明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第216回

2014年1月25日(土)実施
 

専門性を確立するには ~新時代を切り拓く法曹を目指して~

【講師】 
上山 浩 氏(弁護士、「日比谷パーク法律事務所」パートナー、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

上山 浩 氏(弁護士、「日比谷パーク法律事務所」パートナー、元伊藤塾塾生)

上山 浩 氏
1981年 3月 京都大学理学部卒業。
同年4月、富士通入社。大型汎用機用オペレーティングシステムの企画・設計などに携わる。
1990年 4月 野村総合研究所に転職。
1998年10月 司法試験合格。
2000年10月 弁護士・弁理士登録。
2003年 2月 日比谷パーク法律事務所に入所。特許訴訟など知的財産関連の係争やシステム関係・I T 訴訟などを多数経験。
 
 

講師からのメッセージ 

弁護士になろうとする方の多くは、将来、知的財産や金融、会社法などの分野の専門家になりたいと考えているのではないでしょうか。しかし、ある分野の専門家になりたいと思っても簡単にその望みがかなうわけではありませんし、専門性を確立するためのメソッドやコツがあるわけでもありません。誰にも等しく巡ってくるチャンスを捉えるしかないのだと、思っています。この講座では、チャンスはどのように現れるのか、それを活かすためには何をすべきかについて、参考として、私の実経験をご紹介できればと思っています。私は、現在は、特許や著作権などの知的財産分野と、システム開発契約の分野を専門としています。しかし、初めからこの二つの分野が専門だったわけではありません。弁護士登録直後からWindowsを侵害被疑品とする特許侵害訴訟や、特許の消尽論が争点となったリサイクルインクカートリッジ特許事件、最近ではアップルのiPodがわが国の個人発明家の特許を侵害しているという判決の事件などを扱っています。比較的短い期間に、このような貴重な事件に関わることができたのは、運もありますが、それだけではありません。また、システム開発契約に関しては、これも最近ではスルガ銀行対日本IBMの訴訟で巨額の損害賠償が認容された事件などを扱っていますが、これが専門分野として確立したのは比較的最近のことです。決して成り行きで専門分野ができたわけではなく、弁護士になる以前の社会人時代の経験を活かすことを意識しながら、様々な機会に長期的な視点で積極的に対応してきた結果だと思います。
専門分野を確立するまでの道のりは人それぞれ千差万別だと思いますが、私の実経験が皆さまの参考になればと思っています。