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明日の法律家講座 東京校第217回

2014年2月15日(土)実施
 

内閣法制局と憲法

【講師】 
阪田 雅裕 氏(弁護士、「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」顧問、元内閣法制局長官)


講師プロフィール

阪田 雅裕 氏(弁護士、「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」顧問、元内閣法制局長官)

和歌山県出身
1965年9月 国家公務員採用上級甲種試験(法律)合格
1965年9月 司法試験第二次試験合格
1966年3月 東京大学法学部卒業
1966年4月 大蔵省入省
1971年7月 苫小牧税務署長
1981年7月 内閣法制局第一部参事官
1989年7月 国税庁長官官房総務課長
1990年9月 大蔵省大臣官房参事官
1992年6月 大蔵省大臣官房審議官
1992年12月 内閣法制局総務主幹
1993年7月 内閣法制局第三部長
1999年8月 内閣法制局第一部長
2002年8月 内閣法制次長
2004年8月 内閣法制局長官
2006年9月 退官
2006年11月 弁護士登録(第一東京弁護士会所属)
2006年12月 アンダーソン・毛利・友常法律事務所顧問
2007年3月 社会福祉法人全国盲ろう者協会理事長
2007年4月 明治大学大学院ガバナンス研究科特別招聘教授
2013年4月 大阪大学大学院法学研究科客員教授
 
著書
『法制意見百選』(共著)(ぎょうせい、1986年)
『証券取引等監視委員会――日本型SECの誕生』(大蔵財務協会、1993年)
『政府の憲法解釈』(有斐閣、2013年)
『「法の番人」内閣法制局の矜持』(大月書店、2014年)
 
 

講師からのメッセージ 

 憲法を頂点とするわが国の法秩序は、多数の立法を通じて構築されてきました。法律は、近代国家における唯一の、そして万能の統治手段です。いうまでもなく法律を制定するには国会の両院の議決が必要ですが、主要な法律案の大半は、これまで政府が企画立案をして国会に提出してきました。これら政府が作成する法案はすべて、内閣法制局の審査を経なければ、閣議決定されません。
 わが国の政策決定から法制化に至るまでの一連のプロセスを概観し、併せて、明治以来一貫して立法実務の中枢を担ってきた内閣法制局での法案審査の実態や審査の視点などを知ることは、「正しい」法と法治のあり方や法曹人に求められる資質・姿勢を考える上で、また、こうした素養を社会で生かすための方策を探るためにも大きな手がかりになるものと考えています。
 立憲主義の下、「正しい」法の原点は憲法適合性であり、法律や行政活動の合憲性が確保されなければ、国家の統治に対する信頼が失われます。内閣法制局は、現実に即して憲法と向き合い、立憲主義の基盤を支えてきました。この政府の憲法解釈の意義についてもお話し、解釈改憲の当否を考えてもらいたいと思っています。