秋桜会5周年記念特別講演
『電子政府と国際感覚』実施報告

2018年秋桜会総会において、前駐エストニア大使の甲斐哲朗先生による基調講演が行われました。
はじめに、エストニアは、国土の半分が自然林で、人口130万人、日本の九州ぐらいの面積で、バルト3国で最も小さい国である。大自然豊かな地理とは対称的に、Skype発祥の地というIT先進国であるとのご紹介がありました。
とても親日的で、日本との関係では、3つのS(Sumo/Skype/Singing)。Singingは歌うこと、合唱が盛んだそうです。今年の1月に安部首相、5月に小野寺防衛相が訪問するなど、日本からの要人往来も活発に行われ、マイナンバー制度やオリンピック関連でのIT協力がされています。
この国は、『ITは基本的人権』と考え、高齢者への研修、中学生くらいの年齢の子供への研修、全国に無料WIFIを展開するなど、国民へのIT体験を実施しています。
個人認証とデジタル署名の基本的な仕組みを構築し、マイナンバーカードがあれば、自動車運転免許証や健康保険証もいらない。すべての行政手続きは、役所に出向かなくても、インターネットでできる。特に、選挙については世界で唯一、インターネットで何回も投票できるそうです。IT化によりエッフェル塔の高さくらいの紙の節約ができ、労働時間の短縮や、個人の機密もしっかり確保されている。
今年は、ロシアから分離独立宣言をして100周年。国づくりとしてのIT政策に力を注ぎ世界から高い評価をうけるIT先進国となった。
甲斐先生のお話を通して、エストニアがいかにIT先進国であるかを知る事ができました。
講演終盤では、『もっと日本人として自信を持って欲しい。』とおっしゃっていました。
英語は、正確な英語を話そうとこだわらず、とにかく口に出してみること、話すときは相手の目を見ること。アイコンタクトの大切さをお話されました。
今回のご講演で、日本より先を行くIT先進国の実態、ほとんどの行政サービスは、紙ベースからネット決済に変えることができること。その一方で、フェイクニュースなどの偽情報に対しては、重要な情報は自分で確認する必要があるなど、ITにも盲点があることも教えてくださいました。
 ご登壇頂きました甲斐先生、有難うございました。