司法書士試験 資格・試験ガイド

司法書士とは

“司法書士”とは、国家資格であり、専門的な法律知識に基づき不動産(土地、建物)の登記、商業・法人の(会社設立、役員変更等)登記の申請を行うほか、供託手続き代理、裁判所・検察庁・法務局等に提出する書類の作成、簡易裁判所における訴訟・調停・和解代理、法律相談、企業法務、成年後見事務、多重債務者の救済等、幅広い業務を通じて、私たちの「権利と財産」を守る、私たちに身近な法律家です。

将来性

近年、不動産取引の増加をはじめ、わが国の経済事情から、司法書士有資格者への求人が激増しており、このことだけでも、“司法書士”の社会的ニーズが高まっていることがわかります。 また、当然のことですが、高齢社会による“司法書士”の必要性も、登記(不動産、商業・法人)業務の他に、判断能力が不十分な方への権利や財産を守る成年後見業務、相続・遺言等、“司法書士”を必要としていることからも想像できるでしょう。
このような社会的必要性が高い“司法書士”の業務の拡大は、さらに進み、例えば、企業法務分野での経営者へのサポートや、急速な国際化社会における在日外国人・外資系企業からの、“司法書士”への業務依頼も増加し続けております。
このことから、仕事が増加し続けているということは、独立開業もしやすい資格であるともいえる一方、“司法書士”への社会的責任が増しているともいえます。

試験概要

■受験資格
 年齢、性別、国籍、学歴等に関係なく誰でも受験できます。

■受験料

 8,000円(収入印紙を貼付)

■受験申請書配布
 
4月中旬から全国の法務局・地方法務局で配布。
 
■出願期間

 例年5月中旬から下旬

■問い合わせ
 法務局または地方法務局の総務課。

試験日程

・筆記試験 例年7月の第1あるいは第2日曜日
 (午前の部)9:30~11:30 (午後の部)13:00~16:00
・口述試験
 10月中旬

試験科目・出題数

・筆記試験

  午前の部 午後の部
形式 択一式
(マークシート)
択一式
(マークシート)
記述式
科目 憲法 3問 不動産登記法 16問 不動産登記法 1問
民法 20問 商業登記法 8問 商業登記法 1問
刑法 3問 民事訴訟法 5問    
商法 9問 民事執行法 1問    
    民事保全法 1問    
    供託法 3問    
    司法書士法 1問    
合計 35問 合計 35問 合計 2問
配点 105点 105点 70点
※記述式とは、登記申請書の記載事項を問う問題です。

・口述試験
 筆記試験の科目と同じ内容ですが、例年、不動産登記法・商業登記法・司法書士法から出題されています。また、例年、筆記試験合格者のほぼ全員が合格しています。

出題形式

・択一式
 全体の配点の75%を占め、解答は5つの肢から正解と思われる肢を1つ選択するマークシート方式です。
・記述式
 答案用紙に実際の登記申請書に記載すべき内容などを記述する方式で行われます。司法試験の論文試験のような形式のものではありません。

合格判定方法

午前の部択一式・午後の部択一式・記述式のそれぞれに定められた一定の点数(基準点)を満たし、かつ総合点である合格点を超えることが必要となります。

合格後の進路

司法書士試験合格後の進路につきましては、伊藤塾出身合格者の場合、近年、多様化しております。 まず、職種についてですが、通常、司法書士会の各種研修に参加され、その後、司法書士事務所に勤務される方が大半です。その他、在学中に合格された方の中には、就職活動を有利に展開したり、働きながら合格された方の中では、勤務継続しキャリアアップしたり、金融・不動産業界に転職したりと、様々です。
次に、地域につきましては、都市部を中心に働くことは他業種と同様ですが、司法書士は全国津々浦々、地域に根ざしているため、都市部から地元に戻って開業したり、司法書士事務所の後継者として地元に戻る方も結構おります。
また、伊藤塾出身合格者の場合、現在の知識を活かし、司法試験や行政書士試験にもチャレンジする方が多いのが、その特徴です。
いずれも共通していえることは、司法書士試験に合格したことで、人生の選択肢を増やしているといえます。