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明日の法律家講座 東京校第219回

2014年5月24日(土)実施
 

袴田事件再審開始決定を契機に、日本の刑事司法改革を進めよう!

【講師】 
西嶋 勝彦 氏(弁護士、「お茶の水合同法律事務所」所属、袴田事件弁護団長)


講師プロフィール

西嶋 勝彦 氏(弁護士、「お茶の水合同法律事務所」所属、袴田事件弁護団長)

西嶋 勝彦 氏
福岡県生まれ。
中央大学卒業
司法研修所修了(17期)。東京弁護士会登録
袴田事件弁護団長の他、日弁連刑事拘禁制度改革実現本部長等の要職も務める。
数々の冤罪、再審事件の弁護に関わる傍ら、日弁連拘禁二法案対策本部事務局長を1987年から足かけ18年間務める。

著作に「世界に問われる日本の刑事司法」(共編著、現代人文社)、「死刑か無罪かーえん罪を考える」(共著、岩波ブックレット)等がある。
 

講師からのメッセージ 

今年の3月27日、静岡裁判所刑事部は、袴田巌氏の第二次再審請求事件について、再審を開始する決定をしました。
この決定は、死刑の確定判決が決め手とした5点の衣類について、DNA鑑定や、弁護人の味噌漬け実験と色に関する開示証拠を重視し、袴田氏に結びつかないとしたばかりでなく、捏造の疑いも指摘しました。そして、即日の袴田氏の釈放も命じました。
世界が注目するこの袴田事件の開始決定を無視するような動きは許されません。(1)取り調べ全過程の可視化、(2)人質司法からの脱却、(3)取り調べへの弁護人の立会い、(4)全証拠の開示、(5)代用監獄の廃止、(6)無罪判決や再審開始決定への検察官の上訴禁止が、まず上げられます。さらに、(7)冤罪原因究明の第三者機関を立ち上げることも必要になってきます。その際、裁判所を聖域にしてはなりません。