明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第278回

2018年12月8日(土)実施

日本における難民を巡る問題と入管収容問題の現状

【講師】駒井 知会 氏(弁護士、「マイルストーン総合法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)
 
 


講師プロフィール

駒井 知会 氏(弁護士、「マイルストーン総合法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)

駒井 知会氏
東京大学教養学部教養学科第三(国際関係論)卒
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程卒(法学修士号取得) 
オクスフォード大学, Queen Elizabeth House, Refugee Study Programme 修士課程卒(Master of Studies in Forced Migration取得,Linacre College, University of Oxford, UK)
ロンドン大学経済政治科学部(LSE) 法学修士課程卒
(LLM取得, London School of Economics and Political Sciences, London, UK)
 
 
2005年        司法試験合格
2006年4月   最高裁判所司法研修所入所(第60期司法修習生)
2007年10月 横浜弁護士会にて弁護士登録 小長井雅晴法律事務所入所 
2013年1月   東京弁護士会に移籍、マイルストーン総合法律事務所入所 
 
弁護士会活動 
・日本弁護士連合会 人権擁護委員会内 入管法プロジェクトチーム等所属
・関東弁護士会連合会 外国人の人権救済委員会所属 2014年度委員長、同委員会入管プロジェクトチーム及び難民プロジェクトチーム所属
・東京弁護士会 外国人の権利に関する委員会所属、 2016年度委員長
・全国難民弁護団連絡協議会所属、2018年総会基調講演
 
教職関係
・ 東京女子大学 非常勤講師(2017年度前後期・2018年度後期など)
・ 白百合女子大学 非常勤講師(2017年度前後期・2018年度前後期など)
 
著作(共著)
・「外国人の人権―外国人の直面する困難の解決をめざして」関東弁護士会連合会編(2012年,明石書店)
・“Stateless persons from Thailand in Japan” Forced Migration Review 32 (2009年4月,Refugee Studies Centre, University of Oxford) 小豆澤史絵弁護士との共著。
・世界の難民をたすける30の方法(2018年、合同出版)
著作(単独) 
・「世界と日本の無国籍者問題-その国際的な支援と取組み」『自由と正義』62巻2号(2011年2月、日本弁護士連合会)
・「外国人収容問題に対する取組み」『人権かながわ』2011年(横浜弁護士会人権擁護委員会)
・「イギリスの収容施設訪問に関する報告─日本の入管収容施設への問題提起として」『移民政策研究』6号(2014年)
・入管収容施設の被収容者死亡事件(Mネット 2017年8月号) ほか
 
 

講師からのメッセージ 

皆さんは、難民問題は、遠い外国でだけ発生していると考えておいででしょうか?実は、日本には、昨年、19,629件の難民認定申請があり、申請者の国籍は、実に、82か国に及びました。21世紀の現在、遠いアフリカや中東からも、飛行機で、祖国における迫害の危険から逃げてきて、日本で難民認定申請する人々の存在は、他国に比べて少ないとは言え、到底、無視できるものではありません。日本は、難民の地位に関する条約・議定書に加入することで、難民を保護することを国際的に約束しています。そして、実際に、たとえば、政府の政策に反対意見を表明すると拘束され拷問される国、LGBTの方々が刑事罰の危険に曝される国、内戦下で過酷な弾圧が行われている国等から、大勢の人たちが、日本に保護を求めて難民認定申請を行っている実態があります。
20人。それが、日本における昨年の難民認定数です。難民認定率は、0.2%にも達しませんでした。難民認定申請者の中から、保護を与えるべき方々を適正に見極め、「難民」として認定する制度を用意できているのであれば、この数字も、国際条約を守った結果として、あるいは受忍可能かもしれません。しかし…。今回は、この制度の実態について、皆さんと御一緒に考えていかれましたらと存じます。また、多くの難民認定申請者や、たとえば、日本に日本人の配偶者や子らがいて祖国に帰るに帰れない方々、或いは、子どもの頃から日本に育ってきた若者たちが在留資格を失った場合などにも、入管収容施設に無期限収容されているケースも多くありますところ、入管収容施設において、非常に劣悪な処遇が行われているとの報道も増えてきました。今回、その実態も御紹介致したいと思います。法曹になることをお考えの皆さま、或いは、難民を巡る諸問題に関心のある皆さまと御一緒させていただくことを楽しみに致しております。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第274回

2018年8月4日(土)実施

ヘイトスピーチは法で規制できるのか

【講師】神原 元 氏(弁護士、「武蔵小杉合同法律事務所」主宰)
    宋 惠燕氏(弁護士、在日コリアン弁護士協会理事)
 


講師プロフィール

神原 元 氏(弁護士、「武蔵小杉合同法律事務所」主宰)

1967年 神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科出身。
1998年 司法試験合格。司法修習は53期。
2000年 横浜弁護士会に弁護士登録し、川崎合同法律事務所に入所。
2010年 川崎合同法律事務所を退所し、武蔵小杉合同法律事務所を開所。自由法曹団常任幹事
主な著書に『ヘイト・スピーチに抗する人びと』(新日本出版社)がある。

宋 惠燕 氏(弁護士、在日コリアン弁護士協会理事)

明日の自由を守る若手弁護士の会 会員

講師からのメッセージ 

ヘイトスピーチとは「特定の人種や民族等に対する憎悪や差別を煽る言動」のことです。近年ヘイトスピーチは激しさを増し社会問題となっており、2016年には国会で「不当な差別的言動解消法」が成立しました。
講師は2013年2月、東京新大久保で偶々ヘイトスピーチ団体に遭遇し、強い衝撃を受けました。表現の自由はあるとはいえ、「朝鮮人を殺せ」「叩き出せ」このような憎悪をまき散らす言動を放置してよいものか。以来5年に亘り、多くの仲間とともに議論し運動し悩みながら今日までこの問題に関わり続けました。
ヘイトスピーチは当該集団に属する人々の基本的人権を侵害する行為であると言われていますが、これを規制しようという意見に対しては「それは表現の自由を侵すものだ」という反論があります。果たしてそうなのか。本講義はこの疑問に応えようと致します。
第一に、本講義では、まずヘイトスピーチとは何なのか、その被害とはなんなのかを映像などを見ながら具体的に考えます。表現の自由を強調する立場の人々からは、「嫌ならば見なければよい」という意見や「言論には言論で対抗すればよい」という意見があるでしょう。また、「ひどい言動でも実害はないのではないか」という疑問もあるかもしれません。これらの疑問に応えたいと思います。
次に、本講義では、仮にヘイトスピーチが基本的人権を侵害するものであることを認めた場合、これを法律で規制することの是非を考えます。他国の規制との比較では、ドイツの例を挙げるほか、有名な「ブランデンバーグ原則」も取り上げ、この判例が、クークラックスクランのメンバーが「ユダヤ人をイスラエルに送り返せ」「二グロを葬り去れ」等と演説して起訴された事件であることを明らかにします。その上で、今の日本でどこまでの規制が可能であるか、具体的に議論したいと思います。
最後に、本講義では、2013年に東京新大久保で展開された、反ヘイトスピーチ運動を紹介します。その上で、弁護士が社会運動に関わることの重要性を講師の体験として紹介します。
新鮮な問題意識のある参加者をお待ちしています。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第275回

2018年9月8日(土)実施

コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~

【概要】映画上映会
1948年に軍隊を廃止。軍事予算を社会福祉に充て国民の幸福度を最大化する道を選んだコスタリカの奇跡に迫ったドキュメンタリー
(配給:ユナイテッドピープル 2016年/アメリカ・コスタリカ/90分) 
 
【場所】伊藤塾 東京校(渋谷)
 

 【作品紹介】

世界には軍隊なしで国の平和を保ってきた国々がある。そんな数少ない国の一つで、1948年に常備軍を解体した国がコスタリカだ。コスタリカは軍事予算をゼロにしたことで、無料の教育、無料の医療を実現し、環境のために国家予算を振り分けてきた。その結果、地球の健全性や人々の幸福度、そして健康を図る指標「地球幸福度指数(HPI)」2016の世界ランキングにおいて140ヶ国中で世界一に輝いているのがコスタリカである。またラテンアメリカで最も安全とされている国でもある。

この作品は、1948年から1949年にかけて行われた軍隊廃止の流れを追いながら、コスタリカが教育、医療、環境にどのように投資して行ったのかを詳しく説明する。アメリカでは公的債務、医療、そして軍事費が日増しに増大していっていることとは対照的だ。
この映画は軍隊廃止を宣言したホセ・フィゲーレス・フェレールや、ノーベル平和賞を受賞したオスカル・アリアス・サンチェスなどの元大統領や、ジャーナリストや学者などが登場する。世界がモデルにすべき中米コスタリカの壮大で意欲的な国家建設プロジェクトが今明らかになる。
   


 ■推薦・メッセージ(当映画のチラシより抜粋)

湯川 れい子(音楽評論家・作詞家)

この映画を見ていると、非武装は決して非現実的な空想ではなく、子どもを戦争に盗られたくない、二度とあの悲惨な戦争を味わいたくないと願う人々の夢が、現実的な努力と知性、あきらめない教育によってもたらされる現実の果実だということが解ります。なんと美しい、素晴らしい現実でしょう。国民の感性、知性、豊かな自然環境と憲法9条を持って、『コスタリカの奇跡』を、ぜひ日本の奇跡にしたいものです。自主上映の輪を広げていきましょう!

中野 晃一(政治学者・上智大学国際教養学部教授)

『コスタリカの奇跡』に多大なインスピレーションをもらいました。この『奇跡』は偶然や幸運の産物ではなく、知性と勇気のある人たちの取り組みが生み、育んできているものだからです。政治を変えて、平和を築き守るのは私たち一人に掛かっています。

安田 菜津紀(フォトジャーナリスト)

「武器のお金がすべて、教育に使われればいいのに。」戦乱を逃れたシリアの友人の言葉が思い出される。非武装への道のりは時に困難を極める。それでも掲げ続けた理想はいつか、人々の心の礎となるのだ。
 


監督:マシュー・エディー、マイケル・ドレリング
プロデューサー:マシュー・エディー、マイケル・ドレリング
制作:ソウル・フォース・メディア 制作協力:スパイラル・ピクチャーズ
出演:ホセ・フィゲーレス・フェレール、オスカル・アリアス・サンチェス、ルイス・ギジェルモ・ソリス、クリスティアーナ・フィゲーレス他
配給:ユナイテッドピープル 2016年/アメリカ・コスタリカ/90分

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第269回

2018年3月17日(土)実施

「先生」と呼ばないで~チームの一員としての弁護士

【講師】 鹿野 真美 氏(「うなての法律事務所」弁護士、元伊藤塾塾生)
 
 


講師プロフィール

鹿野 真美 氏(「うなての法律事務所」弁護士、元伊藤塾塾生)

鹿野 真美氏
<学歴と主な職歴>
1986年 千葉県立東葛飾高校卒業
1990年 上智大学外国語学部ロシア語学科卒業
同 年 株式会社山一證券入社
    山一証券経済研究所 経済調査部配属(マクロ経済分析担当)
1993年 同社退社
同 年 濱田松本法律事務所(現 森・濱田松本法律事務所)入所(事務員・秘書)
1996年 同所退所
1998年 司法試験最終合格
1999年 司法研修所入所(53期、実務修習地・横浜)
2000年 修習修了・弁護士登録(東京弁護士会)。
2011年 うなての法律事務所 開設
 

講師からのメッセージ 

「検事になる!」突如思い立って司法試験受験を決意しました。
司法試験に合格後、司法研修所の最初の面接で、検察教官に「あなたは、検事に向いていない。」と断言されました。この一言で発奮し、がんばってみたものの、検察実務修習中、「ほんとだ、向いていない。」と納得しました。しかし、実は、弁護士という職業に悪いイメージを持っており、修習修了後の進路に悩みました。法学館の出版編集部で働いていたこともありますが、「『弁護士』になるかどうか、一度、弁護士業務に精一杯取り組んでから決めたらどうか。」という先輩の言葉で、法学館を辞め、弁護士一本の生活に切り替えました。
最初の5年間は、少年事件も含む刑事事件に積極的に取り組みました。昨年他界された庭山英雄先生と一緒に、死刑事件(最高裁)に取り組んだこともあります。
原爆症認定訴訟の弁護団にも加わりました。こうした事件に取り組む人たちは、高尚な理想を掲げた、犠牲的精神の持ち主ばかりで、さぞかしまじめで堅苦しい人たちだろうと思っていたところ、面白くて楽しい人たちばかりでした。そのような誤解が、自分の思い上がりによるものだと気づかされ、恥ずかしく思いました。
弁護士業務のかたわら、というか、最近では、どちらが主かわからないくらいですが、弁護士会の活動(会務)にも積極的に取り組んできました。わたくしの中では、会務と業務は切っても切れない関係、車の両輪のような関係です。
現在、もっとも力を入れている、成年後見分野の業務も、会務も、チームで取り組むことが多く、一般的な弁護士のイメージとは違うかもしれません。「へえ、そんな仕事があるんだ。」と興味を持っていただき、法曹を志すみなさんの将来像の参考になれば、幸いです。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第270回

2018年4月21日(土)実施

私の体験的『憲法論』と実践的な『使い方』

【講師】 保坂 展人 氏(世田谷区長、元衆議院議員)
 
 


講師プロフィール

保坂 展人 氏(世田谷区長、元衆議院議員)

保坂 展人氏
<学歴と主な職歴>
1955年、宮城県仙台市生まれ。
高校進学時の「内申書」をめぐって「内申書裁判」をたたかう(麹町中学校内申書事件)
1980年代から学校、教育問題をテーマにジャーナリストへ。
1996年総選挙で衆議院議員となり、2009年まで、3期11年間をつとめ、国会質問546回を重ね「質問王」の異名をとる。
2011年4月から世田谷区長(現在2期目)
<著書>
『相模原事件とヘイトクライム』(岩波ブックレット)
『脱原発区長はなぜ得票率67%で再選されたのか?』(ロッキング・オン)
『88万人のコミュニティデザイン 希望の地図の描き方』ほんの木 他
 

講師からのメッセージ 

私は、1972年に東京地方裁判所に提訴してから、1988年に最高裁判所で上告棄却されるまでの間「麹町中学・内申書裁判」の原告でした。16歳から32歳までの16年間です。少年時代から青年期までの長期間、争った内申書裁判の判例は、司法試験に出題されたこともあり、また大学の法学部でも学ぶと聞いています。若い弁護士さんに会った時、「あっ、判例の人ですね」と驚かれたことがあります。
内申書に中学生当時の「思想信条に関わる事項」を記載することが許されるとしたら、憲法が保障する「思想・良心の自由」に反するのではないかと問いかけ、内申書を乱用することで高校進学を妨げ、生徒の側の学習権を侵害したと訴えたのが内申書裁判です。
さらに、1996年10月に衆議院議員となり法務委員会に所属していました。2003年で一度落選しましたが、2005年に復帰して、2009年までに通算546回の国会質問を重ねました。記録的な質問回数で「質問王」(朝日新聞)と呼ばれました。 議員立法も手がけ、「国家公務員倫理法」「児童虐待防止法」等があります。また、昨年大きく問題となった「共謀罪」に反対する野党側の論戦に立って「目配せでも共謀罪は成立する」という法務大臣・刑事局長答弁を引き出しました。
安倍首相による「改憲」の日程が俎上に乗る中で、「憲法の使い方」を伝えたいと思います。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第271回

2018年5月26日(土)実施

冤罪が発生する刑事手続きの問題点の検証~具体的事件を素材にして

【講師】 今村 核 氏(弁護士、「旬報法律事務所」所属)
 
 


講師プロフィール

今村 核 氏(弁護士、「旬報法律事務所」所属)

今村 核氏
<学歴と主な職歴>
東京大学法学部卒
司法修習44期
1992年弁護士登録
第二東京弁護士会
<趣味>
(1)将棋
(2)生物学、生理学、生化学、認知心理学等の人間科学、情報科学等のリテラシーを学ぶこと  
<主な活動内容>
日本弁護士連合会全国冤罪事件弁護団協議会座長
法と心理学会 理事

<著書>
『冤罪弁護士』(旬報社 2008年) 
『冤罪と裁判』(講談社現代新書 2012年)
シリーズ刑事司法を考える第1巻『供述をめぐる問題』(岩波書店 2017年、執筆分担「間違った目撃・被害者供述はどのように生じるか」)、等多数。
 

講師からのメッセージ 

 日本の刑事裁判の有罪率は99.9%を超えます。皆さま方には刑事裁判は自分と関係がない、どこか遠い世界のことと感じられ、たまに新聞やテレビ等のマスコミが冤罪事件を報道しても、自分の日常生活とは結びつきにくいかもしれません。
 しかし、私のこれまでの経験では、ごく平凡な日常生活を送っていた人が冤罪の犠牲にされるのです。死刑などの大事件でなく、罰金や軽い懲役刑、執行猶予がついたりする事件では、たとえ無実であっても、被告人は司法の現状に絶望してたたかいをあきらめることが往々にしてあります。この結果、冤罪・誤判が闇に葬られてしまうのです。わが国の刑事裁判が、無実の被告人にとって、どんなに冷たい姿で聳え立っているのか、自分が被告人とされて初めて知ることになるのが現実です。
 2009年度から裁判員制度が始まりました。その結果、以前よりは、刑事裁判に対する市民的な関心が高まっています。ただ法曹界の動きは、「市民の負担を軽くするため、どうやって裁判を早く終わらせるか」という方向に流れつつあります。しかし冤罪・誤判への反省抜きに「裁判を早く終わらせる」ことばかりを目指せば、わが国の司法の状況はより深刻化します。
 私は弁護士として、これまで、いくつもの冤罪事件に立ち会ってきました。これまでの経験を基に、「無実の人が有罪にされる」ことのないようにするためには、わが国の刑事司法はどうあらねばならないかを皆さんとともに考えたいと思います。

伊藤塾から

2016年11月28日と2016年12月20日のNHK総合テレビで、2回にわたって「ブレイブ勇敢なる者 『えん罪弁護士』」というタイトルで今村先生のご活躍の様子がご紹介されました。なお、この番組は、(第54回ギャラクシー賞テレビ部門)で入賞しました。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第272回

2018年6月23日(土)実施

リーガルテック時代の到来〜新しい弁護士の働き方とは〜

【講師】 笹原 健太 氏(元弁護士、弁護士法人 PRESIDENT 、赤坂溜池山王法律事務所元代表、株式会社リグシー代表取締役、元伊藤塾塾生)
 


講師プロフィール

笹原 健太 氏(元弁護士、弁護士法人 PRESIDENT 、赤坂溜池山王法律事務所元代表、株式会社リグシー代表取締役、元伊藤塾塾生)

笹原 健太 氏
2005年 中央大学法学部卒業
2008年 旧司法試験合格、慶應義塾大学法科大学院中退
2010年 弁護士登録(第2東京弁護士会、63期)
2013年 弁護士法人 PRESIDENT 設立
2017年 株式会社リグシー 設立 クラウド契約書システム「Holmes」提供開始
 

講師からのメッセージ 

クラウドコンピューティング、AIなどにより、〇〇テックといった、専門業界についてのテクノロジー化が進み、従来の業務を劇的に効率化できるようになっており、テクノロジーを導入している企業とそうでない企業の差が大きく開きつつあります。
もちろん、法律業界も例外ではなく、近年「リーガルテック」分野は日本でも話題になりつつあります。
では、リーガルテックにより、弁護士の働き方は変わるのでしょうか?私は、間違いなく「Yes」だと考えます。
ただし、これは、弁護士にとってのピンチではなく、むしろ大きな「チャンス」だと思っています。
弁護士業界の従来の価値観にとらわれず、真に顧客や社会にとって価値を提供することができる時代です。
本講座では、アメリカ及び日本のリーガルテックの現状、当社の取り組みなどを説明しつつ、リーガルテックを活用した、新たな弁護士の働き方の提案などをお話しできればと思っています。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第273回

2018年7月21日(土)実施

『弁護士』から『法律家』へ~訴訟弁護士から無限に広がるフィールド

【講師】 小松 隼也 氏(弁護士、「長島・大野・常松法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)
 


講師プロフィール

小松 隼也 氏(弁護士、「長島・大野・常松法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)

小松 隼也氏
1986年1月生まれ
2005年 伊藤塾京都校 入塾
2007年 同志社大学在学中に司法試験合格
2008年 同志社大学法学部法律学科卒業 
2008年 司法研修所入所 
2009年 弁護士登録(第一東京弁護士会)
2009年 長島・大野・常松法律事務所入所
2014年 Fordham University school of Law
 
専門分野は、訴訟、企業法務、ロビイング、特にビジネス判断に関与する経営戦略的法務を得意とする。
また、アート、ファッション、デザイン、エンタメといった産業に関する見識を活かし、法律相談や契約交渉を数多く手掛ける。
 

講師からのメッセージ 

長島・大野・常松法律事務所の所属弁護士として大規模訴訟や企業法務に関わるかたわら、通常の弁護士の仕事の枠に収まらないような「法律家」としての活動に力を入れています。
 
具体的には、特定の産業の発展のために、現場で活躍する人と意見交換をして課題を浮き彫りにし、解決につながる施策を、国に提案したり一緒に作ったりしています。
民間においての調整役と、民間と国の間の仲介役を担って、「法律家」として、皆が歩み寄れる最適点を提案しているようなイメージです。これは政策に影響を与えるように働きかけるロビイング活動に近いですが、異なるのはクライアントが特定の産業団体のみではないことです。いわゆる一般的な弁護士の仕事ではありませんが、自分たちが国と相談しながら政策や方針が日々変わっていくことに強い意義を感じています。
実際に、アートの業界では、5・6年前までは日本の美術市場は冷え込んでいると言われていたのが、課題解決の動きを地道に積み重ねたことで、市場を支えるための助成制度や税制が改正され、美術市場が盛り上がりを見せています。そこで、さらに民間の一体感を強めて、次の施策に向かうという手応えも得られています。このように法律や規制、国の政策は変わり得る、自分たちが関わることができるという実感を現場の人らと共有することができるのは本当に素晴らしいことだと思います。
 
最近は、社団法人を自ら立ち上げたり、業界団体の顧問になったり、海外のプレイヤーを巻き込んだプロジェクトに参加したり、活動の規模が大きくなっています。総じて、産業のベースアップのお手伝いをしているイメージです。アート以外でも、ファッションやエンターテイメント、建築などといったクリエイティブ領域に加え、観光や教育などといった産業に対しても同じような活動をしています。これまで培ってきた知識と経験、コネクションを別の分野に有効活用することができています。
これらの産業はいずれも私自身がプライベートで興味をもっている分野ですが、これらの産業を引っ張っているキーパーソンらと一緒に、全体を盛り上げ、次のステップ、グローバルなステップに進もうとする前向きな活動を、代理人としてのみではなく、自分も一当事者として主体的に活動することができており、毎日がとても楽しく感じています。
 
私自身、考え方や働き方を変えてから、自分の知識や経験が活かせるフィールドが無限に広がっている感覚があり、それは弁護士として10年間鍛えられた基礎体力に支えられているという実感があります。だからこそ、弁護士としての領域は無限に広がっているという考え方を仲間や後輩たちとシェアすることで、弁護士自体の可能性をもっともっと広げていきたいと考えています。数ある産業のベースアップに弁護士がより積極的に関われるようになったら面白いと思いますし、そういった前向きな仕事が増えていくと、弁護士のやりがいがもっと大きくなるように思います。
 
そのような意味で、従来の「弁護士」としての仕事の基本であった、法律を解釈しあてはめるという仕事ではなく、法律そのものを変えたり、よりよく活用したりするといった職業という意味で、「法律家」としても活躍していきたいと思っています。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第265回

2017年11月11日(土)実施

法曹として日本と中国の架け橋になるために

【講師】 松尾 裕介 氏(弁護士、「AZ MORE国際法律事務所」所属)
 


講師プロフィール

松尾 裕介 氏(弁護士、「AZ MORE国際法律事務所」所属)

松尾 裕介 氏
1999年  東京学芸大学附属高等学校卒業
2004年  慶應義塾大学経済学部卒業
2007年  駿河台大学法科大学院法務研究科卒業
同年 最高裁判所司法研修所入所
2009年  第二東京弁護士会登録
同年  島崎法律事務所入所
2010年  IP FOWARD 法律事務所(上海事務所)入所
2013年  上海外国語大学留学(語学研修生過程修了)
2014年  復旦大学(中国上海)留学(法学部普通進修生過程修了) 
同年 King and Wood Mallesons(金杜)法律事務所(上海事務所)入所 
2017年 AZ MORE国際法律事務所開設

 
講演実績
2016年 「中国当局による抜き打ち調査に対する対応方法」King & Wood Mallesons(金杜)法律事務所主催(上海市)
主な著作
2014年~現在 上海ジャピオン紙(中国上海市で発行されている週刊の日本語新聞)の法律コラムを隔週で執筆(第1回から現在まで第74回目)
 

講師からのメッセージ 

 私は、2011年から6年半、中国上海で勤務していました。中国現地の法律事務所で、主に、知的財産法(模倣品対策)、税関法、日中間のグローバルM&A、労働法、独占禁止法、海事、商業賄賂などの案件に携わってきました。法制度、実務が異なる中国と日本とでは、日本の常識が通じないことも頻繁にありました。中国の法制度は、相次ぐ改正を経て、充実するとともに、実務も急速に発展、動いています。日本の法実務とは異なる中国法分野への興味は尽きず、現地での勤務は非常に良い経験になりました。
 中国法務といった場合には、以前は、日系企業の対中投資(アウトバウンド)が主な業務内容でしたが、中国の発展と変化に伴い、中国企業の対日投資(インバウンド)業務も徐々に増えてきています。日本にとっての中国の役割、中国にとっての日本の役割は益々大きくなり、日中の業務に関わった場合の活躍の場は大きく広がっています。
 中国に限らず今後海外で働く機会があるときは、積極的に日本を飛び出してみてください。現地の事務所で現地の人々と勤務することで視野を大きく広げることができ、比較法的な視点を身に付けることで、日本の法制度、実務に対する理解も一層深まります。法曹を目指されている皆さんには、日本という枠に囚われない国際的な活躍を期待しています。
 中国の方は、「縁」をとても大切にします。人と人との出会いは縁であり、縁を大切にして、良い出会いを模索してください。私が中国に渡ったのも良き縁に恵まれたからであり、皆さんとの出会いも良き縁になればと思うとともに、中国現地の法律事務所で勤務した私の経験が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第266回

2017年12月9日(土)実施

弁護士過疎地域での業務と課題~自分の経験から皆さま方に伝えたいこと

【講師】 大窪 和久 氏(弁護士、「桜丘法律事務所」所属)
 


講師プロフィール

大窪 和久 氏(弁護士、「桜丘法律事務所」所属)

大窪 和久 氏
千葉県流山市出身
早稲田大学法学部卒業
2003年   弁護士登録(56期)、「桜丘法律事務所」入所
2005年  日弁連の弁護士過疎地派遣事業により公設事務所「紋別ひまわり基金法律事務所」(北海道紋別市)所長就任
2008年  公設事務所「奄美ひまわり基金法律事務所」(鹿児島県奄美市)所長就任
2009年  公設事務所「末広町法律事務所」(鹿児島県奄美市)所長就任
2011年弁護士法人道北法律事務所に入所。北海道名寄市市内の名寄事務所所長就任
2016年  「桜丘法律事務所」復帰。公設事務所・法テラスの赴任を目指す新人弁護士の指導に当たる。

 

講師からのメッセージ 

私は2005年から2016年までの11年間の間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を続けてきました。弁護士過疎地域とは、裁判所の支部があっても、その支部管轄内に弁護士が一人もいないか、もしくは弁護士がいてもその数が非常に少ない地域のことをいいます。北海道紋別市で3年間、鹿児島県奄美市で3年間公設事務所(日本弁護士連合会が弁護士過疎対策のために各地に設立した事務所)の所長をつとめたあと、再度北海道に戻り名寄市にて弁護士法人の支店長として5年間在任しました。
 
日本の北でも南でも弁護士過疎地域で仕事をしてきて実感したのは、弁護士への敷居の高さです。そもそも自分が抱えるトラブルについてそれが法律問題になるのかどうかわからない、まして法律事務所にいくことなど想像もしていない、という人がほとんどでした。そのため法律事務所がどのようなことをしているかを分かってもらうように取り組むとともに、市役所や関係機関との連携を図る、地域の活動にも積極的に取り組むなど法律事務所へのアクセスを少しでも良くするための活動を各地で続けてきました。
 
司法改革による弁護士増員および公設事務所事業などの取り組みにより、弁護士過疎の問題は数的には解消されつつあります。しかし弁護士がどのように地域に求められる活動を行うかということはなお課題として残されています。これから弁護士を目指す皆様に、弁護士過疎地域の実情と課題について理解していただければと思います。