司法書士なら私のやりたいことが実現できる!

本間詠美子

東京司法書士会 登録番号6903号
簡易裁判所訴訟代理認定番号 1112141号
東京藝術大学 美術学部 芸術学科

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西洋美術史の学習から一転、まったく環境の異なる司法書士受験へ

明確な目的意識が持てずに大学を卒業した私は、アルバイトをしながら将来を模索していました。そんな中、以前から興味のあった油絵を習い始めましたが、やがて、古い時代の西洋絵画の技法やその成立の歴史に強い関心を持つようになりました。そこで一念発起し、東京藝術大学美術学部芸術学科を受験し、なんとか合格することができました。芸大の4年間は西洋美術史を自分なりに精一杯学びましたが、美術の世界で就職するには修士・博士過程に進み、留学も考える必要があります。これ以上先に進むのは難しいのではないかと思っていたところ、法学部だった友人から司法書士という資格を紹介されました。仕事の内容や試験内容など具体的な情報を調べていくうちに、専門家への憧れもあり、しだいに心が惹かれていき、司法書士の受験を決めました。全くなじみのない法律分野で、合格率も低い試験でしたが、芸大受験の経験から、効率的に学習すれば合格はできるという直感があり、チャレンジすることにしました。

法律の学習は、実は語学の学習と同じだった?

法律知識が全くないため独学では合格できないと思い、受験指導校での学習を選びました。伊藤塾を選んだのは、入門講座の山村講師の話が、明確で分かりやすそうだったことが理由です。進度が速いと言われていたのが不安でしたが、法律知識がないことについては、講師の「法律知識はなくてもよい」という言葉を全面的に信頼し、「このように勉強してください」とおっしゃるとおりに勉強しました。
あとで気づいたことですが、法律の勉強は外国語学習と似たところがあるのではないかと思います。私は西洋美術史を学ぶために、英語とフランス語を勉強していました。語学の勉強は、まずは基礎単語を覚え、文法というルールを学ぶ必要がありますが、例えば動詞の活用などは、繰り返して覚えるほかありません。文献を読む段階になっても、まずは知らない単語の意味を調べ、文の文法構造を明らかにするところから始めます。しかし同時にそれだけに留まらず、段落、章、そして論文全体の文意を捉える必要もあります。全文を読んではじめて、ひとつの単語の意味が特定できることもあります。このミクロとマクロの行き来、地道な作業と俯瞰した視点の両方が、語学学習(あるいは外国語文献を読む作業)には必要です。法律の勉強も、法律用語の意味を理解し、覚えるべきものは覚えつつ、同時に制度趣旨や科目全体の流れの中に個々の事項を位置づける作業が必要ですが、その際の頭の使い方が似ていたのかもしれません。
年齢も重ねていたので、もう後はない、との覚悟もあり、一発合格を目指しました。一発合格者からの情報は特に注意して聞いて、学習ペースなどの参考にしていました。結果的に1年余、一回の受験で合格することができました。

初めての勤務体験は悪戦苦闘の毎日

これまでアルバイト以外での勤務経験しかなく、司法書士事務所での勤務が、いわゆる「社会人」としての初勤務といっていいものでした。最初に入所した関西の事務所は、商業登記の担当になりました。商業登記の申請書の書き方は学んでいたものの、実務では、それ以前にやるべきことが沢山あります。会社勤めをしてことがないため、お客様である会社の組織の仕組みや決定プロセスなどわからないことも多く、社会人としての適応能力と、司法書士としての業務の両方を覚えていかなければならないのでとても苦労しました。
その後、東京で生活するため、現在の不動産登記中心の中規模事務所に移りました。銀行担当で、金銭消費貸借契約の立会いをし、抵当権設定登記をするのが主な業務ですが、色々な方とお話しする機会が増えました。年代、性別、ご職業、お住まい、考え方など、生活の環境がさまざまな方とお話しさせていただく機会は、私にとって大変楽しく刺激的な時間です。仕事をする前は、書類作成が多いと思っていた司法書士業務ですが、多くの人と出会える仕事でもあります。
私は事務所を1度かわっていますが、どちらの入所の際も、わりと順調に決まりました。ご縁もあるでしょうが、比較的年齢が高くても、少なくとも都心では、就職にはあまり苦労しないかもしれません。

お客様の心がすっきり豊かになる事務所に、独立開業への大きな夢

現在は、独立開業を目指し、その準備のため、今の事務所を退職する予定です。(2016年9月時点)
私は開業したら、後見、相続、遺産承継など、直接に一般の方のお力になる仕事がしたいと考えています。少子高齢化やグローバル化などによって、日本社会は再び大きく変化しています。急速に価値観が多様化する中で、家族の形もこれまで通りではいられません。「スタンダード」だと思っていた生き方、例えば、老いたら子供に面倒をみてもらって、自分が亡くなったら子供がその家に住み…というような将来設計は描けなくなるかもしれません。そんななかでも自分のライフプランをもって、最後まで自分らしく生きるためのサポートや法律的な手助けができるような仕事ができたらいいなと思っています。今注目されている民事信託なども積極的に勉強したいです。
相談にこられたお客様が自分の本当の気持ちを発見でき、それを出発点に、主に法律的にお手伝いできることを提案し、将来の生活プランを描けるようにする。ちょっと変な言い方ですが、マッサージに行った人がリラックスして帰っていくように、心がすっきりするような仕事ができたらいいと思います。
ゼロからスタートすることへの不安はありますが、司法書士という資格をとったおかげで、仕事を通じての経験値をあげることができ、今また新しいことにチャレンジできるようになったのだと思います。

一問一答インタビュー

一発合格の秘訣をおしえてください

自分の特性や現時点での能力にあった勉強方法を見つけることだと思います。講義内容を試験の点数に結びつけるために、「自分」をどう理解させ、どう勉強にむかわせるかという点に工夫が必要だと思います。講師の話がどれだけきちんとしていても、自分が理解できなければ何の意味もありません。自分の中の理解のつまづきは自分にしかわかりませんので、自分をサポートしてあげる「もう一人の自分」を意識するといいと思います。

女性で司法書士を考えている方にアドバイスをお願いします

司法書士という仕事には女性だからという制約はなく、平等に仕事ができます。また、女性のお客様からは「女性でほっとした」と言っていただけることもあります。開業すれば、もちろん、ライフスタイルにあわせた自由な働き方を作りだせると思いますし、勤務でも、決済の立会いなど、ある程度完結した仕事もあるので、職場によっては出産や育児なども可能ではないでしょうか。

司法書士の魅力は何ですか

登記業務など基本的な仕事のやり方を覚えれば、独立開業が可能で、自分自身が関心のある仕事への自由が生まれてきます。業務も、登記だけでなく、成年後見、裁判業務、財産管理分野などさまざまな種類があります。自分の性質、興味やキャリアにあった働き方ができる職業だと思います。