働きながら合格!書籍を利用した講座でしたので、学習の方向性に迷いがでませんでした。

働きながら合格

梶本 尚史さん(46歳)
 

合格者
長崎県在住
佐賀大学農学部卒業 公務員

受験回数:3回
受講講座:24時間で完成「うかる! 行政書士講座」、24時間で完成「うかる! 問題解法講座」、うかる! 行政書士ファイナル予想編
行政書士以外の受講講座:司法試験入門講座本科生
  

※プロフィールは、2010年度合格時点のものです。

はじめに

伊藤塾を選んだ理由は、伊藤塾長の弱者、少数派に注ぐまなざしに共感したからです。しかし、力及ばずこれまで旧司法試験を5回挑戦し5回とも択一すら合格することはできませんでした。実は、行政書士試験も一応受験だけはしていましたが、憲法、民法、商法は旧司法試験の勉強で何とかなると考えて、後は行政法と一般知識等を行政書士のテキストで直前に目を通すだけだったので、当然合格にははるかに遠いものでありました。
行政書士の業務について調べているうちに、行政書士の業務もまたやりがいがあるのではないかと思うようになりました。これまで私の携わってきた行政の仕事の経験を違う方面で活かせること、行政内部に身を置いているときにずっと感じてきた違和感を解消できることにも気がつきました。そう考えて合格をしたらまず行政書士で開業をしたいと考えるようになりました。そして予備試験の勉強は、行政書士の業務を続けながら継続しようとも思いました。

私がとった勉強方法

開始段階の学習について

予備試験と行政書士試験では切り口が違う面があると思われること、行政法では地方自治法が出題され、しかも重要な分野であること、そして一般知識等が予備試験の一般教養とは全然違う出題範囲であることを考え、行政書士試験独自の学習をする必要を感じました。そこで伊藤塾の「うかる!行政書士総合テキスト2010 年度版」(日本経済新聞出版社)と「うかる!行政書士総合問題集2010 年度版」(日本経済新聞出版社)を用いて対策をすることとしました。
志水伸輔講師の「24 時間で完成『うかる!行政書士講座』」と築山祐子講師の「24 時間で完成『うかる!問題解法講座』」を受講し、独学の弱点を補うこととしました。志水講師の大胆なメリハリのついた解説とマーキング、築山講師の懇切丁寧な解説とで、学習の見通しが立つようになりました。後は迷わず本番までひたすらこの2 冊のテキストと問題集に集中し、わき目も振ることはありませんでした。この講座を受講していなければ学習の方向に迷ってしまい、とても合格はありえなかったものと思われます。それぞれ24 時間ずつしか講義を受けておりませんが、両講師は私の大切な恩師であると思っています。

記述式問題対策について

旧司法試験の勉強で文章を書くことは多く訓練をしてきたので、短い文章で言いたいことを要約することを心掛けるようにしました。また、答案に嘘を書かないために、民法、行政法の択一用の細かい知識を正確なものにすることに力を注ぎました。択一用の正確な知識があれば、記述式問題についてもむやみに恐れることはないというのが実感です。

最後に

まず予備試験と併願している人に対しては、重複している科目が多いということに油断をせず、行政書士試験独自の学習も行った方が良いということです。重複している科目でも、司法試験とは切り口が違うのでその切り口に馴染んでおいたほうが良いでしょう。
また、地方自治法は予備試験の範囲ではありませんが配点が高いので無視できません。一般知識等は予備試験の教養科目とは全く違う内容ですので、基準点割れにかからないためにも十分に対策をする必要があります。
そして、行政書士試験専業で学習している人は、知識を暗記するだけではなくてその背後にある法理論を理解し身につけるように心掛けた方が良いと思います。難易度の高い問題が出題され最後の最後まで食らいついて解答を導こうという時には、究極的には法律科目の基礎体力が最終的な合否の決め手となるということを痛切に実感したからです。
最後に、合格というものは本当に素晴らしいものです。たとえそれが当初の目標とは違った形で実現したとしても。目標に向かってぶれない気持ちを持つことも大切ですが、軌道修正を決断することも時としては間違っていないと思います。そして、一人でも多くの人が合格を手中にして、人生に新たな地平を開いていただきたいと願っています。
(2011 年2月・記)