沖縄スタディツアー参加者の声

自らの考察を深める絶好の機会               

司法試験受験生 D.Iさん
 

「自らの考察を深める絶好の機会として、学習のモチベーションの維持や、法科大学院入試のパーソナル・ステートメント作成や面接にも役立つ企画として、毎年多くの受験生が参加されています」
伊藤塾の司法試験入門講座パンフレット2022年版に、スタディツアーについて上記のように記載されていました。その実施趣旨を見て参加しました。
 
スタディツアー初日、雨の予報が晴れになった、ということでした。
この日は、ひめゆりの塔・平和祈念資料館を参拝・見学しました。
初日の夜の懇親会で、島唄ライブを聴きつつ夕食を摂りました。それに加え、近くに座っていた伊藤塾同窓会の弁護士さんから実務の話などを聞き、個人的に質問をすることもできました。この時に聞いたお話は、法科大学院入試のパーソナル・ステートメント作成の際に実際に用いることにしています。
 
2日目に沖縄市でエイサー体験がありました。エイサーの起源は念仏歌だとする説があるそうで、その点で本土の盆踊りと同根のもののようですが、エイサーでは手太鼓を使います。ツアー参加者1人に1つ手太鼓が配布され、練習して1曲を踊り切るという体験ができました。
昼食後には、本場の団体エイサーを見ることができました。何人かの若者が、調和を保ちながら飛び跳ねたりもしつつ、そこに踊りが加わるという、華麗な演舞で、もっと長く見ていたいと思わされました。次、個人で沖縄に行く際は、エイサー鑑賞に行きたいと思います。
 
2日目の夜には、塾長参加の交流会がありました。貸し切りにしたお店で夕食が出され、塾長が各席を回って話をするという形式のもので、参加費は2千円でした。此方は塾長クラスではないので1つ2つ質問をする程度でしたが、同席した塾長クラスの人達は熱心に塾長と話をしていました。交流会でお話した塾生さんやスタッフの方がいい人達でした。
 
3日目に読谷村で講演会があり、講演者の方がそのままガイド役で、集団自決のあったチビチリガマを訪問しました。講演者は地元の役場を定年まで勤めた人だということです。
ハワイ帰りの人がいた壕では、海外での知見を活かして降伏し、住民の方は助かったそうです。一方、大陸帰りの人がいた壕では、日本軍が中国で行った破壊・殺傷行為について知っていたことから、今度は自分たちが被害を受けないように、というので集団自決になったそうです。大陸の戦争と沖縄の集団自決は地続きだ、というのが、講演者の方のお話でした。
戦後の沖縄では、米軍によるレイプ事件が続発したそうです。住民たちで自警団を作り、夜になって、怪しげな米兵がいると笛を吹いて知らせ、集団で事件現場を保持し、警察を呼んで、それで調書を作ったものだけが記録に残っているとのことで、明るみに出ているのは全体の5%程度だろう、ということでした。
幕末、ペリーが黒船で沖縄に来た際に言ったことを、米軍の偉い人に伝えるなどして説得して、軍用地となっていた土地を返してもらい、活用しているそうです。
米軍基地のある場所というのは、旧日本軍が基地を作っていた場所だそうです。
チビチリガマの中に入る、ということはありませんでしたが、ツアー初日には轟壕という、戦時中に住民が避難した洞窟の中に実際に入り、明かりを消して黙祷しました(軍手・運動靴・帽子・ヘッドライトと着替えが必要です)。そこで、ガイドさんから、「泣く赤ん坊を親が殺して、戦後ずっとそのことを引きずっていた」などというお話を聞いたのが、頭の中にフラッシュバックしました。
飛行機の出発時間が迫っていることから、碑文などは、さっと見て移動、という形になりましたが、そこで、「憲法9条の碑は球根の形を表している」などと講演者の方から手短にお話がありました。
 
以上のように、スタディツアーには、大きく分けて3つの内容がありました。
①エイサー体験や、2日目のマングローブ林自然観察(地面の穴からかわいらしい生き物が顔をのぞかせていた)や、3日目の座喜味城址訪問といった、通常の観光でもありえるが、知らないと素通りしてしまうようなコースに参加できました。
②それとは別に、戦争にかかわる場所や資料館を訪問し、現地の方のお話を伺う、という機会がありました。
③また、伊藤塾の同窓会やスタッフの方、塾生の方とお話をする場がありました。