Vol.09 弁護士 樫原圭先生

志を貫く、海事弁護士の原点

Profile

所属:TMI総合法律事務所
専門分野:訴訟・海事法・労働

目次

●海運に惹かれた、志の原点
●ダイナミックな、世界中の海の法務
●紅海をめぐる、未曾有の事態
●伊藤塾で得た、解決思考プロセスと仲間
●法律が持つ、何かを「守る」役割
●海事法の本場、世界への挑戦

海運に惹かれた、志の原点

Q.自己紹介をお願いいたします。

樫原圭です。
TMI総合法律事務所で弁護士をしています。

Q.法曹を志したきっかけを教えてください。

冤罪事件をニュースで見たことです。
小さかった頃ですが、漠然と、このように人の人生に大きく影響を与えられる仕事があるのだと、憧れを持つようになりました。
その後、海運関係の仕事をしている父から、海運業界では弁護士の数が不足していると聞き、海運関係の弁護士になれたらいいなと思ったことがきっかけです。

ダイナミックな、世界中の海の法務

Q.実務について教えてください。

主に海運業界で、船会社や船のオペレーション会社などの法律業務に携わって参りました。
具体的には、船の売買時の契約書レビューや、船が実際に衝突してしまったときの保険関係の取り扱いなどをさせていただきました。
その他に、船会社同士のM&Aや訴訟対応なども対応させていただきました。

Q.どんなところに、実務のやりがいがありますか?

船は世界中を行き来するものですので、全世界を巻き込んだトランザクション取引になることが多いです。
そのため非常にダイナミックで、国際情勢の影響を強く受けることが少し大変な点です。
ですが、それ以上にすごく魅力があります。

Q.実務に向けて特に磨いたスキルを教えてください。

法律を使って問題を解決するスキルです。
一番最初に伊藤塾で教わったことだと思いますが、既にある法律や規範を使って、今存在している問題をどのように解決していくか、自分の頭を使って考えることが非常に重要なスキルだと思います。
そこは伊藤塾で学んだことが自分の基礎になっていると、日々感じています。

紅海をめぐる、未曾有の事態

Q.これまでで、どんな実務が印象に残っていますか?

フーシ派による船舶への攻撃により、紅海の情勢が悪化し、船会社として、紅海への航行を拒絶することができるかを検討したことが印象的でした。
船会社は商社等の顧客に船舶を貸しているのですが、(専門的な言葉で「傭船」といいます)、紅海は国際貿易の要であり、ここを通らないと喜望峰を回って大きく遠回りしなければなりません。そのため、商社等の顧客としては紅海を通ってほしいと主張するところを、船や船員の安全を確保するために何か反論できないか検討しました。船会社も商社も直面したことがなく、私のボスの弁護士を含めても、誰も検討したことがない課題でした。考えて挑み、クライアントとともに苦悩したことが印象的です。



伊藤塾で得た、解決思考プロセスと仲間

Q.伊藤塾を振り返っていかがですか?

伊藤塾では、膨大な範囲である司法試験の勉強しなければならない箇所に絞ってカリキュラムに取り上げていただいていました。
そして、法律を使って問題を解決する思考プロセスそのものを勉強させていただきました。
また、伊藤塾で学習を進めていくうちに、志を同じにする仲間たちと出会えました。
その仲間たちとは法曹になっても関りは続いていますし、もちろん受験生時代にはお互い励まし合いながら切磋琢磨して勉強できたと思っています。
その繋がりを得られたことも、伊藤塾に入塾して良かったところだと思っています。

法律が持つ、何かを「守る」役割

Q法律を学ぶ意義を教えてください。

「法律」と聞くと、何かを制限したり、やってはいけない何かを定めていると思われる方も多いと思います。
実際にそうした内容は多いですが、法律が何かを制限したり禁止している背景には、何かを守ろうとしているところがあると思います。
法律が何を守ろうとしているか、というところを知ったうえで改めて法律を学ぶと、見え方が全く変わります。
そうしたところが法律を学ぶ意義かと思います。

海事法の本場、世界への挑戦

Q.どんな弁護士が理想ですか?

弁護士として、法的に正確なアドバイスができることは当然のスキルだと思いますが、それを超えてクライアントに寄り添える弁護士が理想です。
「法的にこの方法ではだめです」と言うだけではなくて、「法的にこの方法ではだめだけど、このように変えればできます」と提案して、クライアントの希望を可能な限り実現できる手助けができる弁護士になりたいと思っています。

Q志と実力について、どのようにお考えですか?

元々から海運業界の弁護士になりたいと思っていたので、志はあったと思います。
ですが、まだまだその志をどのように実現できるかは、わかっていない状況でした。
そんなときに伊藤塾へ入塾し、学習の道筋を示していただいたことで、その志に具体的な力を与えていただいたなと思っています。

Q今後の展望を教えてください。

海事法務は、主にイギリスで発展した法分野です。
そのため留学して、海事法を学ぶとともに英語力を高めて、もっと日本の海運業界で求められる弁護士になることが今後の展望です。

まとめ

憧れが夢で終わらず、今や業界への志につながっている樫原先生。
「知識」以上に「解決力」を重視するその姿勢には、真の実務家としての姿勢が滲んでいました。
高い専門性を要し、世界を舞台にする海運実務。
一人の志が、社会全体の安心に結びついていることを感じるインタビューでした。

 
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