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明日の法律家講座 東京校第318回

2022年8月20日(土)実施

検察官として、弁護士として連合赤軍事件を顧みて

 

 講師プロフィール

古畑 恒雄 氏(元検察官、現ヤエス第一法律事務所代表弁護士、現更生保護法人更新会理事長)

古畑恒雄氏
1933年長野県飯田市生まれ。
早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了(民事法学専攻)。
1960年検事に任官。1993年最高検公判部長を最後に退官するまでの間に、法務省保護局総務課長と保護局長を務める。その後、公証人を経て、2003年弁護士。
現在、更生保護法人「更新会」理事長を務めるかたわら、受刑者の「寄り添い弁護士」活動を提唱、実践している。元早稲田大学法学部非常勤講師(刑事法)。
2018年に受刑者の改善更生のための活動により第9回作田明賞の優秀賞を受賞。
2022年2月24日(木) NHK「クローズアップ現代 50年目の独白 元連合赤軍幹部の償い」の取材に協力。
2022年2月26日(土)付け「朝日新聞」・「オピニオン」に「連合赤軍事件と私」というタイトルのロングインタビュー記事が載る。
 

講師からのメッセージ 

33年間検察官を務めて退官後弁護士となり、受刑者に寄り添う仕事を主に担当することとなった。訴追する側から防御する側に回った。ほぼ同時期に更生保護施設の理事長のポストを任された。おかげで、刑事政策を多角的に見る目が養われた。これまでにお世話をした受刑者は50人余り。そのなかに、50年前「あさま山荘」に立て籠もった連合赤軍の革命戦士もいた。いま、その身元引受人を務める。思うに、誰しも生まれながらに犯罪者であったはずはない。何かの拍子で運悪く道を踏み外したのだろう。いや,かくいう私でも、いつどんな事情で罪に問われるような行動に走ったかも知れないと思うことがある。そうならなかったのは,たまたま親きょうだいの愛情や、師、友人など周囲の人間関係に恵まれていただけのような気がしてならない。イエスもいわれる。「汝らの中、罪なき者まづ石を擲て」(ヨハネ伝福音書第八章七)と。
 受刑者と私とは決して別世界に住む異質な人間ではない。私とていつ罪に陥ったかも知れない紙一重の存在だ。そう思いつつ温かいままざしと優しいことばで受刑者と接し、改善更生というゴールを目指して彼らに伴走している。
 経験60年を超える一法曹の生きざまを通じ、日本の刑事政策の在り方を皆さんとともに考えたい。