明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第267回

2018年1月13日(土)実施

持続可能な開発目標(SDGs)16.3項を実現する法律家の国際協力~コートジボワール司法省にコールセンターができるまで

【講師】 原 若葉 氏(弁護士)
 


講師プロフィール

原 若葉 氏(弁護士)

原 若葉 氏
<学歴と主な職歴>
1988年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
1990年 最高裁判所司法研修所修了(42期)・弁護士登録(第一東京弁護士会)
1993年 米国コロンビア大ロースクール修了(LL.M)
1990年~2003年 大手渉外法律事務所に所属し、国際取引・知財案件の実務に携わる。
2003年~2005年 外務省条約局国際協定課・国際法局経済社会条約官室に勤務
2008年~2009年 外務省経済局知的財産室に勤務
2010年~2017年 国際協力機構(JICA)非常勤客員専門員
2012年~2014年 日本司法支援センター(法テラス)本部第一事業部長
2014年~2017年 在コートジボワールJICA長期派遣専門家(司法アドバイザー)
<その他>
2010年~2012年 日本女性法律家協会副会長
2001年~2003年、2015年~現在 日弁連国際交流委員会幹事
 

講師からのメッセージ 

今回講師を務めさせていただくことになりました原 若葉です。司法試験に合格してから30年。私も伊藤真塾長に教えていただき、全科目の全論点についてブロックノートを作って合格しました。しかし、元々アフリカで法整備支援をするために司法試験を受けた訳ではありません。一方で、国際的な事柄に関心があり、弁護士としても何らかの形で常に関わってきました。唯一の例外が、震災後に日本司法支援センター(法テラス)で仕事をさせていただいたことです。そうしたところ、いわばその延長で、2017年4月までコートジボワール共和国の司法アクセス改善支援に携わることになりました。現地では2016年12月から、コールセンターをはじめとする日本モデルの法律情報提供サービスがスタートしています。これは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)第16.3項を実現する最先端の取組みといえるものになっています。これまでを振り返り、このコートジボワールでのプロジェクト実現に至る経緯やその背景を、様々な仕事のエピソードもまじえてご紹介したいと思います。

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明日の法律家講座 東京校第268回

2018年2月3日(土)実施

法曹の業務の魅力と責任~検察官として、弁護士として

【講師】 落合 洋司 氏(弁護士、「泉岳寺前法律事務所」代表、元検察官)
 


講師プロフィール

落合 洋司 氏(弁護士、「泉岳寺前法律事務所」代表、元検察官)

落合 洋司 氏
<学歴と主な職歴>
1987年3月 - 早稲田大学法学部卒業
1989年4月 - 司法修習(41期)終了、東京地方検察庁検事任官
1990年4月 - 徳島地方検察庁検事
1993年4月 - 名古屋地方検察庁財政経済係検事
1995年4月 - 東京地方検察庁公安部検事
1996年4月 - 東京地方検察庁公判部検事
1997年4月 - 静岡地方検察庁検事
2000年4月 - 千葉地方検察庁刑事部麻薬係検事
2000年8月 - 検事退官
2000年9月 - ヤフー株式会社法務部勤務(常勤)
2000年10月 - 弁護士登録
2001年11月 - ヤエス第一法律事務所に入所。ヤフー株式会社は非常勤となる。後にイージス法律事務所(港区虎ノ門)を設立。
2007年3月 - ヤフー株式会社退職
2008年9月 - 泉岳寺前法律事務所(港区高輪)設立。
2010年4月 - 東海大学大学院実務法学研究科特任教授
2017年3月 - 東海大学大学院実務法学研究科特任教授退任
 

講師からのメッセージ 

私は、11年5か月、検事を務めた後、弁護士となって現在に至っています。任官したのは平成元年ですから、終わろうとしている平成とともに、法曹としての活動をしてきたことになります。
検察を取り巻く情勢は、特に最近厳しく、その姿勢や手法が強く批判されることが多くなっています。かつては東京地検特捜部が「最強の捜査機関」と絶賛され怖れられていた時代もありましたが、現在は様変わりしています。私自身、そのように移り変わる検察の姿を、内と外から見てきたことになります。
ただ、犯罪に対して厳正に対処し、裁判所に訴追して有罪判決を求め、刑罰を執行する機能は、健全な法治国家では不可欠で、その機能が低下すれば社会の治安は損なわれてしまいます。批判のための批判ではなく、検察がいかにあるべきか、変わるべき点はどこにあるかが、常に建設的に語られ、国民のために、変革されるべきは変革される必要があると思います。これは、検察だけでなく、裁判官、弁護士についても言えることです。
講演では、私自身が検察の内と外から見てきたこと、体験したことや感じたこと、問題点などをできるだけ率直に、わかりやすくお話するとともに、今後進むべき方向性についても、感じていることをお話したいと考えています。
また、弁護士に転じてから既に17年余りが経つ中での体験、感想なども、聴衆の皆さんのお役に立てるようにとの観点でお話するつもりです。さらに、ブログ、ツイッター等のSNS、各種メディアにおける取材など、情報発信の実態や現在に至る経緯についても、興味、関心を持たれている方は少なくないと思いますから、参考となるお話をしたいと考えています。

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明日の法律家講座 東京校第261回

2017年7月8日(土)実施

外資系法律事務所弁護士からビジネス・パーソン、そしてインハウスカウンセル

【講師】 
木原 和香恵 氏(弁護士、某ニューヨーク銀行アジア担当インハウスカウンセル、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

木原 和香恵 氏(弁護士、某ニューヨーク銀行アジア担当インハウスカウンセル、元伊藤塾塾生)

木原 和香恵氏
2000年      司法研修所修了
2001年~2008年  オリック・へリントン・アンド・サトクリフ法律事務所にてアソシエイトとして勤務 - 東京3.5年: 不動産 NY 2.5年: プロジェクト・ファイナンス
2004年~ 2005年 ペンシルベニア大学ロースクール(LL.M)
2008年~2010年 ニューヨーク大学大学院不動産投資・ファイナンス専攻 (M.S.)
2010年~2013年 ドイツにて在イタリアおよびチェコの太陽光発電所の投資ポートフォリオマネジメント
2013年~2015年 ニューヨーク商業不動産の開発ファイナンス
2015年~現在  ニューヨーク銀行の企業内弁護士(現在東京勤務)


 

講師からのメッセージ 

私は確固たるビジョンが形成される前にキャリアをスタートすることになり、その時点で興味を持った分野に挑戦することにし弁護士以外の専門職も経験してきました。興味を持った異なる分野に関わる度に様々な出会いにも恵まれ、それが次の興味へとつながり、そして気が付けば研修所を修了してから17年近い月日が経っていました。そのような中、先日、尊敬する恩師の伊藤真塾長におそらく15年ぶり(?)で再会することができ、今回皆様にお話しさせて頂く貴重な機会を頂戴いたしました。思えば、私の興味を最も刺激したのは、合格後に伊藤塾でアルバイトをさせて頂きアメリカ・ヨーロッパのロースクールや法律事務所その他の法務関連施設を視察するツアーに参加させて頂いたときの経験のように思います。
このような私が既に合格後を考えて法曹を目指している皆さんにお話をさせて頂くわけですが、今回は、私が関わった分野の1つでも2つでも皆様の今後のキャリア形成の参考にして頂ければと考え、私が転職したり2度も学生に戻った経緯、関わることができたそれぞれの分野の魅力および企業内弁護士を2年経験して考えること、そして「予定通りにキャリアデベロップメントが進まなくても幸せに生きていけるんだ」と勇気づけられて頂けるような内容のお話をさせて頂きたく、講演の準備をしているところです。
では、当日皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

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明日の法律家講座 東京校第262回

2017年8月5日(土)実施

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)薬害訴訟について~これまでの展開と今後の課題

【講師】 
水口 瑛葉 氏(弁護士、「東京合同法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

水口 瑛葉 氏(弁護士、「東京合同法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)

水口 瑛葉氏
東京都出身
2010年 立教大学法学部卒業
2013年 早稲田大学法科大学院修了
2013年 最高裁判所司法修習生(67期)
2014年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
【主な所属団体・役職等】
東京弁護士会消費者問題特別委員会委員
医療問題弁護団幹事
自由法曹団
青年法律家協会  など
 

講師からのメッセージ 

私は、一般的な弁護士業務を行うことと並行して、弁護士1年目から、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)薬害訴訟の弁護団の一員として活動しています。
皆さんの中には、法曹となった後、興味のある分野、挑戦してみたい仕事が見つからない、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そのときどきに合わせて、必ず取り組むべき課題があります。課題に出会ったときにそこに飛び込んでいく勇気は必要ですが、法曹を志そうとする皆さんには、是非その勇気を持っていただきたいと思います。
私は、弁護士登録をする頃にちょうど問題となっていた、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)薬害問題を自身の取り組むべき課題として選びました。この問題の被害の実態や、訴訟をする意味、訴訟のこれまでの展開や今後の課題などをお話させていただくことはもちろん、若手弁護士が社会の問題に対して、どのように取り組んでいるか、という等身大のお話ができればと思っています。
これまで「明日の法律家講座」でお話しされてきた皆様の顔ぶれを拝見し、私でいいのかしら、と大変恐縮するところではあるのですが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

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明日の法律家講座 東京校第263回

2017年9月9日(土)実施

医療と法律の架け橋をめざして~医療事故・個人情報・認知症高齢者家族の責任を考えながら

【講師】 米村 滋人 氏(東京大学大学院法学政治学研究科准教授、内科医、法学者)


講師プロフィール

米村 滋人 氏(東京大学大学院法学政治学研究科准教授、内科医、法学者)

米村 滋人 氏
1998年 10月 司法試験合格
2000年3月 東京大学医学部医学科卒業
2000年5月~2001年5月 東京大学医学部附属病院非常勤医員(研修医)
2001年6月~2002年3月 公立昭和病院内科レジデント
2004年3月 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
2004年5月~2005年8月 日本赤十字社医療センター第一循環器科医師
2005年9月~2013年9月 東北大学大学院法学研究科准教授
2013年10月~ 東京大学大学院法学政治学研究科准教授
【主な著書・論文】
『医事法講義』日本評論社[2016]
「大災害と損害賠償法」論究ジュリスト2013年夏号64頁[2013]
「人格権の権利構造と『一身専属性』(1)~(5完)」法学協会雑誌133巻9号1311頁、12号1956頁、134巻1号80頁、2号277頁、3号407頁[2016-2017]
「損害帰属の法的構造と立法的課題」NBL 1056号30頁[2015]  等多数
 

講師からのメッセージ 

 私は、医学部学生のときに法律家を志すようになり、医師として2年間勤務した後に法学研究の道に入りました。医学と法学の両方を知る者として、医療に関する法律問題を扱いたいと考えた一方で、社会問題を全体として解決する制度づくりに関わる仕事がしたいというのが、研究者を選んだ理由です。実際に仕事をするようになると、学者が立法や政策決定場面に関与する機会はかなり多く、現在は、私が期待していた以上に制度設計に関わることができています。
 私のような人間は特殊だと思われがちなのですが、そうではありません。法律家としてさまざまな仕事をする中で感じたのは、どういう場面でも、「1人の人間として社会とどう向き合うか」が問われているということです。法律の知識は、結局は1つの「道具」に過ぎません。われわれ研究者は法の体系性や理論的整合性を重視することが多く、それはそれで重要ではあるのですが、社会の側から見れば法律の論理だけですべてが決まっているわけではなく、法理論を振りかざしても人々に受け入れてもらえないことはよくあります。法律家自身が、どういう社会を理想と考え、自分はどう生きたいと考えているのか、ということを、社会に向かって丁寧に説明することが重要です。
 法律の勉強とは、先人たちが抱いた「社会の理想像」を理解し、現代社会の中でそれを実現する具体的な法制度を考えるという作業です。法律を学ぶ皆さんには、表面的な知識にとらわれず、そのような法律の背後にある「意味」を考えるようにして頂きたいと思います。それは、皆さんが法曹として活躍するときに、必ず生きてくると思います。
 私は、1998年から数年間伊藤塾の仕事を手伝わせて頂き、多くの方との貴重な出会いがありました。こうして再び伊藤塾に戻ってくることができ、とてもうれしく思っています。皆さんとの出会いも伊藤塾での素晴らしい出会いになるよう、心から期待しています。

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明日の法律家講座 東京校第264回

2017年10月7日(土)実施

大崎事件から見える刑事司法の問題点~憲法の理想と現実のギャップ~

【講師】 鴨志田祐美氏(弁護士、大崎事件弁護団事務局長、元伊藤塾塾生)
 


講師プロフィール

鴨志田祐美氏(弁護士、大崎事件弁護団事務局長、元伊藤塾塾生)

鴨志田 祐美氏
鹿児島市生まれ。以後、大学1年まで神奈川県在住。 
1981年 神奈川県立湘南高校卒業 
1985年 早稲田大学法学部卒業(その後、会社員、結婚、出産、予備校講師を経て) 
2002年 司法試験合格 
2004年 鹿児島県弁護士会登録 
2010年 「弁護士法人えがりて法律事務所」設立 





【主な活動】  
《日弁連》 
2006年~ 人権擁護委員会 第一部会(再審、誤判救済)特別委嘱委員 
2013年~ 同 大崎事件委員会 委員長 
2014年~ 同 「再審における証拠開示に関する特別部会」部会長 
《鹿児島県弁護士会》 
2007年~2011年 子どもの権利委員会委員長 
2012年 副会長 
《その他》 
2007年~2015年   鹿児島家庭裁判所 家事調停委員/鹿児島地方・簡易裁判所 民事調停委員  
  
【 主な著書・寄稿】 
『転落自白――「日本型えん罪」はなぜうまれるのか』(共編著 日本評論社   2012 年) 
「被疑者弁護から少年審判に至るまでの連携と協働」(岡田行雄編著『非行少年のためにつながろう!』現代人文社   2017 年) 
「再審制度の抱える諸問題」(木谷明ほか編著『シリーズ刑事司法を考える 第5巻 裁判所は何を判断するか』岩波書店   2017 年) 
『緊急提言!刑事再審法改正と国会の責任』(共編著 日本評論社   2017 年) 
「大崎事件―つづら折りの事件史あるいは奮闘記」(法学セミナー  686 号) 
「証拠開示は再審の扉を軽くしたのか?」(季刊刑事弁護  74 号) 
「大崎事件第2次再審請求から見た刑事司法の問題」(法学セミナー  719 号)  
「大崎事件第3次再審請求審の総括」(季刊刑事弁護90号)  
 



















 

講師からのメッセージ 

 2017年6月28日、鹿児島地方裁判所は大崎事件第3次再審請求について、再審を開始する決定を出しました。請求人の原口アヤ子さんは、事件が発生したとされる1979年から38年間、一貫して無実を訴えてきました。実はこの事件では2002年の第1次再審請求でも再審開始決定が出ていたのですが、検察官の即時抗告により、開始決定が取り消された経緯がありました。同じ事件で2度の再審開始決定が出たのは免田事件以来2度目のことです。
 アヤ子さんはすでに90歳になり、これが存命中に再審無罪を勝ち取る最後のチャンスといえるでしょう。
 しかし、検察官は、2度目の再審開始決定の重みにも、冤罪を背負わされ続けたアヤ子さんの生涯にもまったく思いをいたすことなく、今回も開始決定を不服として即時抗告を行いました。現在、私たち弁護団は闘いの場を福岡高等裁判所宮崎支部に移し、一刻も早く再審開始を確定させ、アヤ子さんに法廷で「被告人は無罪」の判決主文を聞いてもらおうと全力で闘っています。
 
 そもそも大崎事件は、アヤ子さんの共犯とされた3人の男性の自白のみで、客観的証拠もほとんどないまま有罪が確定してしまった事件です。しかもこの3人の「共犯者」はいずれも知的障がいを抱えていました。取調べの録音・録画もされていない密室で、彼らはどのように自白に追い込まれたのでしょうか。
 
 また、大崎事件では、捜査機関が収集した無罪方向の証拠が、再審段階に至るまで隠されていたという事実も判明しており、「再審における証拠開示」のあり方も問題となりました。
 
 このように、大崎事件から垣間見えるわが国の刑事司法の問題点をあぶり出すとともに、憲法の理想とする人権保障・適正手続の観点から、あるべき再審制度を考えてみたいと思います。







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明日の法律家講座 東京校第257回

2017年3月11(土)実施
 

原発避難と国分寺まつり出店拒否~二つの事案からひも解く人権保障のいま

【講師】 
熊澤 美帆 氏(弁護士、東京千代田法律事務所所属、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

熊澤 美帆 氏(弁護士、東京千代田法律事務所所属、元伊藤塾塾生)

熊澤 美帆 氏
2008年12月 伊藤塾受講開始(27期)
2011年 横浜国立大学経済学部卒
2013年 東京大学法科大学院修了
2015年 弁護士登録(東京弁護士会) 東京千代田法律事務所入所
 
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク( SAFLAN)事務局次長
国分寺まつり出店拒否問題弁護団、同性婚人権救済弁護団、築地市場移転問題弁護団等所属

 

講師からのメッセージ 

 2011年3月11日の東日本大震災から丸6年。原発事故による避難区域が次々と解除され、住宅支援も打ち切られる。そのようなタイミングで皆様にお話をさせていただく機会をいただいたことに、本当に感謝しています。
 あの日を境に、避難を余儀なくされるなど、生活が180度変わってしまった人達が沢山います。震災や原発事故の問題だけに限らず、依頼者の多くは、「これまで弁護士なんて会ったことない、裁判なんて考えたこともない」という方です。「突然の出来事にどうしていいかわからない」。弁護士とは、そんなときに寄り添い、そして新たな一歩を踏み出すお手伝いができる仕事です。
 今回は、弁護士として、一人の元伊藤塾生として、私が経験してきたことや今やるべきだと考えていることをお話ししようと思っています。皆さんの法律家人生に向けて、少しでも何かの支えになれば幸いです。そして、「おかしい」と思ったことを「おかしい」と訴え、依頼者の方と一緒に歩んでいく、そんな想いを持って皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

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明日の法律家講座 東京校第258回

2017年4月8日(土)実施
 

モンゴルでの法整備支援2045日~JICA専門家の仕事と長いその後~

【講師】 
岡 英男 氏(弁護士、「大正法律事務所」主宰)


講師プロフィール

岡 英男 氏(弁護士、「大正法律事務所」主宰)

岡 英男 氏
弁護士(大阪弁護士会)、外国弁護士(モンゴル)、モンゴル国立国際仲裁センター仲裁人、日弁連国際交流委員会幹事

1972年 兵庫県神戸市生まれ
1995年 関西学院大学法学部法律学科卒業
1995年~1999年 実家に帰省
1999年~2004年 裁判所で勤務(高松、東京、徳島)
2006年 京都大学大学院法学研究科修了
2006年 最高裁判所司法修習生(新60期)
2007年 弁護士登録(兵庫県弁護士会)、春名・田中法律事務所入所
2010年 10月~ 2015年 12月 モンゴル国最高裁判所で勤務( JICA専門家)
2016年 6月 大正法律事務所設立  

著書「おまえがガンバれよ―モンゴル最高裁での法整備支援 2045日 ―」(「司法協会」刊。伊藤塾長に帯書きしていただいています)
 

講師からのメッセージ 

 私は、本当に偶然にモンゴルと関わることになり、今もモンゴルに関係する仕事をしています。しかし、モンゴルに行くことが決まった当初、私は、モンゴルにも国際協力にもまったく関心はなく、法整備支援についてのあこがれも熱い思いもありませんでした。それでも、私に与えられた「モンゴルで調停制度を作る」という仕事は、十分に楽しく、結果的にもうまくやったと思っています。つまり、法整備支援とか、国際協力とかいうのは、全然特別な仕事ではない。それでいて、すばらしく面白い仕事です。私の経験をお話するとともに、将来これらの仕事を志している人に対しては、法整備支援や国際協力について、その意味を考える手がかりにしていただければ幸いです。
 法整備支援の専門家になるためには、法曹資格がまあ入場券といっても誤りではないと思うのですが、ところで法曹というのはこの講座でこれまでお話された多くの先生方が言うようなすばらしい仕事なのかどうか?私の妻は「弁護士ほどしょうもない奴等はいない」といつも言います。なるほどもっともなことだと説得されてしまう反面、結局これは我々(私)の人間性への批判であって、純粋に法曹の仕事を考えれば、私のようなしょうもない弁護士でもなんとか社会の歯車として小回りさせていただける、または王道を外れても枝道、抜け道を見つけられる。ふだんあまり皆さんにこういう話をする人はいないと思いますが、このような若干ひねくれた観点からも法曹のすばらしさ?についてお伝えできればうれしいです。

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明日の法律家講座 東京校第259回

2017年5月20日(土)実施

憲政と民主主義の相剋~自由な民主主義をいかに回復するか

【講師】 
山口 二郎 氏(法政大学法学部教授)


講師プロフィール

山口 二郎 氏(法政大学法学部教授)

山口 二郎 氏
1977年3月 岡山県立岡山操山高等学校卒業
同年4月東京大学教養学部文科 I 類入学
1981年3月 東京大学法学部卒業
1981年4月 東京大学法学部助手
1984年7月 北海道大学法学部助教授
1987年7月 コーネル大学留学(フルブライト奨学生、1989年6月まで)
1993年12月 北海道大学法学部教授
1997年3月 オックスフォード大学セントアントニーズ・カレッジ客員研究員(1997年9月まで)
2005年3月 ウォーリック大学客員研究員(2005年6月まで)
2014年4月 法政大学法学部教授 北海道大学名誉教授

  著書
『政治のしくみがわかる本』 (2009年、岩波ジュニア新書)
『ポピュリズムへの反撃 -現代民主主義復活の条件- 』(2010年、角川oneテ ーマ21)
『政権交代とは何だったのか』(2012年、岩波新書) 他多数
 

講師からのメッセージ 

 今や、世界中で虚偽をまき散らすデマゴーグが台頭し、民主的な手続きを通して権力を簒奪する現象が広がっている。実は、こうした民主政治の劣化は2012年暮れの第2次安倍政権誕生が嚆矢となっており、日本発の現象である。
 権力分立、基本的人権の保障、尊厳ある生の確保などの基本的原理に立脚した民主政治は、21世紀に至ってなぜ暴走を始めたのか。その原因について、ポピュリズム論を参照しつつ、グローバル資本主義の展開やナショナリズムの隆盛も視野に入れて、分析する。そのうえで、基本的人権、とりわけ少数者の自由を保障する民主政治をいかに回復するかを考えていきたい。
 安倍政権の下で、憲法破壊、国家の私物化がますます進行し、政府を批判することについて無力感を覚える昨今だが、これからの政治を構想するときに希望がどこにあるかを考えたい。

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明日の法律家講座 東京校第260回

2017年6月24日(土)実施

沖縄で起こっていること~沖縄の問題はわが国全体の問題

【講師】 
伊志嶺 公一 氏(弁護士、「おきなわ法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

伊志嶺 公一 氏(弁護士、「おきなわ法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)

伊志嶺 公一氏
1991年3月  浦添高等学校卒業
1996年3月  専修大学法学部卒業
2004年10月 司法試験合格
2005年4月  最高裁判所司法修習生(第59期)
2006年10月  弁護士登録(沖縄弁護士会)・おきなわ法律事務所入所

役職・所属
日本弁護士連合会 全面的国選付添人制度実現本部委員
沖縄弁護士会 民事介入暴力対策特別委員会委員
沖縄弁護士会 子どもの権利に関する特別委員会委員
公益財団法人日弁連交通事故相談センター沖縄県支部委員会委員
沖縄弁護士協同組合理事
財団法人暴力団追放沖縄県民会議相談委員
沖縄県いじめ防止対策審議会委員
那覇市こども政策審議会委員
浦添市建築審査会委員
沖縄医療事故問題研究会会員
那覇市特別相談員
 

講師からのメッセージ 

沖縄弁護士会に所属しております弁護士の伊志嶺公一と申します。私は、伊藤塾で勉強させて頂いた経緯がありますが、この度、その伊藤塾で講演をさせて頂く機会を頂きました。最初にこのお話しを頂いた時、私ごときが何を話せばいいのか・・・と、大変迷ったのですが、伊藤真先生からのお誘いを受けた以上は、精一杯務めさせて頂きたいと思っています。
私は、沖縄県出身で、沖縄で起こる事に様々な矛盾を感じながら育ってきました。自然と法律家として沖縄でお手伝いがしたい、と思うようになり、司法試験を志し、合格後は沖縄で登録し、今現在に至ります。
沖縄では、基地に関連する問題が毎日のように起こっています。そして、基地に関連する訴訟がたくさん起こされています。私は全ての訴訟に関われているわけではありませんが、私が関わっているだけでも、普天間基地爆音差止訴訟、嘉手納基地爆音差止訴訟、辺野古に関連する訴訟、高江オスプレイパッド訴訟、などがあります。
明日の法律家講座では、今後、聴講者の皆さんが考える切っ掛けになってもらえるよう、弁護士の役割も説明しながら沖縄の問題について説明してみたいと思っています。社会問題に関わるような弁護活動をしたいと考えている方はもちろんのこと、社会問題に興味はないと思っているような方にも聴講頂けたら幸いです。