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明日の法律家講座 東京校第224回

2014年10月1日(水)実施
 

刑事司法のあるべき姿を考える~裁判員制度等に触れながら~

【講師】 
樋渡 利秋 氏(弁護士、「TMI総合法律事務所」顧問、元検事総長)


講師プロフィール

樋渡 利秋 氏(弁護士、「TMI総合法律事務所」顧問、元検事総長)

兵庫県生まれ
1968年 東京大学法学部卒業
1970年 司法修習修了(22期)と同時に東京地方検察庁検事に任官。
1978年 外務大臣官房領事移住部(現領事局)
1980年 東京地方検察庁検事
1992年 東京高等検察庁検事兼最高裁判所司法研修所教官
1995年 法務大臣官房審議官(入国管理局担当)
1997年 最高検察庁検事
1999年 法務大臣官房総務審議官
1999年 内閣官房内閣審議官兼内閣司法制度改革審議会事務局長
2001年 内閣官房司法制度改革推進準備室長
2001年 最高検察庁総務部長
2002年 法務省刑事局長
2004年 法務事務次官
2006年 広島高等検察庁検事長
2006年 東京高等検察庁検事長
2008年7月 第24代検事総長
2010年6月 検事総長を退任。
2010年9月弁護士登録(第一東京弁護士会)、TMI総合法律事務所顧問

 

講師からのメッセージ 

 裁判員制度が始まって5年、その間、裁判員・補充裁判員として関わった国民は5万人に及び、その下した判決は6,500件です。
 この制度導入以来、刑事裁判の姿は大きく変わりました。一般の国民にも分かりやすくかつ迅速な審理にするため、法廷での審理の在り方自体を見つめ直すとともに、公判前整理手続制度を入れ、証拠開示の拡充や取調過程の可視化を図ってきたからです。刑事司法の改革はまだ続いています。今年7月、法制審議会に設けられていた「新時代の刑事司法制度特別部会」は、その調査審議の結果を取りまとめ、取調過程の録音・録画の義務化やいわゆる司法取引・刑事免責などの新しい制度の導入など多岐にわたる提言をしています。来年早々にもこれらの改革案が国会で審議されることになるでしょう。
 しかし、制度の改革だけでなく、この一連の司法制度改革には忘れてはならない理念があります。裁判員制度も、裁判に国民の意思を反映させながら、「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資する」ことを目的としているように、国民の目線での改革ということです。法曹養成制度も、法曹人口問題と微妙に絡みながら様々に批判されていますが、国民の眼にはどのように映っているでしょうか。この視点からの検証も必要でしょう。多くの問題を語るには短い時間ですが、考えるきっかけの一助になればと思います。