セカンドキャリアで“司法書士”を選択する
セカンドキャリアとは
セカンドキャリアとは、一般に『定年退職後や女性の子育て後、またはプロスポーツ選手の引退後の「第二の人生における職業」のこと』として用いられる場合が多いようです。
近年、40代や50代で司法書士になることを目指し、合格を果たされ、人生に活力を持って生きていらっしゃる方が多いことから、伊藤塾ではもう少し広く「これまでの人生や社会での経験を活用して、自分のため、家族のために、人生の主導権を握りながら、公益性の高い仕事を通じて、人生を楽しむために選択した第二の仕事』と考えたいと思います。
当ページでは、「司法書士」という公益性の高い仕事を選択し、人生を楽しんでいる40代や50代の皆さんをご紹介いたします。
セカンドキャリアとして“司法書士”を選択した人たち
次にやる仕事は、人にためになる仕事がしたいと考えるようになりました。
山本 裕將先生
山本裕將司法書士事務所
1956年 石川県生まれ
1980年 工学部電子工学科卒業
2008年 司法書士試験勉強開始
2013年 司法書士試験合格
2014年9月 簡易裁判所訴訟代理権取得。
2014年11月 石川県野々市市にて開業
セカンドキャリアとして司法書士を目指そうと考えている方へのアドバイス
司法書士試験を一通り勉強すると、世の中の仕組みがわかってきます。例えば、ローンを組んで抵当権を付けた土地。この仕組みを理解するには、民法であり不動産登記法が必要です。このローンを返せないと、民事訴訟法、民事執行法の出番であり、民事保全法、供託法が関係する場合もでてきます。ローンを組む相手方が会社なら会社法、商業登記法が関与します。このように民事の事件の概要が司法書士試験勉強で一通り勉強できます。
また、これから私たちの年齢で直面する、親の世代の、相続や後見の問題の法律的側面も勉強できます。
司法書士試験の科目は、試験合格のためだけの勉強ではなく、実務に直結したよく考えられた試験科目である(蛭町講師談)と私も思いますし、この試験勉強が今後の人生に無駄になることはないと思います。
出産後に育児をしながら仕事を続けるのは難しいと考えるようになったのがきっかけです。
福島 亜矢先生
平野智幸司法書士事務所勤務
青山学院女子短期大学英文学科卒業した後国内某航空会社に就職。
キャビンクルーとして12年勤務。
在職中ソムリエ、シニアソムリエ取得し、定期的にワイン教室を開催。
その間中央大学法学部通信教育学科を卒業。
結婚し双子の母となり、夫の仕事の都合でアメリカのボルチモアに2年在住。
帰国後司法書士資格取得。
福島先生がご講演された動画は>>こちら![]()
セカンドキャリアとして司法書士を目指そうと考えている方へのアドバイス
最初は試験に合格する自信もなく、一生受験生をしているのではないか、という不安感から受からないとしても自分は主婦であり、居場所はある。だから落ち込まないようにしよう~などと試験不合格の度に自分を慰め、奮い立たせて・・の毎日でした。
セカンドステージからの挑戦者は若い方々とは違い、精神的にも経済的にも余裕がある方が多いのではないでしょうか。ですから時間はかかってもあきらめず、こつこつ続けていったら必ず道は拓けると思ってください。合格したら年齢もさほど関係なく、誰しもがチャンスをつかめる業種です。
子ども達との未来を考えたときに、母として自分は変わって行かなければならないと強く思いました。
櫻井 美津子先生
すずらん司法書士事務所
1972年千葉県の海の近く、東金生まれ。
2013年2児の母として子育てと司法書士補助者業務を両立しながら司法書士試験に合格。
2014年2月特別研修中に司法書士登録をし、すずらん司法書士事務所を開業。
2014年9月簡易裁判所訴訟代理権取得。
現在、仕事に育児に、また実現したい夢に向かって奮闘中。
セカンドキャリアとして選択した「司法書士の道」。
現実には、どんなことを感じる毎日を過ごしていらっしゃいますか?
駆け出しの私が言うのも憚られる言葉なのかも知れませんが、司法書士という職業は、私にとって天職だと感じています。
自分の持っている知識や経験を求めて、街の皆さんが来て下さる。そしてご相談に来られた方が、先の見えない不安から解放され、まだ取りかかる前段であるにも関わらず安心して事務所を後にされる。
責任は重く、簡単にできる仕事ではありませんが、地域の皆さんの安心や幸福に微力ながら貢献することができ、たくさんの「ありがとう」の声を頂くことができる。私自身も、そのことで日々生かされていると感じます。
歌をうたうことには声域や声質など、「限界」というものが存在しました。しかし、知識や経験は生きている限り無限に増やすことができます。
そのことから、司法書士という職業には、無限の可能性を感じます。ひとりひとりの個性や、生きてきた道筋を全て生かすことができる『司法書士』は、皆さんにとっての天職になり得る職業だと思っています。
起業しようとしたのですが、自分にとって最適なのは、資格を取って独立開業することだと考えていました。
前沢 和彦先生
司法書士前沢和彦事務所
2012年司法書士試験合格
セカンドキャリアとして選択した「司法書士の道」。
現実には、どんなことを感じる毎日を過ごしていらっしゃいますか?
会社員時代に比べると、自分のできる範囲が大きく広がったとともに、責任が重くなったことを実感しています。
これまでは、自分に与えられた職分を果たすことで足りましたが、今は、事務所経営に関わる全てをこなさなくてはなりません。つまり、仕事を取ってきて、それを適切に処理し、売上金を回収できたら、自分に給料を出すということです。
また、お客様は、面倒な手続を代わりにやってくれるから、報酬をお支払いいただくわけで、その求める結果(会社設立や、所有権移転登記など)を出すことが求められます。書類作成する過程で分からないこともありますが、いろいろ調べながら、何とか責任を果たしています。
このように業務を通じて、やりがいを感じられることが、ファーストキャリアとの大きな違いだと思います。
40歳を超えてキャビンアテンダントからの大転進!~大川朗子先生の転進ヒストリー~
大川 朗子先生
大川法律事務所
【大川先生のキャリア ヒストリー】
1978年 京都女子大学短期学部英文科卒業。
同年、大手航空会社に客室乗務員として入社。
1997年 結婚、出産を経験しながらも、フライト時間1万
時間を達成。
1998年 20年勤め上げた航空会社を退社。
夫の開業した大川法律事務所で事務員として
勤務を開始。
2006年 司法書士試験合格。
司法書士登録。
2008年 簡易裁判所代理等能力認定考査合格。
現在、大川法律事務所にて司法書士として活躍。
大阪司法書士北支部理事、社会福祉法人よつば福祉理事
法テラス対応委員会委員などを務める。
会社員を続けるよりも独立して地域に必要とされる司法書士に。
植村 洋子先生
植村洋子司法書士事務所
2004年 司法書士試験合格
2005年 司法書士登録
2008年 神奈川県横浜市に「司法書士 植村洋子事務所」を開設
大学卒業後、電機メーカーに入社。法務部で知的財産関連の訴訟担当の社員になり、
弁護士と仕事をする。
結婚後、既婚女性に対する会社の態度に失望し、退職。その後就職した法律事務所の
弁護士の勧めもあり、法学検定3級・行政書士試験合格を経て、スキマ時間を活かし、
2回目の受験で働きながら司法書士試験に合格。
3年間の司法書士事務所勤務を経て、現在は独立し「司法書士 植村洋子事務所」を
開設。地域密着型の女性司法書士として働いている。
家族との時間を大切に、大手商社マンから未経験での転業
田口 和仁先生(司法書士)
大学の経済学部を卒業後、食品会社の商社に入社。
情報・物流システム関連の部署で8年間勤務。在職中に結婚し、家庭の事情が変わったことから全国に転勤の可能性がある仕事は避けたかったこと、プロジェクト担当になった際の不眠不休の長時間労働で倒れた経験などから転職を考える。
知人の司法書士の話を聞き、自分の裁量・ペースで一生働くことができる司法書士に興味を持ち、家族と相談した結果受験を決意。4回目の受験で合格し、研修後、登記業務をメインとしている都内の司法書士事務所に勤務。司法書士として働く。
【動画メッセージ】今までのキャリアを活かして第2のキャリアへ~無料配信中~
『大手百貨店管理職から司法書士に転職』
竹村 英男さん (58歳)
2014年 司法書士試験合格
元大手百貨店管理職
動画はこちら![]()
合格体験記
『今までの経験が学習に役立つ!試験勉強で社会経験上の優位を感じても年齢的なハンディは感じませんでした』>>体験記はコチラへ
新連載!『努力して理想的なワークライフバランスを手に入れる。』
新宮 信之先生(司法書士)
大学在学中に司法書士試験を受験したが、合格できず新卒でトヨタ東京カローラ(株)に就職。営業マンをやるも司法書士になりたいという思いから、退職後アルバイトをしながら再度受験し、平成22年度の試験に合格。
都内の事務所に1年勤務した後、別の事務所の法人化に伴い、社員として入社。2年の勤務の後、平成26年3月にNSパートナーズ司法書士事務所として独立。
司法書士取得までに、行政書士・宅建建物取扱主任者も取得。
「士業は食えない」は、事実!?
まず、「士業は食えない」という話をよく皆さんもお聞きになると思います。
これは一昔のようになんら努力をせずに食うことはできないという意味です。ですから、営業努力をしている事務所とそうでない事務所の差はとんでもないくらいに開いています。
稼げている人とそうでない人の2極化が進んでいるように思います。なお、 同期や先輩司法書士の話を聴いても、事務所をたたんだという話は聞いたことはありません 。
「稼ぎ」については勤務司法書士か開業しているかで大きく変わってきます。
勤務司法書士は、安定的に給料をもらえる代わりに、給料が安い傾向があります。これは、勉強代としての意味合いが含まれていることが多いです。
これに対し、開業している場合は、まさにピンキリです。
大きな司法書士法人の代表者であれば、数千万円の収入を得ている人も多くいます。
私の場合、開業して間もないですが、家族は食べていけていますし、花見に行きたいと思えば、明るいうちにさっさと帰ってお酒を飲むこともでき、プライベートも仕事も楽しいものとなっています。
専門職のやりがいと事務所経営の魅力
依頼者には感謝される場合にやりがいを感じるのは当然ですが、司法書士というものは、一般の人にはまったく馴染みのない職業で何をしているか分かっている人はほとんどいません。
そこで、私は、依頼者に対し、馴染みの無い手続きを分かりやすく説明し、手続きの途中での進捗報告などをきめ細かく行い、依頼者にとって「分からないこと」が出てきても、決して「不安になること」がないように努めています。
依頼者に業務完了まで安心してもらえること、これが専門職ならではのやりがいとなっています。
開業した場合には、一経営者ですから、どのように事務所を運営していくのか経営戦略をたてなければなりません。
これは、司法書士という役割と経営者という役割を同時にこなすことが求められます。
経営というのは受験勉強のようなもので、不安はつきませんが、だんだんと自分が思い描いたとおりになっていくもので、非常にワクワクするものです。
