります。
 

むかしから、このような考え方を持っていたのですか。

司法書士は書類作成の仕事だと思っていたので、今のような仕事は想像していませんでした。しかし法人で経験を重ねて、知識が増えて自信がついてくると「書類作成だけではなく、いろいろな可能性がある」と思えるようになり、仕事がどんどん楽しくなっていきました。私たちには当たり前のことでも、そのことを知らずに悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。そんなお客様のお悩みを解決できた時はとても嬉しく思います。私は学生時代にずっとマネージャーをしていたのですが、そのときも自分の成果を求めるより、サポートするほうが好きでした。選手の特性を理解して最大の効果を得られるようなアドバイスをして最高の結果を出してもらう、考えてみたら今の仕事と似ていますね。

これからどのような司法書士になりたいですか。

受験勉強だけではわからなかった世界が司法書士の仕事には広がっています。「司法書士ってどんな仕事?」と聞かれると、未だに一言で説明するのは難しいのですが、それだけ幅広い仕事ができるということだと思います。私は相続に力を入れていますが、外国語ができる司法書士は渉外案件を、商業登記が得意な司法書士は企業法務や、経営コンサルタントまで手掛け、様々な分野で活躍している司法書士がいます。この司法書士の仕事、さまざまな手続きを広く知っていただき、「どこに相談したらよいかわからない」という方がいなくなり、「とりあえず司法書士に相談してみよう」と思ってもらえるのが理想です。そのためには“わかりやすい情報発信”をどんどん進めていきたいと思います。

最後に受験生のみなさんへアドバイスをお願いします。

合格してみると、「今まで頑張って良かったな」と必ず思えます。受験勉強だけしていると、司法書士の登記以外の仕事はなかなかイメージがわかないと思います。私も、受験勉強の時には「司法書士は黙々と登記の書類を作るのかな」と思っていました。実際は、人と会って、「ありがとう」とたくさん感謝される仕事で、大変ですが、やりがいのある仕事です。受験勉強は細かい知識の繰り返しだと思いますが、その法律知識、法的素養をしっかりと身につけることは本当に大切です。知識があり、お客様のために頑張ろうという思いがあれば、本当に多くの可能性を秘めた職業だと思います。がんばれば、ものすごく楽しい将来が待っています。ぜひあきらめずに合格を目指してください。そして、KOBE司法書士法人で私たちと一緒に働いて頂ける方も、お待ちしております。