やっていたことは「これ」だけですが、「これ」を極めることで十分だったと思います。

国土交通省

M.H さん(21 歳)
 

合格者イラスト
大阪大学法学部4 年在学中 〔受講講座〕入門講座:国家総合職(法律区分)プラス国家一般職・地方上級本科生+リーガルトレーニング(2年コース)
オプション:国家総合職(法律区分)記述試験対策講座、国家総合職直前政策論文試験対策講座
◆ 最 終 合 格 /国家総合職
◆ 内   定 /国土交通省 
◆ 予定進路先 /国土交通省
 

はじめに

 私が国家総合職を志望した理由は、少子高齢化・財政のひっ迫などの社会問題や、大規模災害のリスク、環境問題など様々な問題が山積する中で、これらの問題に対して、ともすれば脆弱な「当たり前の暮らし」を現在から将来まで守っていく、支えていくことに携わりたいと思ったからです。幼い頃から人と人とのつながりを強く感じて育ち、この「当たり前の暮らし」を将来世代にまでしっかりと受け継いでいく必要性を感じました。
 同じ大学から国家総合職を目指す友人の多くが伊藤塾に在籍していたこともあり、伊藤塾に入りました。大学3年生の冬までサークル活動に多くの時間を割いていましたが、インターネットで自分の好きな時間に受講できるため、効率的に勉強を進められました。

私がとった勉強方法 

専門試験(多肢選択式)について

 国家総合職試験の最終合格のために、最も大切なのがこの専門択一の勉強であると思います。なぜなら、専門択一は法律科目の基礎的知識の定着を図るものであり、2 次試験の記述式試験は、この基礎的知識が盤石であれば、ある程度クリアすることができるからです。実際、私も受験勉強の多くの時間をこの勉強に割いていました。  具体的な勉強方法としては、(1)「講義を聴く→レジュメを見ながら、講義を自分の中でもう一度復元する」を繰り返し、少しでもあいまいなところは講義を聴きなおす。(2)『これ完』を解き、解説を熟読し、あいまいなところは講義を聴きなおす。の2 ステップを繰り返すことと、間違えた点や、講義で強調された点を1 冊の参考書にまとめることに集中しました。やっていたことはこれだけなのですが、これを極めることで十分だったと思います。私は公務員試験六法に、すべての情報をまとめ、常に見返していました。『これ完』は、4 ~ 8 回解き直し、不安な個所には付箋で印をつけながら、問題と解答を覚えるまで「解きまくり」ました。

専門試験(記述式)について

 専門記述については、伊藤塾の講義(レギュラーとオプション)を聴き、添削課題を提出しただけでしたが、十分対応可能でした(そのくらい、専門択一に力を入れるべきだ、ということです)。とはいえ私は記述式試験への不安があったので、1 月・2 月は択一の学習のウェイトを下げてじっくりと添削課題に取り組みました。1 次試験後はその見直しと、オプション講座に取り組みました。どの問題も4 回以上繰り返し解くことを心がけました。
 添削された答案は、どれもアドバイスがたくさん書かれており、自分では気づかない論理の矛盾を何度も指摘していただきました。また、採点基準を示したうえで、実際に自分の答案がどのくらいのレベルまで到達しているかを数値化してくださったことが自分の立ち位置を図るうえで有益だったと感じています。
 

基礎能力試験(多肢選択式)について

 特に専門試験が大切であると考えていたので、「基礎能力試験は基準点以下を取らなければよし」、と割り切っていました(この判断は正しかったと思います)。数学やパズル的思考を苦手とする私にとっては、「基準点以下を取らない」ためには、苦手な数的処理でひどい点数を取らないようにしなければならないと思ったので、特に数的処理について毎日1 ~ 2 問ずつ解いていました。
 また、文章理解については、直前に問題集などで大量の問題を解き、現代文、英文の読解のコツをつかむことを心がけました。

政策論文試験(記述式)について

 伊藤塾の講義を受け、添削課題を解く以外はこれといった対策はしていません。政策論文試験は、坂本講師もおっしゃっていますが、書くべき要素を落とさないことがまず重要だという意識(逆に言えばそれさえできればよいということです)を持つことが大切だと思います。

面接対策について

 国際法で模擬裁判を行うサークルに所属していたこともあり、同じサークルの友人と、かなり厳しく面接練習をしあったことが一番の練習になったと思います。志望動機など、面接カードにあるものについては、一語一句に至るまで説明できるようにしたことで、どの角度から聞かれてもすらすらと答えられるようになりました。また、『面接対策BOOK』にある典型的な質問についても、必要十分な答えが瞬時にできるよう、練習を重ねました。

官庁訪問について

 官庁訪問で最も大切なのは、「いかに志望動機を熱く語れるか」にかかっていると思います。面接をしてくださる職員の方には付け焼刃の志望動機では全く通用しません。自分がこれまで何を考えて生きてきたか、どんなエピソードがあったのか、どのように個別省庁の志望へと結びついているのかなど、日頃からよく考えておかなければならないと思います。
 私は、これについても、友人と厳しく追及しあい、お互いの弱いところを遠慮なく指摘することで対策をしていました。官庁訪問前は、厳しい指摘を受けたことで「このままで大丈夫だろうか」と何度も不安になりましたが、その不安を消し去るまで、自分の中で志望動機を考え抜いたことが内定につながったと思います。
 

受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー 

 私はインターネットで受講していました。2 年生までは、サークル活動として国際法の模擬裁判大会の国内大会・世界大会へ参加し、3 年生では学生団体に所属して大会運営に携わっていた私にとって、自分のペースで学習できることが何より魅力的でした。また、インターネットでの質問制度を利用することで、わからないことがそのままになってしまう、ということはありませんでした。
 公務員試験においては勉強のみならず、大学生活で何に力を入れてきたか、ということも同じくらい大切だと思います。私は、インターネットという受講形態をとることで、何とか勉強と学生生活を両立できたと思っています。

直前期と受験当日 

 筆記試験直前期は、新しい問題に手を出すのではなく、今までの問題をひたすらに繰り返すことを心がけました。見直しているうちに、「自分はこれだけやってきたんだ」という安心感を得ることができますし、思わぬ知識の抜け穴が見つかることもあります。
 面接試験前は、友人と本番を模した面接練習を繰り返しました。

モチベーションの維持について 

 モチベーションの維持に最も効果的だったのは、省庁説明会への参加です。実際に自分の志望する省庁で勤務されている職員の方のお話を聞き、将来の自分を想像してみたり、純粋に「かっこいい!」という憧れを感じたりと、説明会で得られるものは本当に大きいと思います。ぜひとも可能な限り説明会に参加してください。
 また、先に内定された先輩とご飯を食べに行き、内定までの道のりをお聞きしたり、勉強方法の相談に乗っていただいたこともよい気分転換になりました。

最後に 

 「現場を常に意識する」。これは官庁訪問の際、先輩職員の方から何度も言われた言葉です。「国」の役人として働く以上、一人ひとりの国民の方に寄り添うことはできませんが、「霞が関」にとどまることなく、気持ちは常に国民に寄り添って仕事をする人間でありたいです。とかく人は初心を忘れがちになり、年月を経るにつれ、ついつい奢りがちになるものですが、その時は今の気持ちを思い出し、「初心忘れるべからず」の精神で、何事にも真剣に向き合い、常に国民の声に耳を傾け、精一杯物事にあたっていきたいと思います。