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明日の法律家講座 東京校第226回

2014年11月29日(土)実施
 

世界を視野に入れて!~新たなキャリアのロールモデルとしての仕事の創造を!~

【講師】 
絹川 恭久氏(「弁護士法人キャスト」所属、日本、ニューヨーク州及び香港弁護士、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

絹川 恭久氏(「弁護士法人キャスト」所属、日本、ニューヨーク州及び香港弁護士、元伊藤塾塾生)

東京都出身(愛知県生まれ)
2002年 司法試験合格
2003年 東京大学法学部卒業
2004年10月 弁護士登録(57期・沖縄弁護士会)
2004年10月から2008年まで沖縄県那覇市の総合法律事務所にて勤務し、企業法務から一般民事まで幅広く従事。
2008年6月に退職し、同年7月からロサンジェルスの南カリフォルニア大学での語学研修後、シアトルのワシントン大学ロースクールでアジア法及び比較法LL.Mを専攻。
翌2009年修了。
2009年から2010年にかけて、ハワイ州ホノルルの法律事務所2ヶ所(Bays Deaver Lung Rose Holma(当時の名称)、Otsuka and Associates)で実務研修。
2010年1月 ニューヨーク州弁護士登録。
帰国後約半年間の専業主夫を経て、2010年10月に弁護士法人キャストに参画。以後、東京拠点、大阪拠点での勤務を経て2012年1月から香港拠点(村尾龍雄律師事務所)常駐
2014年2月 香港外国弁護士適格試験(Overseas Lawyers Qualification Examination)合格後8月に香港弁護士登録、現在に至る。
 

講師からのメッセージ 

本当に司法試験に受かっても弁護士登録をした後、するべき仕事がないのか?
 
私は違うと思います。確かにここ数年、クレサラ案件を除く国内の純粋な裁判件数は横ばいないしは微減のようですが、世界に目を向ければやるべき仕事はいくらでもあります。たとえば日本には、タックスヘイブン対策税制や移転価格税制など国際税務の問題にしっかりした見識を持った弁護士が少ない、海外の日系現地法人の現場でのさまざまな法務・総務・税務問題にタイムリーかつリーズナブルに答えられる弁護士・社内弁護士・法務部社員が少ない、日系企業が海外に進出し、海外で生活をする日本人が増えているのに、現地で離婚・相続・刑事などのトラブルを相談できる日本人弁護士になかなか行き当たらない、という話はよくあります。
 
弁護士とは、その国の法制度や社会慣習、国民性を理解してこれを実際の現象に論理的にあてはめ、より良い紛争解決に導く職業ですが、これは日本も海外も変わりません。私の場合は国内の一般民事弁護士から初め、今はまがりなりにも海外で日本法と外国法の関わる実務を行っていますが、上記弁護士に必要な素養は全て、相談・契約作成・裁判・交渉などの国内弁護士業務で培ったと思っています。国内で裁判やるのも好きですが、海外で求める弁護士や法務人材がいなくて困っている企業や日本人がいるならば、それらの人々のために一肌脱いで感謝されるのも同じように楽しいのではと思います。
 
いろいろな社会で生活・仕事をしてみて初めて気づく弁護士としてのニーズ、仕事のやりがい、日本の制度の特殊性・特異性があると思います。皆様には、世間やメディアで言われていることにあまりとらわれず、自ら道を開いて実務経験をし、自分の感性で国や社会を洞察し、やるべきと思うことを突き詰めて「求められる法曹家」になっていただけたらと思います。私の経験が皆様のそのような飛躍のひとつのヒントになれれば、と思います。