公務員試験合格後の仕事概要
地方上級、国家一般職、国税専門官の職務内容

地方上級、国家一般職、国税専門官の職務内容についてご説明します。

地方上級職員の職務内容は?

地方自治体職員の理想像はスーパーマンである!

地方上級試験に合格し採用されると、各地方自治体の幹部候補としての道を歩むこととなる。
将 来管理職に就くためにゼネラリストとしての資質を求められる一方で、専門的な仕事も担当するためスペシャリストとしての資質も求められる。つまり、ゼネラ リストであり、かつ、スペシャリストでなくてはならず、職務遂行にあたっては多くの能力を有するスーパーマンであることが理想なのである。

実際の職務について

地方自治体職員は(1) 政策を形成し条例案をつくり、(2) 条例などになった政策を実現していくという2つの仕事を担う。
では、それらは具体的にどのような仕事なのだろうか。

(1) 政策を形成し条例案をつくる

まずは、県政・市政に対する住民の要望や自治体の抱える課題を抽出し、その課題を解決する多数の政策案の中から最良の政策を決定する。次にその政策について他の部署や地方議会議員などへ説明・説得し、協力を求める。
以上の経過を経て条例案を作成し、それを地方議会へ提出するのである。
例 えば、埼玉県では浮遊粒子状物質(SPM)について、国の定める環境基準の達成率が極めて低かった。そこで埼玉県は「彩の国青空再生戦略21」を打ち出し て、ディーゼル車 に対して国の基準を上回る規制を行うものとした。そして、関係事業者に対して規制内容や規制に伴う措置の支援策について説明が行われた。
以上の経過を経て条例案である「埼玉県生活環境保全条例」を議会に提出したのである。

地方上級職員の仕事

地方議会へ提出された条例案が議会において可決されると、それを実現する段階へ進む。
条例などの政策を実現する上での問題点を抽出し、次に政策の具体的な実現方法を決定する。このとき、政策実現のうえで予算が必要な場合は予算獲得がなされる。そして、決定された政策実現手段を他の部署や住民などへ説明・説得する。
以上の決定を経ていよいよ政策が実現されるのである。
例えば、「埼玉県生活環境保全条例」は議会において可決され、平成15年10月から施行される。条例では基準に満たないディーゼル車の運行禁止を定めているが、それを実現するために県では自動車公害監視員(自動車Gメン)を設置した。

国家一般職職員の職務内容は?

国家一般職職員はスペシャリストである!

国家公務員一般職試験に合格し省庁または出先機関に採用されると、中堅幹部候補としての道を歩むこととなる。
一般職職員は主として、法律になった政策を実現していく執行幹部として活躍する。特に出先機関では、本省庁において企画立案された事項を、現場において実際に執行する事務が中心となる。一般職職員は専門的な仕事をすることが多いため、スペシャリストとなる人が多い。しかし、本人の希望や努力によって管理職に登用される道も開かれており、ゼネラリストの道を歩む者もいる。

実際の職務について

(1) 政策を形成し条例案をつくる

それでは、どのように政策を実行していくのであろうか。
まずは、法律などの政策を実現する上での問題点を抽出する。そして、多数の政策案の中から、具体的な政策の立案を具体的に実現していく。この他、許認可事務や国会対応、審議会の運営なども行っている。
例 えば、公正取引委員会では独占禁止法に基づき談合を摘発したり、自由で公正な取引を確保するための独占禁止政策を実施している。また法務局では、不動産登 記法などに基づき登記実務を行っている。ただし、これらはあくまで一般行政事務の業務内容の概要なので、各省庁、各出先機関によって具体的な業務内容は異なってくる。ホームページなどで調べてみるとさらに多様な業務を知ることができる。

国家一般職職員の転勤について

一般職職員は基本的には転居を伴うような転勤は少ないが、省庁によっては全国規模の転勤があったり、海外に転勤になったりすることもある。異動のサイクルは各省庁によって異なる。

合格から拡がる可能性

国家一般職試験に合格することによって、司法書士・検事も進路の選択肢となります。

国家一般職試験に合格後の、司法書士・検事も進路の選択肢

国税専門官の職務内容は?

国税専門官の職務は

国税専門官試験に合格し採用されると、税務のスペシャリストとしての道を歩むことになる。法律、経済、会計などの専門知識を駆使して、適正な課税の維持、粗税収入の確保などの業務に携わるのである。特に、大企業を調査対象とする場合、経理・会計のプロが相手となる。その相手と対等か、それ以上に渡り合わなければならないので、税務に関する深い知識が要求されるのである。

実際の職務について

国税調査官、国税徴収官、国税査察官の3つの職種がある。

●国税調査官:
適正な納税申告が行われているか調査・検査、指導を行う。

●国税徴収官:
滞納税金の督促、滞納処分、納税に関する指導を行う。さらに、場合によっては滞納者に対して差押えや公売なども行う。

●国税査察官:
裁判官からの令状を受け、脱税容疑者に対する強制調査を行い、刑事犯として告発するまでの一貫した業務を行う。「マルサ」と呼ばれるのは、この人たちである。

国税調査官、国税徴収官、国税査察官の3つの職種

勤務先・昇進について

勤務先は全国12の国税局、税務署に配属される。最終合格者の大部分が東京・関東甲信越・名古屋・大阪の各国税局に、若干名がその他の国税局、国税事務局に採用される。採用後は、税務署や国税局等での勤務を経て、努力次第では税務署長や国税局の部課長へ昇進することも可能である。
また、本人の意欲・適性・能力によっては、海外で勤務するチャンスもある。現在、世界12ヶ国で15名の国税専門官が勤務しており、海外税務情報の収集や日本法人の海外支店の帳簿組織や取引実態の確認も行います。