
目次
公務員とは
公務員とは、国および地方公共団体(都道府県・市町村等)で働く人たちの総称です。
公務員の仕事は所属する機関や部署によって多種多様。幅広い分野で活躍できるのが特徴です。
公務員の仕事内容
国民や住民の幸福のため、政策の選択肢を策定し、公正・的確に執行することが中心です。
公務員になるためには
行政機関が実施する、採用試験を受験し、合格・内定(採用)する必要があります。採用後に携わる仕事によって、試験は複数に分かれて実施されます。
公務員の種類と仕事
公務員をその所属する機関によって大別すると「国家公務員」と「地方公務員」に分けられます。
「国家公務員」とは
国家公務員とは、国の行政機関で働く公務員の総称です。
行政機関(中央官庁およびその地方出先機関)を中心に、司法機関(裁判所)や立法機関(国会)でも、多くの公務員が活躍しています。
【行政機関で働く国家公務員】
政策の企画立案を担当。中長期的な視点で日本のグランドデザインを描く、スケールの大きな仕事に携わる。
決定された政策を執行する行政事務のスペシャリスト。地域ごとに採用されるため、地元で活躍できる。
国税専門官は税務、財務専門官は財政・金融、労働基準監督官は労務管理、など特定分野のスペシャリスト。

「働き方改革(厚生労働省管轄)」を例に仕事の違いをみてみよう▼
・総合職:本省での働き方改革関連法の企画・立案など、スケールの大きな仕事でリーダーシップを発揮。
・一般職:本省での労働契約のルール策定など、定型的な行政事務のスペシャリストとしての能力を発揮。
・専門職:労働基準監督署での企業の監督指導など、現場の最前線で専門的な知識と経験を発揮。
【司法機関で働く国家公務員】
裁判の円滑な進行に必要な業務を担う仕事。裁判所書記官のもとでさまざまな裁判事務を担当。
実際に法廷に入り、裁判官を補佐するコートマネージャーとして訴訟進行を管理する。事務官として一定期間勤務した後、書記官を目指すのが一般的。

多くの事務官が目指す「裁判所書記官」とは▼
裁判所事務官は「裁判所書記官」のもとで仕事を行います。
「裁判所書記官」になると、【法律の専門家】として法廷立会や調書作成、訴訟上の事項に関する証明など固有の権限が与えられ、活躍のフィールドが飛躍的に拡大します。
「裁判所書記官」になるには▼
事務官として一定期間働いたのち、裁判所職員総合研修所の入所試験に合格し、1~2年の研修を修了することが必要です。仕事と併行して入所試験や研修の準備をするには相当大変。事務官試験の対策として法律科目を身につけておけば、書記官試験の対策としても役立ちます。
【立法機関で働く国家公務員】
法制局は国会議員の立法活動を支える機関。議員と協議を重ねて議員の構想を法制度として具体化することが主な職務。確かな法知識とコミュニケーション力が求められる。
事務局はそれぞれの議院の事務全般を担当。円滑な国会運営を行うために、会議の事務的な面でのサポートや議案等の審査や国政調査に資するための調査など、業務は多岐にわたる。
立法府に属する「国会図書館」に勤務し、国会議員の立法活動を補佐するのが主な職務。世界有数の蔵書収容能力を誇る国立国会図書館の職員として、通常の図書館サービスも行う。
「地方公務員」とは
地方公務員とは、都道府県や市町村で働く公務員の総称です。自治体では、憲法に定められた「地方自治」を具現化する行政機関として、さまざまな業務が行われています。
なお、国と地方は上下・主従ではなく、対等・協力の関係にあります。国からの指示を受けるのではなく、それぞれの自治体が独立して県政・市政を担います。
「地方自治の拡充を図る仕事」
市区町村の区域を越えて広域的行政や連絡調整事務を扱うなど、携わる職務の幅は広く、採用後、いろいろな業務を広く経験させてジェネラリストとして育てられることが多いです。
例えばこんな仕事
●広域にわたる仕事
・道路・河川・公共施設の管理
・都市計画区域の設定や市街地開発事業の認可
●市町村では取り組みにくい規模の大きな仕事
・高校・特別支援学校・大学などの設置・管理
・農林水産業・商工業の振興
●県内全体が同じ基準で行うべき仕事
・警察
・義務教育・社会福祉の水準維持
・各種認可・許可・検査
●市町村への協力と連絡事務
「住民の要望に直接応える仕事」
総合的な行政サービスを最も住民に近い立場から行っていく行政組織です。街づくりのための計画策定から市民の日常生活に直結する窓ロサービスまで、業務は多岐にわたります。
例えばこんな仕事
●住民のくらしに関わる仕事
・住民票や戸籍の事務、各種証明書の発行
●健康福祉に関わる仕事
・予防接種·健康診断など健康増進業務、子育て·障がい者支援、生活保護
●環境・まちづくりに関わる仕事
・ごみ処理・資源保護、上下水道の管理、都市計画、道路、河川の管理、学校公共施設の管理
●管理事務

「都道府県」と「市町村」。どちらが自分に向いている?
・都道府県:国と基礎的自治体(市町村など)の間に立ち、 地方自治の拡充を図りたいと考えるならば、都道府県庁職員を目指すのがおすすめです。
・市町村: 住民の要望に応える仕事をしたい、住民の皆さんの顔を見ながら仕事をしていきたいと考えるならば、基礎的自治体である市町村や特別区(東京23区)を目指すのがおすすめです。
公務員の魅力
一般的なイメージである「安定」や「ワークライフバランス」のほかにも、種類が多岐にわたる公務員の仕事には、それぞれ特有の魅力があります。
国家公務員の魅力~総合職の仕事
スケールの大きさ
国家総合職の職員は主として、法律の制定・改正、政策の企画・立案などに関する仕事を行います。国政に対する国民の要望を吸い上げ、国益を考えた政策を決定して法案を作成し、内閣が国会に法律案を提出します。
将来は管理職として、組織をマネジメントする立場に就く可能性も高くなります。

若手の頃から責任のある仕事が任せられる
国家総合職試験に合格し省庁に採用されると、各省庁の幹部候補としての道を歩むこととなります。国家総合職職員は2~3年のサイクルで、原局や官房(総務や人事、会計などの部署)、出先機関を異動していくことが多く、転勤も全国規模で行われています。
また、省庁を問わず海外での業務もあるため、特に国家総合職職員には、語学力も求められています。

留学などの研修制度が充実
国家総合職の職員は明日の日本をリードする貴重な人材であるため、その能力を育成する研修制度は非常に充実しています。長期海外留学など様々な経験ができることが大きな特徴です。
こうして培われた高度の専門的技術と能力によって、国家の制度の基盤が形づくられていきます。

国家公務員の魅力~一般職・専門職の仕事
決まったことをきっちりと実行する仕事
国家一般職は、決定した政策を忠実に実行することをその役割とします。先頭に立ってプランを考えるよりも、決まったことをキッチリやり遂げるサポート役のほうが自分の力を発揮できる、という皆さんにはぴったりの仕事です。
一般職は個別具体的な事務の執行により、政策の効果を国民に届ける大切な仕事です。

専門性が強い分野でスペシャリストとして働ける
国家公務員の中でも、高い専門性が求められる税務・財務・労務や裁判業務などに携わります。外務省・防衛省・法務省など、独自の制度を設けて専門職員を採用している省庁もあります。
様々な職務を経験するよりは、特定の分野を極めたいというスペシャリスト志向の方におすすめです。

働きたい場所(エリア)で働ける
一般職も専門職もブロック採用(地域採用)のため、希望する地域で働くことができます。採用後も、転居を伴うような転勤はないのが一般的。
地元で国家公務員として働きたい、という希望を叶えることができる仕事です。


「国家一般職」で採用される機関・職種をみてみよう
検察庁(検察事務官)【法務省】:検察事務官は、刑事事件について捜査および起訴・不起訴の処分を行う検察官をサポートする公務員です。「法律を使って行う仕事」といえば、まず法曹三者が思い浮かびますが、検察事務官も法律知識を活かせる仕事です。
法務局【法務省】:法務局も、法律知識を活かしたい皆さんにはおすすめの職種。出生・婚姻・死亡、自宅の購入、会社の起業、相続など、人生の様々な場面で生じる戸籍や登記などの手続を通じて、国民一人ひとりの権利と財産を守ります。
税関【財務省】:密輸阻止、適正・公平な関税徴収、貿易の円滑化(通関手続)が税関の役割の3本柱です。私たちの身近な空港の手荷物検査から、輸入貨物の書類審査、違法薬物密輸摘発のための捜査など、仕事は多岐にわたります。
地方整備局【国土交通省】:河川や道路、港湾などの維持管理やまちづくりを通じて、安全で快適な国土を守るのが地方整備局の役割。技官が多いですが、事務官も用地取得や補償手続、入札・契約、許認可業務など多様な業務に携わります。
地方公務員の魅力
地方分権が進み、仕事のスケールが拡大している
近年、地方分権の流れが進んでおり、国から都道府県・市町村へと意思決定の権限の移譲や業務の移管が増えています。
以前よりも仕事の内容は多岐にわたり、仕事へのやりがいも増しています。

愛着のある地域のために働くことができる
地元や愛着のある地域のために、住民と近い立場で働けるということが地方公務員の大きな魅力です。
また、国家公務員とは異なり、異動の範囲は地方自治体の内部(都道府県内、市区町村内)となります。転居をせずに働き続けることができるという点も、魅力のひとつです。

仕事の幅が広く、興味のある仕事を見つけられる
国家公務員では、関わる仕事内容の大枠は採用された省庁によりほとんど定まってしまいます。しかし、地方公務員の場合、地方自治体ごとに多種多様な部署が存在し、配属先も固定されません。
幅広い仕事を経験しながら、自分に最も適性のある仕事を見つけることができます。

私が公務員を目指した理由
伊藤塾出身合格・内定者の公務員志望動機
国家総合職(国土交通省)に進路を決めた先輩
【人々の安全安心な生活を支えたい】
東日本大震災復興ボランティアで、被災地を訪れた経験から、人々の安全安心な生活を支えることに貢献するとともに、その上に成り立つ人々の生業を支えることで、地方を元気にしたいと考えるようになりました。(中略)地元だけではなく、日本全体で防災・減災や脱炭素、地域活性化などに取り組むことで社会課題を解決したいと考えました。
国家一般職(大阪法務局)に進路を決めた先輩
【しっかりとした福利厚生と転勤がない仕事】
公務員試験を受けようと思ったきっかけは、自分の将来を考えたときに女性であっても妊娠や出産に関わらず仕事を続けることができる、しっかりとした福利厚生が整っているのは公務員であると考えたことです。また、転勤や海外赴任がない、又は、あっても民間企業に比べて少ないという点でも公務員に魅力を感じていました。
労働基準監督官(佐賀労働局)に進路を決めた先輩
【労働環境を整えることで人々の生活基盤を支えたい】
公務員を目指したきっかけは、小学生の時に両親共働きで時間外労働をしており、私を預かってくれていた祖父が「労働基準監督官」という仕事について教えてくれたことでした。そのころから、労働環境を整えることが人々の生活の基盤を支えることになると漠然と思うようになり、将来は公務員として労働行政に関わりたいということを念頭に法学部に進学しました。
滋賀県庁に進路を決めた先輩
【国民・県民のよりよい生活のために幅広い業務に携われる仕事】
利潤の追求を第一の目的とし、人の役に立つことであっても利益にならないことはしないという民間企業働き方に疑問を覚え、公務員が選択肢に加わるようになりました。公務員の業務について調べていくにつれて、公務員として国民・県民のよりよい生活のために、幅広い業務に携われると知って、本格的に目指すことになりました。
横浜市役所に進路を決めた先輩
【法学部での勉強を活かせる仕事】
公務員を目指したのは、法学部での勉強を試験で活かせる公務員という職業に興味を持ったことがきっかけです。しかし、当時大学2年だった私は就活についてしっかりとしたビジョンをまだ持っておらず、公務員になるか民間就職を目指すかで迷っていました。なので、公務員になりたいから勉強を始めるというよりは、公務員という将来の選択肢を残しておきたいという考えから、私は2年生の夏ごろに伊藤塾に入り勉強をスタートしました。
公務員と民間企業
公務員と民間企業、どちらを選択するか迷う方もいらっしゃるでしょう。ですが「仕事の選択」という点からは、どちらか一方に決めてしまうのではなく、両方に対応できる準備をしていく中で、「自分のやりたい仕事」がどちらにあるかを見極めていけばよいだけです。
もちろん、はじめからどちらかに決まっている場合は、両方を準備する必要はありません。
公務員が民間企業と違う点
「公」のために働く
目の前の利益にとらわれず、日本の現在と将来のために、介護・子育て環境の向上や道路・河川の整備といった、 社会の基盤づくりに貢献することができます。「公共のために仕事ができる」ということが、国家公務員の志望動機として最も多く挙げられています。
これは、純粋に他者(国民)の利益のために働きたいと考えている方が、公務員を志望されていることを意味するものと言えるでしょう。

収入・身分の安定が保障されている
公務員の仕事はやりがいも大きいぶん、重責を伴う仕事です。そのため、公務員の身分は厚く保障されています。公務員自身の生活が保障されなければ、国民や住民のための職責が全うされないおそれがあるためです。
「安定」「福利厚生」が協調されがちな公務員ですが、図2を見ると、実は待遇も厚いことがわかります。

公務員と民間企業従業員の平均年収比較
[公務員と民間企業従業員の平均年収比較(平成29年度)]
※大企業:従業員数5000人以上の企業とする
※参考:「平成29年分 民間給与実態統計調査」(国税庁)
「国家公務員給与等実態調査結果 平成29年」(人事院)
「平成29年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」(内閣人事局)
「平成29年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」(内閣人事局)
公平・公正な試験制度
選考基準も採用基準も一般的には非公開である民間企業と異なり、公務員は「競争試験」によって採用されることが法律で定められています(国家公務員法・地方公務員法)。
公務員は公平・公正な基準で採用すること、またその採用プロセスを明らかにすることが決められているのです。民間企業のように、「エントリーシート」によってふるいにかけられることはなく、出願すれば必ず試験を受けることができ、誰にでも同じように合格・内定のチャンスがあります。
なお、試験の内容や合格基準については、試験実施団体のWebサイト等で公開されています。
公務員と民間企業の併願
併願は当たり前。ただし、早い動き出しがおすすめ。
「公務員」と「民間」の併願は当たり前のことですが、選択肢が多いほど、やることが多いのも当然。しっかりとした準備で就活に臨みたければ、最も大切なのは「早くから将来について考え、動き始める」こと。
自己分析やニュースや新聞から世の中を知ること、人前で話すことのトレーニングなど、時間をかけて取り組むことで、公務員でも民間でも、負担や不安が軽減されることは数多くあります。また、「ガクチカ」など、面接で語れる経験づくりは、時間があってこそのもの。将来を意識した大学生活を送るかどうかは、就活との関係では決定的に大事です。
仕事選びを通して「本当にやりたいこと」が見えてくる
自分が目指す仕事が、社会の中でどのような役割を果たしているのか。
公務員であれば「省庁・自治体研究」、民間であれば「業界研究」や「企業研究」と呼ばれるもので、「自分のやりたいこととの関係」で深めていくことが、内定につながる志望動機に直結します。
民間と公務員(行政)の両方を見て比較することの相乗効果を、伊藤塾で学んだ先輩たちも実感しています。
公務員試験の概要
採用までの流れ
公務員試験の内容は実施主体により様々ですが、一般的には以下のような流れで行われます。
また、国家公務員の場合は「試験合格=採用」ではない、という点が特徴。試験合格後、働きたい機関を訪問して面接などを受ける『官庁訪問』を経て、内定を獲得する必要があります。
第1次試験 | 第2次試験 | ||||||||||
教 |
基礎能力試験 | ▶ | 第 1 次 試 験 合 格 |
▶ | 企画提案試験 | ▶ | 第 2 次 試 験 合 格 |
▶ | 官 庁 訪 問 |
▶ | 内 用 |
知能分野24題:数的処理・文章理解 知識分野30題:人文科学・社会科学・自然科学・時事 ●法律区分と比べると、知能分野は数的処理の比重が高く、知識分野は出題数が多い。1次試験の合否は基礎能力試験の結果のみで決まる。 |
企画力、建設的な思考力及び説明力を試す試験 ●作成したプレゼンシートを基に個別にプレゼン・質疑応答を行う。 |
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政策課題討議試験 | |||||||||||
グループ討議を通じてプレゼン能力やコミュニケーション力が試される試験 | |||||||||||
総合論文試験 | |||||||||||
「幅広い教養や専門的知識」を土台とした総合的な判断力、思考力を試す試験 ●「幅広い教養」=人文・社会・自然科学の知識、「専門的知識」=政治学・行政学・国際関係等の知識が論文形式で問われる。政策課題の学習と関連する知識の理解がポイント。 |
人物試験 | ||||||||||
人物、対人的能力についての個別面接 ●自分の経験を総合職の仕事にどのように活かすかを、具体的にアピールする必要がある。 |
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法 律 区 分 |
基礎能力試験 | ▶ | ▶ | 専門試験(記述式) | ▶ | ||||||
知能分野27題:数的処理・文章理解 知識分野13題:人文科学・社会科学・自然科学・時事 ●教養区分と比べて出題難易度は低い。専門試験の結果とあわせて1次の合否が決まる点も異なる。 |
憲法・民法・行政法・国際法・公共政策から3題を解答 ●基礎学習からしっかりと記述を見据えて対策すれば、恐れる必要はない。 |
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専門試験(多肢選択式) | 政策論文試験 | ||||||||||
必須問題:憲法・民法・行政法 選択問題:商法・刑法・労働法・国際法・経済学/財政学 ●専門科目の配点比率は基礎能力試験の倍。専門試験の対策がしっかりととれれば、確実に合格に近づく。選択科目は法律のみの対策で対応できる。 |
政策の企画立案に必要な能力や総合的な思考力を試す試験 ●対策については、教養区分の総合論文試験対策とほぼ重なる。 |
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人物試験 | |||||||||||
人物、対人的能力についての個別面接 |
第1次試験 | |
教養区分 | |
基礎能力試験 | |
知能分野24題:数的処理・文章理解 知識分野30題:人文科学・社会科学・自然科学・時事 |
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法律区分と比べると、知能分野は数的処理の比重が高く、知識分野は出題数が多い。1次試験の合否は基礎能力試験の結果のみで決まる。 | |
総合論文試験 | |
「幅広い教養や専門的知識」を土台とした総合的な判断力、思考力を試す試験 | |
「幅広い教養」=人文・社会・自然科学の知識、「専門的知識」=政治学・行政学・国際関係等の知識が論文形式で問われる。政策課題の学習と関連する知識の理解がポイント。 | |
法律区分 | |
基礎能力試験 | |
知能分野27題:数的処理・文章理解 知識分野13題:人文科学・社会科学・自然科学・時事 |
|
教養区分と比べて出題難易度は低い。専門試験の結果とあわせて1次の合否が決まる点も異なる。 | |
専門試験(多肢選択式) | |
必須問題:憲法・民法・行政法 選択問題:商法・刑法・労働法・国際法・経済学/財政学 |
|
専門科目の配点比率は基礎能力試験の倍。専門試験の対策がしっかりととれれば、確実に合格に近づく。選択科目は法律のみの対策で対応できる。 | |
▼ | |
第1次試験 合格 | |
▼ | |
第2次試験 | |
教養区分 | |
企画提案試験 | |
企画力、建設的な思考力及び説明力を試す試験 | |
作成したプレゼンシートを基に個別にプレゼン・質疑応答を行う。 | |
政策課題討議試験 | |
グループ討議を通じてプレゼン能力やコミュニケーション力が試される試験 | |
人物試験 | |
人物、対人的能力についての個別面接 |
|
自分の経験を総合職の仕事にどのように活かすかを、具体的にアピールする必要がある。 | |
法律区分 | |
専門試験(記述式) | |
憲法・民法・行政法・国際法・公共政策から3題を解答 |
|
基礎学習からしっかりと記述を見据えて対策すれば、恐れる必要はない。 | |
政策論文試験 | |
政策の企画立案に必要な能力や総合的な思考力を試す試験 | |
対策については、教養区分の総合論文試験対策とほぼ重なる。 | |
人物試験 | |
人物、対人的能力についての個別面接 | |
▼ | |
第2次試験 合格 | |
▼ | |
官庁訪問 | |
▼ | |
内定・採用 |
5・6月 第1次試験 |
▶ | 第 1 次 試 験 合 格 |
▶ | 7・8月 第2次試験 | ▶ | 最 |
▶ | 8・9月 | ▶ | 内 定 ・ 採 用 |
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教養試験(基礎能力試験) |
専門試験 |
人物試験 | 官 庁 訪 問 国 家 公 務 員
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知能分野:数的処理・文章理解 ●ほぼ例外なく出題され、出題数も多い重要科目 知識分野:人文科学・社会科学・自然科学・時事 ●主に高校までに学んだ知識と時事問題が出題される |
法律系・経済系・行政系 専門科目について論述形式で解答する試験。東京都など一部試験で出題される。 |
個人面接 |
||||||||||||||||
面接カードを基に複数の面接官が対人的能力などを確認。1人ずつ行う個別面接のほか、複数同時に面接する集団面接の形式がある。 | ||||||||||||||||||
論文試験 | 集団討論 グループワーク |
意 思 確 認 地 方 公 務 員 |
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課題に対する理解力・思考力・表現力などを問うもので、政策課題の理解がポイント | 与えられた課題についてグループで討論や作業を行う。実施する自治体が増えている重要な試験。 | |||||||||||||||||
5・6月 第1次試験 | |
教養試験(基礎能力試験) | |
知能分野:数的処理・文章理解 | |
ほぼ例外なく出題され、出題数も多い重要科目 | |
知識分野:人文科学・社会科学・自然科学・時事 | |
主に高校までに学んだ知識と時事問題が出題される | |
論文試験 | |
課題に対する理解力・思考力・表現力などを問うもので、政策課題の理解がポイント | |
専門試験 | |
法律系・経済系・行政系 |
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【多肢選択式】 大学専門課程レベルの問題が出題される。 出題科目が多岐にわたるため、国家・地方問わず多く出題される憲法・民法・行政法を中心に第一志望先・併願先の出題科目により、重点的に学習する科目を決めていきます。 |
|
【記述式】 専門科目について論述形式で解答する試験。東京都など一部試験で出題される。 |
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▼ | |
第1次試験 合格 | |
▼ | |
7・8月 第2次試験 | |
人物試験 | |
個人面接/集団面接 | |
面接カードを基に複数の面接官が対人的能力などを確認。1人ずつ行う個別面接のほか、複数同時に面接する集団面接の形式がある。 | |
集団討論/グループワーク | |
与えられた課題についてグループで討論や作業を行う。実施する自治体が増えている重要な試験。 | |
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最終合格 | |
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8・9月 官庁訪問 |
8・9月 意思確認 地方公務員 |
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内定・採用 |
公務員試験 基本となる対策
公務員試験対策は5つの分野に大別できます。国家・地方いずれの試験も、その5つの分野を組み合わせて実施されますが、配点比率が異なるため重点的に準備すべき分野は志望先によって変わります。
より楽に、しかもより確実に合格・内定を獲得するには、きちんと戦略を立てて試験に臨む必要があります。
「守る」べき分野
ただし、学習範囲が膨大であるわりに、
配点が低いことも多いため、かけるべき
労力を慎重に見定める
メリハリづけが何より重要です。
中にはマスターするのに時間がかかる
科目も。併願戦略をふまえ、科目の
重要度を正しく把握したうえで、重要
知識を繰り返し学習すれば、確実な
得点源にできます。
すべき分野
テンシー評価」がなされています。
明るい、物静か、などの性格はあまり
関係がありません。項目ごとに、高い
評価が得られるエピソードを具体的に
準備しておくことが大切です。
効果が薄い対策困難な分野
試験形式がこの分野。議論の過程を
みることで、現場で求められる
コミュニケーション力や協働力を
判断できるからです。繰り返し
練習を積み、習熟する必要があります。
つけられる分野
多い試験形式。その分、苦手を克服
すれば周りに差をつけられます。
専門科目記述を除き、学習すべき
対象は人物試験と共通しています。
専門科目は「法律」中心の戦略
専門試験対策は、民間就活にはない、公務員試験特有の準備といえるでしょう。
公務員の仕事は「法律・条令を駆使し、国や地方を動かしていく」こと。法律の基本的な知識や法的な思考が不可欠です。そのため試験で課される専門科目の中でも法律科目の出題数は多く、配点も高くふられます。
法律科目をしっかりと学んでおくことは合格につながるだけでなく、実務に出てからのアドバンテージともなります。
