明日の法律家講座 東京校第363回

2025年3月14日(水)実施

同性婚法制度化の障壁と司法の対応
~憲法24条の婚姻には同性婚も含むとする憲法解釈は可能か?~

 講師

千葉 勝美氏

千葉 勝美
(弁護士、「西村あさひ法律事務所」オブカウンセル・元最高裁判事)

【プロフィール】
 1970年東京大学法学部卒業。1972年判事補任官後、東京地裁判事、最高裁秘書課長・広報課長、民事局長・行政局長、最高裁首席調査官等を経て、2009年12月から2016年8月まで最高裁判事。同年10月弁護士登録。
著書:『違憲審査~その焦点の定め方』(有斐閣)、『憲法判例と裁判官の視線~その先に見ていた世界』(有斐閣)、『判事がメガネをはずすとき~最高裁判事が見続けてきた世界』(日本評論社)、『同性婚と司法』(岩波新書)ほか

講師からのメッセージ  

 今日、世界の主要国においては同性婚の法制度化が大きく進んできている。他方、我が国においては、その法制度化を求める憲法訴訟が複数提起され、下級裁の段階で現状の立法不作為状態は違憲であるという判決も見られるが、国会においては依然として目立った動きは見られない。そこで、今回の講座では、法制度化の障壁となっているのは何かを探り、それを乗り越えるために司法はどう対応すべきなのか、具体的には、法制度化のための運動論ないし政策論ではなく、LGBTQの人達にとっての天王山ともいうべき同性婚問題の根本的な解決に繋がる、「憲法24条の婚姻には同性婚も含む。」とする憲法解釈が可能なのかについて検討していきたい。