明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第252回

2016年10月1日(土)実施
 

弁護士資格を国政に活かす~当事者の声、現場の視点、法の論理を踏まえた政治に~

【講師】 
山添 拓 氏(参議院議員、弁護士)


講師プロフィール

山添 拓 氏(参議院議員、弁護士)

山添 拓 氏
1984年京都府生まれ。
京都市立堀川高等学校を経て、東京大学法学部卒、早稲田大学大学院法務研究科修了。
2011年司法試験に合格。司法修習新第64期。第二東京弁護士会所属。
司法修習生の給費性維持をめざす若手ネットワーク、ビギナーズ・ネットの初代共同代表の一人として活動。
弁護士登録後、東京法律事務所に入所。
原発事故の被害賠償事件に取り組む弁護団、過労死弁護団、首都圏青年ユニオン顧問弁護団、国公労連賃下げ違憲訴訟弁護団等に参加。
現在、山添拓法律事務所。
2016年第24回参議院議員通常選挙において、定数6の東京都選挙区より立候補(日本共産党公認)。
得票率10.7%を得て4位で初当選。
選挙戦では、安保法制廃止、憲法9条をはじめ安倍政権がめざす改憲案の危険を訴えたほか、アベノミクスと消費増税路線が破綻していること、税金は集め方を変え、使い方も変えるべきこと、ブラック企業をなくし働きやすい社会の実現をと訴えた。
 

講師からのメッセージ 

弁護士5年目、まだまだ新人の域を出ない私が、突如として国政に挑戦することに。いま思えば、我ながらよく決断したものだと思います。弁護士としてどんな事件に取り組んできたか、なぜ立候補の決意に至ったか、どのような議員をめざしているか、あるいは国会議員の日常とはどんなものかなど、議員としても新人の私が、いま感じていることをお伝えします。
 
法曹資格は、幅広い可能性があります。それはなによりも、憲法に根ざした人権と民主主義の担い手という立場ゆえのものです。これから法曹をめざすみなさんと、大きな視点で志を共有できれば幸いです。

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明日の法律家講座 東京校第253回

2016年11月19日(土)実施
 

刑事弁護人の職責~99.9%の壁に挑む~

【講師】 
牛田 喬允 氏(弁護士、「赤坂山王法律事務所」弁護士、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

【講師】牛田 喬允 氏(弁護士、「赤坂山王法律事務所」弁護士、元伊藤塾塾生)

牛田 喬允 氏
1978年東京都生まれ
2011年司法試験合格
司法修習新第65期
2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)
弁護士登録後都内事務所に入所。
2014年3月 富士総合法律事務所
2015年12月 赤坂山王法律事務所を開設。
2016年7月 弁護人として活動した刑事事件で公訴棄却決定がなされる。
 
年間100件ほどの刑事事件を扱う。刑事事件以外に一般民事事件や行政訴訟等幅広い分野を扱っている。 事務所には常駐の通訳がおり、外国語を母国語とする方の事件も多い。
赤坂山王法律事務所WEBサイト
 

講師からのメッセージ 

弁護士登録から4年ですが、300件を超える刑事事件を扱ってきました。主任弁護人として活動していた刑事事件(八王子市傷害事件)では、7月に検察庁が公訴取消請求をし、公訴棄却がなされるという結果を得ることができました。
刑事弁護とは、被疑者・被告人の立場に立たされる人のみならず、その家族や関係者の人生に深く関わるものです。課される責任は甚大ですが、その分やりがいもあります。先日の公訴取消がなされた事件では、まさに「弁護人にしかできないことがある」と実感しました。刑事弁護人に課される職責、使命とは何か等、まだまだ新人ではありますが、私が考えていることをお伝えできればと思います。

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明日の法律家講座 東京校第254回

2016年12月17日(土)実施
 

私の弁護士日誌~夫婦別姓訴訟、DV問題、児童虐待問題等を中心に

【講師】 
打越 さく良 氏(弁護士、「さかきばら法律事務所」所属)


講師プロフィール

打越 さく良 氏(弁護士、「さかきばら法律事務所」所属)

打越 さく良 氏
2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
離婚、DVなどの家事事件を多く取り扱う。
夫婦別姓訴訟弁護団事務局長として、2015年の最高裁大法廷判決に臨んだ。
日弁連両性の平等委員会委員、同家事法制員会委員。
mネット・民法改正情報ネットワーク呼びかけ人、憲法24条変えさせないキャンペーン呼びかけ人。
都内児童相談所非常勤嘱託弁護士。
一般社団法人女子高生サポートセンター Colabo監事。
文京区男女平等参画審議会委員。
 
単著に『なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか』(祥伝社新書)、『レンアイ、基本のキ―好きになったらなんでも OK?』 (岩波ジュニア新書 )、『改訂 Q&A  DV事件の実務―相談から保護命令・離婚事件まで』(日本加除出版)、共著に『親権法の比較研究』(本山敦、床谷文雄編、日本評論社)等。
ジェンダー関係の裁判例等を扱うサイト gender and law(GAL)編集。
ウイメンズアクションネットワーク( wan)に「離婚ガイド」連載中。
ラブ・ピース・クラブに「フェミ時事通信」とブックレビュー連載中。
 
 

講師からのメッセージ 

家事事件の依頼者は、親密な関係の相手方から痛めつけられて深く傷ついていることが多いです。法律的側面でお役に立てることには限界がある。しかし、それでも、一応のゴールにたどり着き、再スタートを切るとき、みな最初に相談にいらしたときとは別人のように元気になっていることが多く、とてもやりがいを感じます。
そして、弁護士は一方当事者の利益を実現する仕事とはいえ、特に子どもがいるときなど、子どもや相手方の視点にも立って、どのようにしたらベターな解決になるか、誠実に考えることも必要です。健全な想像力を持ちたいと常に思います。
そして、マジョリティの「常識」に麻痺せずに、差別され理不尽な思いをするマイノリティに共感し、憲法等のツールを使ってサポートできるのも、弁護士という仕事の醍醐味と感じています。
個々の事件だけではなく、弁護士会やその他の一員として、世論を盛り立て、マスメディアに働きかけ、議員にロビーする、そんな可能性も秘めた仕事でもあります。
若いひとたちがどんどん法曹になり、正義と人権のために活躍してくれることを期待しています。

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明日の法律家講座 東京校第255回

2017年1月14日(土)実施
 

弁護士界のフロントランナーから株式上場そして参議院議員へ~起業10年の軌跡とこれから

【講師】 
元榮 太一郎氏(参議院議員、「弁護士法人法律事務所オーセンス」代表弁護士、「弁護士ドットコム株式会社」代表取締役社長兼CEO、弁護士、元伊藤塾塾生)


講師プロフィール

元榮 太一郎氏(参議院議員、「弁護士法人法律事務所オーセンス」代表弁護士、「弁護士ドットコム株式会社」代表取締役社長兼CEO、弁護士、元伊藤塾塾生)

元榮 太一郎氏
1999年司法試験合格。
2000年最高裁判所司法研修所入所(第54期)
2001年弁護士登録(第二東京弁護士会)、アンダーソン・毛利法律事務所入所。
2005年法律事務所オーセンスを設立、弁護士ドットコム株式会社を設立するとともに、日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」運営開始。
2014年弁護士ドットコム株式会社が弁護士として初めて東証マザーズ上場する。
2016年第24回参議院議員通常選挙にて初当選(千葉県選挙区)
国政では、予算委員会、法務委員会の各委員、自民党司法制度調査会幹事を務める。
 

講師からのメッセージ 

私はいま、弁護士として、弁護士ドットコム株式会社(東証マザーズ上場)の社長として、そして2016年の夏からは参議院議員(千葉県選挙区)として活動の場を頂いています。
日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」は、月間サイト訪問者数970万人、ご登録頂いている弁護士の先生方は国内弁護士の約3人に1人にあたる11,500名を超えるサービスに成長いたしましたが、なぜこのサービスを立ち上げようと考えたのか、また、8年間赤字だったにも関わらず、歯をくいしばって続けた理由をお話します。
また、節目の40歳で政治の世界に飛び込んだきっかけ、困っている人たちのお力になるために取り組むべき課題をお話しすることで、皆さんのこれからのご活躍において何かのヒントになれば幸いです。

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明日の法律家講座 東京校第256回

2017年2月18日(土)実施
 

法曹を目指す人への期待~ある検察官の経験を踏まえて~

【講師】 
片岡 敏晃 氏(横浜地検次席検事)


講師プロフィール

片岡 敏晃 氏(横浜地検次席検事)

片岡 敏晃 氏
1987年 司法試験合格(司法修習42期)
1990年 検事任官。東京、鳥取、千葉、秋田の各地検勤務。
1998年 法務省保護局付(更生保護法制の企画・立案、省庁再編等)
2001年 千葉地検特別刑事部、東京地検特捜部(脱税、企業犯罪等の財政経済事案の捜査)
2004年 内閣府情報公開審査会事務局 審査専門官
2007年 福岡地検特別刑事部長(財政経済、公安労働事案の捜査)
2009年 証券取引等監視委員会事務局 特別調査管理官(インサイダー取引、株価操縦等の金融商品取引法違反事件の調査)
2010年 東京地検立川支部、同公安部において副部長
2012年 神戸地検及びさいたま地検において刑事部長
2014年 札幌地検次席検事
2016年 東京地検交通部長、同総務部長

 

講師からのメッセージ 

 法曹の仕事は、ラクなことばかりではありませんが、法と証拠と良心に誠実でありさえすれば、誰に対しても臆することはありません。この仕事を、本当に恵まれたやりがいのあるものだと、私は実感しています。
 私は、縁あって検察の道を歩んできましたので、今回は検察という切り口で、法曹の仕事のおもしろさをお伝えしたいと思います。まず検事の幅広い職域を眺め、次いで、私自身の経験や具体的な仕事内容を踏まえて、学び考えてきたことをお伝えします。
 この機会が、法曹を志す皆さんへのささやかなエールになれば、幸甚です。

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明日の法律家講座 東京校第251回

2016年9月10日(土)実施
 

政策と立法~集団的自衛権の行使と憲法を題材として~

【講師】 
浅野 善治 氏(大東文化大学法科大学院教授)


講師プロフィール

浅野 善治 氏(大東文化大学法科大学院教授)

浅野 善治 氏
1976年 慶應義塾大学法学部卒業
1976年 衆議院法制局入局
1992年 衆議院法制局 第2部第2課長
1996年 衆議院法制局 第5部第2課長
2000年 衆議院法制局 第3部副部長
2001年 衆議院法制局 第1部副部長
2002年 衆議院法制局 法制主幹
2002年 衆議院調査局 決算行政監査調査室首席調査員
2004年 大東文化大学大学院 法務研究科(法科大学院) 教授
2007年 衆議院調査局 客員調査員
2008年 大東文化大学大学院 法務研究科長
2009年 全国都道府県議会議長会法制執務アドバイザー
2010年 名古屋市法制アドバイザー
2010年 杉並区情報公開・個人情報保護審査会 委員
2012年 自治医科大学ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会 委員
2014年 杉並区狭あい道路拡幅整備に関する審議会 委員 等も歴任
 
「貸金業法の解説」(ぎょうせい)、「政府の憲法答弁集」(共著、信山社)等著書多数
 

講師からのメッセージ 

法律というと所与のもの、法律家として求められる能力は、制定されている法律を適切に自在に使いこなすことと考えがちですが、新たな社会問題や政策需要に対処するために、既存の法制度では足りず新たな法制度が必要となる場合も少なくありません。政策と法という観点から法律を捉えたときには、全く何もないキャンバスに法制度を描き、政策を表現するというようなイメージになります。そこでは、法律は、政策を実現するために作りだすものなのです。
昨年、安全保障法制の合憲性が大きな問題となりました。しかし、政策の検討においては、この法制は違憲だと主張することは、この政策をとる手段はないということを意味します。
政策と立法の関係は、まずそこに社会問題が存在し、対処すべき政策需要が生じていることが前提になっています。その政策を実現する手段を探って検討が進められます。A案に憲法上問題があるなら、代替するB案を検討し、それでも問題があるならC案を、というように、その政策が実現できる手段を追求していきます。あらゆる手段を多角的に、多方面から検討し、すべての手段がとり得ないとされたときに、その政策の実現は不可能ということになります。しかし、そもそもの出発点が解決すべき問題が存在するということにあったわけですから、これを解決する社会的に妥当な手段がないということ自体、不思議なことです。つまり、検討を尽くしても何等の手段がないということは、あり得ないというのが通常です。
今回の安全保障政策についても、この政策を実現することは、法理論として不可能だと言い切れるのでしょうか。こんなことを題材にして、これまで立法に携わって感じたこと、苦労したことについてお話ししてみたいと思います。

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明日の法律家講座 東京校第249回

2016年7月30日(土)実施
 

社会福祉士、主婦からみた中国のリアル~子供も大人も違いを認められる社会・日本へ~

【講師】 
山脇 恭子 氏(上海在住の社会福祉士、NLPビジネスマスター)


講師プロフィール

山脇 恭子 氏(上海在住の社会福祉士、NLPビジネスマスター)

山脇 恭子 氏
1990 甲南大学社会学部卒業  広告代理店、英会話教室マネージメント
1996 結婚式、イベント司会
     FM三木パーソナリティ
1998 佛教大学心理学部編入卒業
     社会福祉士取得
     長男出産
2000 ご主人駐在に伴い北京へ
     北京国際広播電台にてラジオパーソナリティ 
     次男、三男出産
2005 帰国後 援助が皆無な自国の子育てに戸惑う。
     3兄弟を1人で育てる中で、親業、エニアグラムなどを学ぶ
     アレンジメントフラワー2教室展開
     パーソナルカラリストとして活動
2011 ご主人駐在に伴い上海へ  コーチング、NLP、統計学など取得
2013 駐在ママたちに子育てコーチング「ままサプリ」を展開
2015 上海ネットラジオLivAiA「ままサプリ」パーソナリティ  上海TV出演
 

講師からのメッセージ 

北京、上海と中国生活11年目。
帰国するたび「中国大変ですね。」と言われます。
確かに空気は悪いですし、交通のインフラ整備も進んでいませんし、街も日本のように清潔ではありません。
けれど、それほど不便を感じていないのが事実です。
中国に長く住んでいる友人は総じて中国の悪い部分もひっくるめて中国が好きな方が多いです。
現在日中関係は悪化の一途を辿るばかりです。
偽物大国、マナーが悪い、反日感情など報道で流れるものは画一的で事実のほんの一部だと感じています。
違いを探して批判するだけでは関係はなにも変わりません。
 
中国人は自分勝手。
なぜ大声で話すの?
どこでも構わず飲食するのはなぜ?
 
国と国の関係も人と人の関係と同じで、その事象の裏にあるストーリーが見えれば理解ができることを体感しました。
そして判断を下す前に自分の「べき」がどこからきているのか絶対的なものなのか考える必要があると思うのです。
 
中国はお隣の国。
共通点もたくさんあります。
東洋思想や中医、漢字など欧米の方々が学ぶことが難しいことも同じ東洋人の私たちは感覚で理解できることがたくさんあります。
アジアがもっと近くなれば、世界の中で大きな力になれるとも感じています。
主婦として、社会福祉士として、中国で暮らす中で見えてきた中国のリアルを等身大のエピソードを交えながらお伝えできたらと思います。

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明日の法律家講座 東京校第250回

2016年8月20日(土)実施
 

おっさん司法記者の小言

【講師】 
竹田 昌弘 氏(共同通信編集委員兼論説委員)


講師プロフィール

竹田 昌弘 氏(共同通信編集委員兼論説委員)

竹田 昌弘 氏
1961年富山県生まれ。1985年早稲田大学法学部卒。
1988~1992年毎日新聞静岡支局記者(島田事件再審公判)。
1992~1994年共同通信宇都宮支局記者(足利事件一審)。
1994~2002年社会部記者。司法担当(オウム真理教事件、破防法棄却、2信組事件、薬害エイズ事件、ロス疑惑無罪、連続幼女殺害事件公判など)、警視庁サブキャップ(全日空機ハイジャック事件、池袋通り魔事件、長銀・日債銀事件、安田好弘弁護士逮捕など)、法務省担当(司法制度改革、少年法改正、被害者保護立法など)を歴任。
2002~2005年大阪支社社会部デスク(尼崎脱線事故、雪印牛肉偽装事件、ハンナン事件、奈良女児誘拐殺人、三井検事逮捕、池田小事件公判など)。
2005~2009年社会部デスク、うち2006~2007年は司法キャップ(橋梁談合、ライブドア事件、村上ファンド事件、福島県知事逮捕、光市事件最高裁判決、記者証言拒絶最高裁決定、松本智津夫被告の死刑確定、秋葉原事件、裁判員裁判スタートなど)。
2009年4月参院法務委員会参考人(裁判員法)。
2009年以降社会部編集委員(司法担当)や編集局編集委員(NEWSロースクール担当)などを経て、2016年1月から編集委員室編集委員兼論説委員。
 
著書に『知る、考える裁判員制度』(岩波ブックレット)。共著には『現代ジャーナリズム事典』(三省堂)、『裁判員司法』(日本評論社)、『銀行が喰いつくされた日』(講談社+α文庫)、『裁かれる教祖』(共同通信社)など。
 

講師からのメッセージ 

 経歴にあるように司法や事件を担当する記者、デスク、編集委員をしてきました。内閣に1999年から2001年まで置かれた司法制度改革審議会も取材しました。司法制度改革は規制緩和やコストカット、利益の出る分野への資金・労働力の移行などを進めると、訴訟や法律相談案件が増えるので、法曹を大幅に増やし、司法を強化しようというものでした。審議会の意見書では、法科大学院を創設して法曹の質も高め「国民の社会生活上の医師」として法的サービスを提供するという将来像を描いていました。
 意見書が出た2001年当時、それぞれ約2,200人、約1,400人、約18,000人だった裁判官(簡裁判事除く)、検察官(副検事除く)、弁護士は昨年、約3,000人、約1,900人、約36,000人にまでなりましたが、訴訟や法律相談案件は増えていません。法曹の質はどうでしょう。また法曹の増員とバーター的に導入された裁判員裁判も辞退率65%、選任手続き欠席率40%で、裁判員に就任する有権者は限定されています。これらの問題をめぐり、小言を聞いてください。
 一方、審議会は意見書で「政治部門が心臓と動脈に当たるとすれば、司法部門は静脈に当たると言えよう」と指摘していました。報道にも同様に「静脈」の役割があると考えますが、果たして期待に応えているでしょうか。この点もお話ししたいと思います。

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明日の法律家講座 東京校第244回

2016年3月7日(月)実施
 

テレビ報道が息苦しくなっている~一マスコミ人からの提言

【講師】 
金平 茂紀 氏(TBSテレビ「報道特集」キャスター、執行役員)


講師プロフィール

金平 茂紀 氏(TBSテレビ「報道特集」キャスター、執行役員)

金平 茂紀 氏
北海道旭川市出身。
北海道旭川東高等学校から東京都立西高等学校に転入。
東京大学文学部社会学科卒業。 
1977年 TBS(現・東京放送ホールディングス)入社。
報道局社会部記者として、警視庁記者クラブ、司法記者クラブ(ロッキード事件での田中角栄の1審裁判などを担当)、文部省記者クラブに勤務。
1986年より報道番組のディレクターやプロデューサーになり、1989年から1990年の番組終了まで『JNNニュースコープ』副編集長を務める。
1991年から1994年までの間JNNモスクワ支局長としてソ連の崩壊などを取材。
1991年のクーデター事件後にミハイル・ゴルバチョフやボリス・エリツィンに対して、単独インタビューを海外メディアの中で初めて行った。
帰国後の1994年に『筑紫哲也 NEWS23』の番組編集長(デスク)に就任し、2002年まで8年間務めた。番組編集長在任中はビル・クリントンや朱鎔基とのタウンホール・ミーティング番組の放映や、TBSオウム事件、阪神・淡路大震災、アメリカ同時多発テロ事件などの報道を経験し、多くの関連番組や特集企画を担当。筑紫哲也の「右腕」として、『筑紫哲也 NEWS23』をTBSの看板番組に発展させることに協力した。
2002年~ JNNワシントン支局長
2005年~ TBS報道局長
2008年5月 TBSアメリカ総局長兼TBSインターナショナル副社長としてニューヨークへ転出した。アメリカ総局長在任中はコロンビア大学東アジア研究所の客員研究員として2年間在籍し、多くの論文を発表。
2010年9月 執行役員に就任。10月2日より『報道特集』のメインキャスターを務めている。
 

講師からのメッセージ 

講演をお引き受けしてから、何をお話しようかと考えていたところ、テレビ報道をとりまく環境が目に見える形で息苦しさを増してきました。なぜこんなことになったのでしょうか。政治権力からの圧力・介入といった外部的な要因よりも、むしろメディア組織の内側にある要因が、この息苦しさの本質ではないかと僕は考えています。具体的な例を挙げながら、皆さんとメディアの行方、ジャーナリズムの行方について考えてみたいと思います。

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明日の法律家講座 東京校第245回

2016年4月16日(土)実施
 

安保法制論議など~冷静と情熱

【講師】 
棟居 快行 氏(憲法学者、大阪大学名誉教授)(4月から専修大学法科大学院教授)


講師プロフィール

棟居 快行 氏(憲法学者、大阪大学名誉教授)(4月から専修大学法科大学院教授)

棟居 快行 氏
山口県出身
1978年3月 東京大学法学部第一類(私法コース)卒業
1978年4月 東京大学法学部助手
1981年7月 神戸大学法学部助教授
1991年4月 神戸大学法学部教授
1999年4月 成城大学法学部教授
2004年4月 北海道大学大学院法学研究科教授
2006年10月 大阪大学大学院高等司法研究科教授
2013年4月 大阪大学名誉教授
2016年4月より専修大学法科大学院教授
 
著書 『人権論の新構成』、『憲法学の可能性』等多数
 

講師からのメッセージ 

「明日の法律家」を目指すみなさんは、まず「法律家に明日はあるのか」を心配されていることでしょう。たしかに、法律家の未来だけでなく、何事にも「当たり前」などということの言えない時代になりました。しかし、だからこそ、法律家特有の多角的な思考力がますます世間から評価されるはずで、時代の不確実さは法律家の未来にとってはむしろバラ色のはずです。日本の内外が仮にものすごく安定していて、「昨日そうであったように今日も明日もそうである。」という社会であれば、法律家はせいぜい先例を熟知した村の長老が務めればすむことになります。しかし、そうではない「先例のない時代」だからこそ、とりわけ若いみなさんがこれから新しいタイプの法律家として「起業」することに大きなチャンスがあるわけです。起こるはずのない事件・事故が起こるかもしれない、と想定して当事者に適切な予防策をさずけたり、事が起きた後であっても、当事者には思いつかないが関係者が納得できる解決策を呈示して紛争の再発を防いだり、全員が納得できなくても規範の前例なき「当てはめ」で論理一貫性を演出しつつ今後の行動指針を呈示したりと、みなさんの活躍すべきフィールドは広く、「教科書」はないでしょう。憲法研究者である私の狭い専門から言えることはわずかですが、「答が一つ」という保障がそもそもない不確実な学問分野に長く棲息してきた者として、多角的なものの見方の可能性、その楽しさをどうやって味わうべきか、裏側から言えば、現実で起きている事柄の前で法律家(憲法研究者を含む広い意味での)はいかに謙虚かつ自立的でなければならないか、について、みなさんに何事かをお伝えできればと思います。