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明日の法律家講座 東京校第302回

2021年4月3日(土)実施

刑事司法における法曹三者の役割

講師プロフィール

頃安 健司 氏(弁護士、元大阪高検検事長)

長岡隼平氏
1942年 生
1961年 3月岡山県立津山高等学校卒業
1964年 司法試験合格
1965年 3月東京大学法学部卒業
1965年 4月最高裁判所司法研修所入所
1967年 4月東京地方検察庁検事
1970年 5月ウィスコンシン大学ロースクール卒業(LL.M.)
1993年 4月最高検察庁検事
1993年 12月大津地方検察庁検事正
1996年 1月法務省官房長
1997年 12月最高検察庁総務部長
1999年 4月同刑事部長
1999年 12月法務総合研究所長
2001年 5月札幌高等検察庁検事長
2002年 6月名古屋高等検察庁検事長
2003年 2月大阪高等検察庁検事長
2004年 6月退官
2004年 7月第一東京弁護士会登録東京永和法律事務所勤務
2008年 7月TMI総合法律事務所顧問弁護士就任

 

講師からのメッセージ

 私は、検事を37年間勤めた後、弁護士登録をして17年になります。検事退官直後は、検察は国民の期待にこたえ、よくその使命を全うしていると自負しておりましたが、弁護士として刑事弁護活動に従事しているうちに、検察も反省すべき点がいろいろあるなあと思うようになりました。法曹三者それぞれの立場があり、立場立場によって見える景色が異なることがわかってきました。
 一例が、いわゆる「人質司法」の問題です。検察官は、第一回公判まで、保釈請求に対し中々「しかるべく」の意見はつけたがりません。私が担当した中小事業者の所得税法違反(脱税)では保釈請求に当たり検察官や裁判官にある事情を説明したのですが、第一回公判まで保釈は認められませんでした。被告人は、資金繰りに日々奔走し自転車操業の状態であったため、勾留が長期にわたると倒産のおそれがあったのですが、検察官も裁判官も理解してくれませんでした。もっとも脱税事件では、捜査段階では事実を認めていながら、保釈になるや、公判では全面的に争う事例も珍しくなく、検察官も裁判官もそれを懸念したのでしょう。
 今回の講演では、刑事司法における法曹三者の役割についてお話してみたいと思っております。また、時間が許せば、日本の刑事司法の特徴などについても触れられればと考えております。