明日の法律家講座 東京校第350回

2024年9月21日(土)実施 
※8月31日(土)開催予定でしたが、台風10号の影響を考慮し日程を変更いたしました。

弁護士は平和を作れるか?  ―ヨーロッパ弁護士とEU―

 講師

須網 隆夫 先生

須網 隆夫 先生
(早稲田大学大学院法務研究科教授、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業顧問)

1979年 東京大学法学部卒業
1981年 弁護士登録
1988年 コーネル大学ロースクールLL.M.修了
1993年 カトリック・ルーヴァン大学LL.M.修了

【 主な著書】
『ヨーロッパ経済法』(1997年、新世社)
『グローバル社会の法律家論』(2002年、現代人文社)
  共編著『EUと新しい国際秩序』(2021年、日本評論社)
  編著『平成司法改革の研究』(2022年、岩波書店)

講師からのメッセージ  

  弁護士は、もめごとの解決に係わります。しかし、弁護士の仕事はそれだけなんでしょうか。ウクライナでもガザでも戦争が続いています。これらは、弁護士には関係ない話なんでしょうか。ヨーロッパにおける平和を維持するために作られたEU、そしてそこでの弁護士の果たす役割から、弁護士の世界に開かれた可能性につき考えましょう。日本の弁護士のフィールドは日本法だけではありませんし、もちろん日本国内に限られないはずです。

明日の法律家講座 東京校第345回

2024年6月28日(金)実施

法律家×○○ “二足の草鞋”のすゝめ
~弁護士兼小説家として~

 講師

五十嵐 優貴弁護士
撮影/You Ishii

五十嵐 優貴弁護士
(元伊藤塾塾生/べリーベスト法律事務所、日本推理作家協会)

2013年 東北大学法学部法学科卒業
2015年 東北大学法科大学院修了
2015年 司法試験、国家総合職試験、裁判所総合職試験合格
2016年 裁判所事務官・裁判所書記官として勤務
2019年 ミステリ新人賞『メフィスト賞』受賞
2020年 弁護士登録(第一東京弁護士会)、べリーベスト法律事務所入所

【主な著書】
『法廷遊戯』(講談社、2020年)、『不可逆少年』(講談社、2021年)、『原因において自由な物語』(講談社、2021年)、『六法推理』(KADOKAWA、2022年)、『幻告』(講談社、2022年)、『魔女の原罪』(文藝春秋、2023年)、『現役弁護士作家がネコと解説 にゃんこ刑法』(講談社、2023年)、『真夜中法律事務所』(講談社、2023年)、『密室法典』(KADOKAWA、2024年)

講師からのメッセージ  

 司法試験、国家総合職試験、裁判所総合職試験。これら3つの試験を同じ年に受験したのは、法律が好きという理由だけで法科大学院に進学し、キャリアビジョンが欠けていたからです。その後、紆余曲折を経て、今の弁護士兼小説家という肩書に落ち着きました。
 それぞれの選択の岐路で何を考えていたのか、二足の草鞋の魅力やリスク、これまで出会ってきた多様な弁護士の働き方……。一風変わった肩書のおかげで経験できたことが多くあるので、包み隠さずお話ししたいと思っております。
 進路を決めかねている方、法律家に別の肩書もプラスしたいと考えている方、弁護士兼小説家に興味がある方。
どなたでもお気軽にご参加ください。

明日の法律家講座 東京校第346回

2024年7月13日(土)18:30~20:30

霞ヶ関で何ができるか
-政策改革の方法-

 講師

奥原 正明 先生

奥原 正明 先生
(元農林水産事務次官、東京大学公共政策大学院客員教授)

1979年 東京大学法学部卒業 農林水産省入省
1989年 外務省に出向し、在ドイツ大使館勤務
1994年 農林水産大臣秘書官
2004年 大臣官房秘書課長
2011年 経営局長
2016年 農林水産事務次官(2018年 退官)

【主な著書】
『農政改革―行政官の仕事と責任―』(日本経済新聞出版社 2019年)
『ビジネスパーソンのための日本農業の基礎知識』(信山社 2022年)
『組織はリーダー次第』(信山社 2022年)
『文系・理系対談 日本のタコ壺社会』(共著 日本経済新聞出版社 2020年)

講師からのメッセージ  

 日本の経済・社会は、いわゆる六法だけでなく、各省庁が所管する多種多様な法律の下で動いています。
 そして、時代に合わなくなった法律は経済・社会の発展の足を引っ張りますし、新しい技術が登場すれば新しい法律が必要になります。
 立法権は国会にありますが、内閣の法案提出権が認められている日本では、ほとんどの重要法案は霞ヶ関によって企画立案されています。
 霞ヶ関が、日本最大のシンクタンクとして、世の中の動向を正確に見極め、時代に合った法制度を作っていかなければ、この国の発展は望めません。
 霞ヶ関で何ができるか、どうすればできるのか、一緒に考えてみましょう。

明日の法律家講座 東京校第347回

2024年7月25日(木)実施

行政・立法・司法の三権を経験して

 講師

山本 庸幸 弁護士

山本 庸幸(つねゆき)弁護士
(アンダーソン・毛利・友常法律事務所顧問弁護士、元内閣法制局長官、元最高裁判所判事)

1973年 京都大学法学部卒業
     通商産業省入省
1985年 特許庁工業所有権制度改正審議室長
1994年 通商産業省生活産業局繊維製品課長
1999年~2010年 内閣法制局第四部長から第一部長までを歴任
2011年 内閣法制局長官
2013年 最高裁判所判事
2020年 アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所
     旭日大綬章受章

【主な著書】
『元内閣法制局長官・元最高裁判所判事 回想録』(弘文堂、2024年)
『実務 立法演習』(商事法務、2007年)
『要説 不正競争防止法 第4版』(発明協会、2006年)

講師からのメッセージ  

 私は、通商産業省(現在の経済産業省)に入省して20年間、エネルギー、特許、繊維等の行政に従事し、内閣法制局で更に20年間、内閣提出の法律案を審査して最後には長官を務め、そののち最高裁判所の裁判官に任命されて6年間、勤務をした。結果的に、46年間の公務員生活の中で、行政、立法(法律案の作成)、司法の三権を全て経験したことになる。
 そういう私であるが、若い頃の受験は不運だったりして思うようにならなかったのであるが、たまたま国家公務員上級試験に合格し、これを足掛かりに公務員生活を全うすることができた。どういう環境でも倦まず弛まず誠心誠意の努力をし、自分の考えを持って上司に阿ず、かつ独創的なアイデアで難関を切り抜けてきた結果だと考えている。本日は、こうした私の生き方をお話し、少しでも皆さんの参考になればと思っている。
 道は無限にある。簡単に諦めないで、独創的な知恵を使って自分独自の道を切り開いて行ってほしい。

明日の法律家講座 東京校第339回

2024年3月16日(土)実施

冤罪を学び、冤罪に学ぶ
~元裁判官の弁護士による冤罪研究・救済の取組み~

 講師プロフィール

西 愛礼弁護士
(後藤・しんゆう法律事務所)

西 愛礼弁護士

2013年 予備試験合格
2014年 一橋大学法学部卒業、司法試験合格(68期)
2016年 千葉地方裁判所判事補任官
2019年 アンダーソン毛利友常法律事務所に弁護士職務経験として出向
2021年 依願退官、しんゆう法律事務所入所
2024年 後藤・しんゆう法律事務所に改称

【主な取組み・活動】

冤罪の研究・救済に従事。
日弁連再審法改正実現委員。イノセンス・プロジェクト・ジャパン運営委員。
刑事司法・誤判救済研究センター嘱託研究員。刑法学会・法と心理学会所属。
守屋研究奨励賞・季刊刑事弁護新人賞。

【関与した主な訴訟】

プレサンス元社長冤罪事件及びスナック喧嘩犯人誤認事件で無罪判決を獲得。

【主な著書】

『冤罪学―冤罪に学ぶ原因と再発防止―』(日本評論社、2023年)

講師からのメッセージ  

「もう二度とこんな事件が起きないようにしたいんです」
弁護士として3件目の刑事事件で冤罪に出会い、冤罪に陥れられた彼に誓ったその言葉に、私は人生を捧げることになりました。
元裁判官の経験をもとに刑事弁護を担う傍ら、法学だけでなく心理学など隣接分野の知見も踏まえて冤罪を研究し、1件でも多く冤罪を減らすために日々尽力しています。
そのうえで、冤罪を減らすためには、「冤罪を学び、冤罪に学ぶ」ということが必要不可欠だと思っています。
法律を学ぶ皆様と一緒に冤罪を学ぶことを楽しみにしております。
 
※冤罪…罪がないのに疑われ、または罰せられること。無実の罪。濡れ衣。

明日の法律家講座 東京校第341回

2024年5月11日(土)実施

「結婚の自由をすべての人に」訴訟の現状と今後
~ 性的マイノリティの「個人の尊厳」の観点から~

 講師

寺原 真希子 先生

寺原 真希子弁護士(弁護士法人東京表参道法律会計事務所)

1997年 東京大学法学部卒業、司法試験合格(52期)     
2000-2005年 長島・大野・常松法律事務所等、都内の法律事務所にて勤務
2006年 米国New York University School of Law入学  
2007年 同校卒業、法学修士(LL.M.)学位取得、米国ニューヨーク州弁護士試験合格
2008年 米国ニューヨーク州弁護士登録
2008-2010年 メリルリンチ日本証券株式会社(現:BofA証券)にて
       リーガルカウンセル(企業内弁護士)として勤務
2010年- 榎本・寺原法律事務所
     (現:弁護士法人東京表参道法律会計事務所)共同パートナー

【関与した主な訴訟】
「結婚の自由をすべての人に」訴訟(東京弁護団共同代表)
選択的夫婦別姓訴訟(2022年より弁護団長)
 
【主な著書】
『同性婚法制化のためのQ&A』(岩波書店、2024年)(共著)
『夫婦同姓・別姓を選べる社会へ ~わかりやすいQ&Aから訴訟の裏側まで~』(恒春閣、2022年)(共編著)
『ケーススタディ 職場のLGBT-場面で学ぶ正しい理解と適切な対応』(ぎょうせい、2018年)(編著)

講師からのメッセージ  

日本では、現在、法律上の性別が同性同士であるカップルについて、婚姻という選択肢が認められていません。婚姻ができないことにより、同性カップルは、婚姻に伴う様々な法律上・事実上の保護を受けることができず、また、自分たちの関係性が国によって保護されていないという事実自体が、性的マイノリティの人々の個人の尊厳を傷つけ続けています。この講座では、原告らが訴訟において何を主張しているのか、婚姻の平等(いわゆる同性婚)がなぜ必要なのか、国はどう反論しているのか、下級審の裁判所はどのように判断してきたかを説明した上で、今後の訴訟の流れについても触れます。

明日の法律家講座 東京校第342回

2024年5月25日(土)実施

家族と憲法
ーLGBTQと法と社会

 講師

駒村 圭吾 先生

駒村 圭吾 先生( 慶應義塾大学法学部教授)

1984年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
1989年 慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻博士課程
     単位取得退学

【主な著書】
『憲法訴訟の現代的転回』(2013年、日本評論社)
『テクストとしての判決』(2016年、有斐閣)
『Liberty 2.0』(2023年、弘文堂)
『主権者を疑う』(2023年、筑摩書房)

講師からのメッセージ  

家族をめぐる憲法論は、かつても、そして今まさに、熱く動いている領域です。トランスジェンダーや同性婚をめぐる一連の訴訟の帰趨が日本社会の近未来を決する分岐点になることをお話します。
端的に言えば、日本の将来はみなさんの双肩にかかっています!

明日の法律家講座 東京校第343回

2024年5月28日(火)実施

民主主義の中心でヤジを叫ぶ

 講師

神保 大地弁護士

神保 大地弁護士(さっぽろ法律事務所)

2006年3月 北海道大学法学部卒業
2008年3月 北海道大学法科大学院修了
2009年   さっぽろ法律事務所所属

講師からのメッセージ  

安倍首相(当時)に対してヤジを飛ばした市民2名が、多数の警察官により身体拘束をされて、1時間近く密着追尾されたことにより、表現の自由、移動の自由、プライバシーの権利などが侵害されたとして、北海道警察(道警)に対して損害賠償を求めている事件です。現在最高裁に係属しています。訴訟提起前からの諸活動についてご紹介します。
憲法で習いますが、権力機関は時に暴走します。そういう場面はめったにありませんが、今回は白昼堂々、マスコミの目の前で暴走した、というものです。そういう場面に接したらどうしますか?法廷外での活動を含めて、私がやったことをご紹介します。こんな弁護士もいるんだなって思ってもらえたらうれしいです。
 

明日の法律家講座 東京校第344回

2024年6月8日(土)実施

災害復興法学のすすめ
~被災者の声から新しい法律と防災教育をつくる~

 講師

岡本 正弁護士

岡本 正弁護士(銀座パートナーズ法律事務所)

慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2003年弁護士登録。
気象予報士・ファイナンシャルプランナー・マンション管理士・宅建士・防災士等の資格も生かしながら防災教育活動にも従事。
東日本大震災発生時は内閣府に出向中。日弁連災害対策本部室長も兼務し復興政策に関与。その経験をもとに「災害復興法学」を創設して、慶應義塾大学や岩手大学等全国の大学で講座を展開中。内閣府をはじめ国、地方公共団体、産学の公職多数。
2017年には新潟大学にて博士(法学)を取得。

【主な著書】
『被災したあなたを助けるお金とくらしの話 増補版』(弘文堂)
『災害復興法学』『災害復興法学Ⅱ 』『災害復興法学 Ⅲ』(慶應義塾大学出版会)

講師からのメッセージ  

 弁護士のキャリアは無限大です。私は法律事務所で企業法務を中心に経験を積み、縁あって内閣府に出向しました。その間に東日本大震災があり、文部科学省原子力損害賠償紛争解決センターの立ち上げに関わり同センターに勤務し、合計8年の公務員弁護士経験を積みました。災害対策や危機管理の場面でも「法律」を知り、使いこなし、新しい立法や法改正を目指すことが重要だと気づきました。こうして、「災害復興法学」という分野を自ら作り上げ、新しい防災教育プログラム「被災したあなたを助けるお金とくらしの話」の普及活動も行っています。弁護士という資格を中心に、産・学・政・官のあらゆる分野とつながることができるのです。

明日の法律家講座 東京校第334回

2023年11月11日(土)実施

法曹を目指す皆さんへ
~最高裁判事等の経験を踏まえて~

 講師プロフィール

宮崎 裕子氏
(弁護士、「長島・大野・常松法律事務所」顧問、元最高裁判事)

宮崎 裕子氏

東京学芸大学附属高等学校、東京大学法学部卒業。司法研修所31期。ハーバード・ロー・スクールLL.M.。
1979年に弁護士登録(第31期、第一東京弁護士会)、長島・大野法律事務所(現・長島・大野・常松法律事務所)所属。以後2017年まで、弁護士として企業法務及び租税法分野の仕事を手がけたほか、1984年から2年間世界銀行法務部(米国ワシントンD.C.所在)でCounselとして途上国向けプロジェクトローン及び東京市場における資金調達の法務に従事、2004年から2006年まで東京大学法科大学院客員教授、2011年から2013年まで新司法試験考査委員(租税法)、その他官公庁の審議会等の委員、上場企業の社外取締役、社外監査役、公益財団の評議員、理事なども務めた。2018年1月に最高裁判所判事に就任(第三小法廷)し、2021年7月に退官。同年7月に弁護士再登録(第一東京弁護士会)、同年9月から長島・大野・常松法律事務所顧問(現職)。2021年1月にシンガポール国際商事裁判所(SingaporeInternational Commercial Court; SICC)のInternational Judgeに就任している(現職)。

【書籍】
  •  国際租税法第4版 (2019年、東京大学出版会、増井良啓東京大学教授との共著)

講師からのメッセージ  

 法曹の仕事の幅はかなり広い。私の場合には、弁護士としての仕事分野は時代とともに当初は予想もしていなかった方向に変化していき、また仕事の幅も、プロフィールに記載
したように、弁護士業務以外へも少しずつ広がっていった。さらにいえば、法曹の中には法律家という枠を超えた仕事で活躍する人も少なくない。私が育った時代と今とではAIの台頭を含めて、法曹という職業を取り巻く環境には大きな違いがあることを考えると、私の経験と今法曹を目指そうと考えている方々が将来するであろう経験には様々な違いがあって不思議ではない。しかし、人間というのは、誰かが一つの壁を乗り越えるとその壁は後に続く者にとっては壁ではなくなり、後に続く者は次の壁を乗り越えようとするようになるというしたたかな生き物でもあり、そのような人間の営みによる経済、社会の変化につれて法曹という職業の内容、あり方も少しずつかもしれないが変化を遂げてきたという意味では、今法曹を目指そうと考えている方々が将来することになる経験は私を含む先輩法曹の経験の延長線上にあるとも言えるだろう。いずれにせよ、この経験談を聞いて、法曹という職業を選択しようとしているあなたの未来がこれからどのように広がっていくのかを考えるきっかけになれば望外の喜びである。