必要なのは、予備試験合格への決意と、確実な計画、それをやりぬく気力です。

G.Gさん(22歳)

東京大学法学部 4年在学中

【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)
◆ 受 講 講 座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験短答模試、コンプリート論文答練、予備試験論文模試、予備試験論文直前答練、予備試験口述模試など
※掲載しております合格者のプロフィールは、2013年合格時点のものです。
※2013年予備試験合格者の皆様は、司法試験合格前のため、ご本人の学習環境に配慮して、実名・イニシャルでの公表を控えさせていただきます。


 

はじめに

伊藤塾との出会いは、大学で開かれていた説明会です。法律家の魅力について語る伊藤塾長の姿に圧倒され、そこで頂いた体系マスター民法の体験受講DVDを 見てみました。それまで法律に対して冷徹で杓子定規なイメージを持っていましたが、その講義を受講し、法律はそんな冷たいものではなく、妥当で正義にかな う解決を導くために、たくさんの解釈が積み重ねられていることを知りました。もっともっと法律の世界を知りたくなり、法律家を目指すことを決意するととも に、伊藤塾に入塾しました。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

基礎的な学習については、とにかくできるだけ早く七科目の学習を一通り終わらせることが大事だと思います。予備試験合 格に向けて勉強を始めたのであれば、一年後の短答式試験合格は目標とすべきでしょう。私の場合は、大学2年の4月から基礎マスターを受講し始め、12月ま では憲民刑中心に学習し、年明けからの5カ月で商訴・行政法を終わらせて短答式試験に合格することができました。基礎的な学習の段階においては、とにかく立ち止まらないことが大切です。学説や判例の深い理解を追い求めて基本書や論文をいくつも読みだしてしまう人がいますが(私もそういう時期がありました)、初学者のうちにそんなことをしても学習のピントがずれてしまって大した成果は得られません。木を見て森を見ず、にならないように、まずは七科目の全体像をつかむことに専念すべきです。
 次に、基礎的な知識をどうやって修得するか、という点については、どのような教材を使っても構わないと思います。私の場合は、最初は全科目基礎マスター 講義で全体像をつかんだ後、民法は基礎マスターテキスト、それ以外の科目は基本書(憲法:憲法学読本(安西ほか)、行政法:櫻井橋本・大橋、会社法:リー ガルクエスト、手形法:早川、民訴:和田、刑法:山口(青本)、刑訴:リーガルクエスト)をそれぞれ何度も読みこみました。ただし、最初の短答式試験合格 までには基礎マスター講義を受講するのに手いっぱいで基本書はほとんど読んでいなかったと思います。大学の定期試験でどの教材を使うかも考えながら、基礎 マスターテキスト・基本書(できるだけ新しいものが良い。受験生の定番のものが論文の勉強でも使いやすくおすすめ。)・大学の講義ノート/レジュメなどの 中から各科目自分が最も勉強しやすい教材を選べば良いと思います。基礎マスターテキストと基本書は情報量としてはだいたい同じで、どちらも予備試験合格に 必要な知識についてはほぼ網羅していると思います。
 なお、民法の基礎マスターテキストは、膨大な量の民法の知識がとてもコンパクトに整理されており、試験前に短時間で復習するのにとても役に立ちました。

短答式試験対策について

短答式試験対策の勉強は、とにかく短時間で要領良く判例・条文・学説の知識を覚えることが重要です。細かな知識を暗記 することに躍起になってだらだらと勉強していても、短答の点数は伸びないばかりか論文の勉強ができなくなってしまいます。過去の出題範囲表(伊藤塾の短答 模試を受けるともらえます)などから、どの分野をどれだけの時間かけて勉強すれば何点上がるのかを予測し、本番までにあと1時間しかなかったら何を勉強す るか、常にそんな意識を持って勉強するといいと思います。私の場合、1年目は基礎マスターテキストを何度か読み返して市販の過去問集を2~3回解いたら法 律科目で7割を超えました(ただ、過去問集を解くのはあまり効率のいい方法ではなかったと思っています。正誤入り混じった文章を読んで正誤を判断しながら 記憶するより、すべて正しい文章を読んでそれをそのまま覚えたほうが短時間で処理できるからです)。2年目は、ギリギリまで論文の勉強をしていたため、直 前に短答マスターテキスト(情報シート)を一日一科目×7日で読んで試験を受けたところ、法律科目で8割を超えました(論文合格を目指すのであれば短答8 割がひとつの目安になると思います)。情報シートはどの科目も短答式試験で必要な知識が凝縮されており、とても役に立ちました。

論文式試験対策について

上に基礎的な学習はとにかくはやく一通り終わらせることが大事と書きましたが、基礎学習を終えて、できる限り早く論文式試験対策の勉強を始めてください。基礎の復習が間に合ってなくても、論文を書きながら覚えていけばいいのです。ただやみくもにテキストや基本書を読みこむより、論文を書いて知識をどう答案で表現するのかを知った上で復習した方がきっと効率よく知識を修得することができると 思います。私は勉強をはじめた次の年(大学3年)の秋からコンプリート論文答練を受講し、最初のうちはまったく答案が書けずに悔しい思いをしましたが、今 思えばあの時期が一番力が伸びたと思います。なお、論文マスターは論文の書き方入門なので、こんな感じで答案を書けばいいのかと眺めてサクッと終わらせま しょう。コンプリート論文答練を受けながらやっても問題ありません。
論文式試験については、とにかくたくさんの答案を書くことが大切です。周りの合格者を見ても、若干の例外を除けば、答案を書いた枚数が合否・順位に比例し ているといっていいと思います。私は、伊藤塾のコンプリート論文答練、論文直前答練・模試の他に、旧司法試験の過去問(法務省のHPにアップされている平 成14年度以降のものは出題趣旨が公表されているので勉強しやすく、予備試験とも出題傾向・難易度が近い)もできるかぎりたくさん解きました。答練の解説 講義や添削、先輩や友人のアドバイスなどを参考に、どういう答案が評価されるのかを徹底的に分析しましょう。

法律実務基礎科目対策について

民事実務基礎科目については、基礎マスター講義を聴きながら「新問題研究 要件事実」と「紛争類型別の要件事実」を読み、特に新問題研究についてはすべて 確実に覚えましょう。刑事実務基礎科目については基礎マスター講義だけで十分です。過去問は少ないですが、民事・刑事ともに答練でたくさん問題演習をしま しょう。実務科目は短時間の勉強ですぐに点数が伸びますが、逆に対策をしていなければ大きなハンデキャップを負うことになります。実務で足を引っ張ること のないようしっかりと対策をしましょう。

一般教養科目対策について

短答式試験については、対策をすることはあまりおすすめしません。コストパフォーマンスが悪すぎるからです。点数が低い人はあきらめて法律科目で稼ぎましょう。
論文式試験についても、基本的には対策は不要ですが、教養論文答案にも一定の型があるらしいので、書き方が分からないという方は、答練などで何問か書いて みた方がいいでしょう。私は大学入試の現代文が得意だったので1年目の予備試験では何も対策しなかったところ、F評価を受けて痛い目にあいましたが、2年 目には答練で答案の型を覚えたらC評価まで上がりました。

口述試験対策について

民事は新問研・類型別と民事訴訟第一審手続きの概要(民事実務の基礎でもよい)、民訴の基本書の手続き部分、民法の基礎マスターテキストを読みこんだり、 民訴法・規則の条文を素読したりしました。刑事は検察講義案を読みこみ、刑訴法・規則の条文を素読しました。口述模試は、質問に対して必要十分な回答をす るとても良い練習の機会になるので、必ず受けましょう。

法科大学院との併願について

法科大学院入試の対策は特にしませんでした。予備試験の対策をしっかりしていれば何も心配はいらないと思います。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

大学の定期試験との両立にはとても苦労し、予備試験の学習に専念していたために学部成績は少し下がってしまいました。ただ、予備試験も学部試験も評価され る答案はおそらくあまり変わらないので、効率よく勉強していれば学部成績もしっかりとることができたのではないかと思います。実際、周りの予備試験合格者 は学部成績もとても優秀な人が多くいます。

合格後を見据えて

今後は、企業法務を扱う事務所に就職したいと思っています。今は司法試験に向けた勉強に専念しますが、司法試験合格後も気を緩めることなく、さらに研鑽に努めたいと思います。

最後に

予備試験の短期合格は決して難しいことではありません。必要なのは、予備試験合格に向けた決意と、確実な計画、それをやりぬく気力です。ひとりでも多くの方が予備試験の短期合格を実現して将来の可能性を広げることを願っています。