司法書士「民法改正」向上委員会

2020年の司法書士試験合格を目指す受験生の皆さんにとって、最大の関心事は「民法改正」でしょう。そこで、2018年合格目標と2019年合格目標で実施して大変ご好評を頂いた司法書士過去問向上委員会の姉妹編として、2020年合格目標は司法書士「民法改正」向上委員会を実施することに致しました!司法書士「民法改正」向上委員会では、毎週金曜配信で一話(30分程度)につき2~3個の「民法改正」に関連する問題(新作問題、過去問アレンジ問題等)を解説していきます。司法書士「民法改正」向上委員会は一話完結の講座ですから、勉強の合間の気分転換として是非お気軽にご覧ください!

第20話

要物契約から諾成契約への流れが加速!でも、契約により中身は違うので注意しよう!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成27年第19問肢ア
消費貸借が成立した場合、貸主は目的物を貸し渡す債務を負い、借主は目的物を返還する債務を負う。
民法 平成24年第18問肢エ
使用貸借は、寄託と同様に、借主(受寄者)が目的物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

第19話

担保責任の規定は素晴らしくスッキリしました。受験生にとっても嬉しい改正です!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成23年第17問肢イ
他人の権利を目的とする売買の売主が当該権利を取得して買主に移転することができない場合には、買主が契約の時にその権利が売主に属しないことを知っていたときであっても、買主は、売主に対し、債務不履行一般の規定に従って損害賠償を請求することができる。
民法 平成4年第3問肢1
贈与者は、贈与の目的物に瑕疵があることを知りながら、これを受贈者に告げなかったときでも、担保責任を負わない。
民法 平成4年第3問肢4
請負契約において、仕事の目的物に瑕疵があり契約をした目的を達することができない場合でも、仕事の目的物が建物である場合は、注文者は契約の解除をすることができない。

第18話

配偶者居住権は賃借権類似の債権であって、純粋な意味での無償の権利ではありません。
 
【本日のゲスト向上問題】
不動産登記法 新作問題
配偶者居住権者が第三者のために賃借権を設定した場合に申請する登記の目的は、「〇番配偶者居住権の賃借権設定」であり、配偶者居住権の登記に、賃借権の登記名義人となる者に居住建物の使用又は収益をさせることを許す旨の定めの登記がある場合を除き、当該登記の申請には居住建物の所有者の承諾を証する情報の添付が必要である。
不動産登記法 新作問題
配偶者居住権が、配偶者居住権者の死亡によって消滅した場合には、不動産登記法第69条の規定に基づき、登記権利者(居住建物の所有権の登記名義人)は、単独で当該配偶者居住権の登記の抹消を申請することができる。
不動産登記法 新作問題
配偶者居住権の存続期間の延長や更新を内容とする登記を申請することはできないが、配偶者居住権の存続期間の短縮を内容とする配偶者居住権の変更の登記を申請することはできる。

第17話

賃貸人たる地位の留保は、契約当事者以外が登記申請人となる場合に注意!
 
【本日のゲスト向上問題】
不動産登記法 新作問題
賃貸人たる地位が留保された場合における留保された賃借権(以下「第1賃借権」という。)と、第1賃借権の賃貸人たる地位を留保するために不動産の譲受人が譲渡人に対し新たに設定した賃借権(以下「第2賃借権」という。) については、いずれか一方の賃借権が登記されていなかったとしても、もう一方の賃借権の登記をすることができる。
不動産登記法 新作問題
第1賃借権の設定の登記がされないまま、第2賃借権の設定の登記がされ、その後、第1賃借権の設定の登記を申請する場合、登記権利者は第1賃借権の賃借人であるが、登記義務者は第1賃借権の賃貸人(不動産の譲渡人)ではなく、所有権の登記名義人(不動産の譲受人)である。

第16話

債務引受を詳細に明文化!併存的債務引受と免責的債務引受の違いが明確になった!
 
【本日のゲスト向上過去問】
不動産登記法 新作問題
抵当権の被担保債権につき併存的債務引受がされた場合に行う抵当権の債務者変更の登記の登記原因日付は、併存的債務引受の効力が生じた日ではなく、当該抵当権により引受人が負担する新債務をも担保する旨の抵当権者と設定者の合意が効力を生じた日である。
不動産登記法 新作問題
抵当権の被担保債権につき免責的債務引受がされた場合に行う抵当権の債務者変更の登記の登記原因日付は、契約当事者の別段の意思表示のない限り、債権者と引受人との契約による免責的債務引受である場合には債権者の旧債務者への通知の到達日、債務者と引受人との契約による免責的債務引受である場合には債権者の承諾の日である。

第15話

法定利率が変動制になったことで、登記手続的には面倒なことに!
 
【本日のゲスト向上問題】
不動産登記法 新作問題
抵当権の設定の登記に関し、利息の利率について利息が生じた最初の時点における法定利率によることとなる場合や、遅延損害金の利率について債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によることとなる場合であって、具体的な利率が登記の申請時点で定まっていないときは、被担保債権の発生原因となる債権契約の成立の時点における法定利率で登記することができる。

第14話

相続させる旨の遺言について、遺贈を原因として登記する例外が2つ増えました!
 
【本日のゲスト向上問題】
不動産登記法 新作問題
「配偶者に配偶者居住権を相続させる」旨の記載がされた遺言書に基づいて、「遺贈」を登記原因とする配偶者居住権の設定の登記の申請をすることができる。
不動産登記法 新作問題
配偶者居住権の設定の登記を申請するにあたっては、その前提として、被相続人が所有権の登記名義人である居住建物について、相続又は遺贈を原因とする所有権の移転の登記がされている必要がある。
不動産登記法 新作問題
配偶者Aに配偶者居住権を取得させる一方、「法定相続人である子Bに居住建物を相続させる」旨の遺言書に基づいて、配偶者居住権の設定の登記を申請するにあたって、前提として申請することになる被相続人Cから子Bに対する居住建物の所有権の移転の登記の登記原因は「遺贈」である。

第13話

寄与分、特別の寄与、特別縁故者への財産分与。誰が対象なのかを整理しておこう!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成元年第22問肢5
Aは、婚姻していないEとの間にFをもうけていたが、死亡した。 EがAの財産形成に特別の寄与をしていたときには、Eは寄与分を受けることができる。
民法 平成3年第15問肢1
被相続人の療養看護に努めた者は、他に相続人があるときでも家庭裁判所の審判により、相続財産の一部を取得することができる。

番外編

今回は、「民法改正のスペシャリスト髙橋講師に聞く!直前期の民法改正対策の決め手はこれだ!」と題しまして、髙橋智宏講師との特別対談をお送り致します。

第12話

消滅時効期間はとってもすっきり。わかりやすくなりました!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成18年第7問肢ア
確定期限のある債権の消滅時効は、当該期限が到来した時から進行するが、不確定期限のある債権の消滅時効は、当該期限が到来したことを債権者が知った時から進行する。
民法 平成22年第19問肢イ
Aが開設する病院で勤務医Bの診療上の過失により患者Cが死亡したという事例において、唯一の相続人であるCの子Dが損害賠償を請求する場合、診療契約上の債務不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができる時から3年であるが、不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効の期間は、損害及び加害者を知った時から3年である。

第11話

不法行為責任を問うべきか?それとも債務不履行責任を問うべきか?
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成24年第16問肢5
不法行為により生じた債権を受働債権とする場合であっても、双方の過失による同一の交通事故によって生じた物的損害に基づく相互の損害賠償債権の間においては、相殺をすることができる。
民法 平成22年第19問肢オ
Aが開設する病院で勤務医Bの診療上の過失により患者Cが死亡したという事例において、唯一の相続人であるCの子DがAに対して損害賠償を請求する場合において、AがDに対して診療諸費用の債権を有しているときは、Aは、債務不履行に基づく損害賠償請求に対しても、不法行為に基づく損害賠償請求に対しても、当該債権をもって相殺をすることができる。

第10話

正当な利益のない第三者が弁済してきた時、あなたならどうしますか?
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成25年第17問肢イ
利害関係を有しない第三者が債務者の意思に反してした弁済は、債権者がそのことを知らずに受領した場合であっても、その効力を有しない。
民法 平成25年第17問肢ウ
利害関係を有しない第三者の弁済が債務者の意思に反しない場合には、債権者は、その弁済の受領を拒むことができない。

第9話

債権者が誰なのかは明らかになったので、『債権者不確知』には該当しません!
 
【本日のゲスト向上問題】
供託法 平成28年第11問肢オ(アレンジ問題)
譲渡を禁止する旨の特約のある売買代金債権の債務者は、当該債権が譲渡され、債務者に対する確定日付のある証書による通知がされた場合において、債権譲受人の善意・悪意を知ることができないときは、債権者不確知を原因とする弁済供託をすることができる。
供託法 平成30年第10問肢イ(アレンジ問題)
譲渡を禁止する旨の特約のある売買代金債権について転付命令が確定した場合において、差押債権者が当該特約の存在について善意無重過失であるかどうかを第三債務者が知ることができないときは、第三債務者は、差押債権者を被供託者として譲渡制限特約付債権の譲渡を原因とする供託をすることができる。

第8話

保全手続や執行手続で行うべきことを、民法の中で解決しようと思わないでください!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成29年第17問肢イ
債権者が被代位権利を行使し、その事実を債務者が了知した場合であっても、当該債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることができる。
民法 平成26年第16問肢ア(一部抜粋)
債権者代位権を行使するためには、裁判上の代位の許可を得た場合又は代位行使が保存行為に当たる場合を除き、代位行使の時点で履行期が到来している必要がある。

第7話

絶対的構成にはなったけど、絶対効になった訳ではありません!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成20年第18問肢エ
詐害行為の受益者が債権者を害すべき事実について善意であるときは、転得者が悪意であっても、債権者は、転得者に対して詐害行為取消権を行使することができない。
民法 平成30年第16問肢エ
債権者が受益者に対して詐害行為取消権を行使し、詐害行為を取り消す旨の認容判決が確定した場合であっても、債務者は、受益者に対して、当該詐害行為が取り消されたことを前提とする請求をすることはできない。

第6話

今思うと何てややこしい。時効の中断には完成猶予と更新の効果が含まれていた!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成30年第6問肢イ(アレンジ問題)
売買契約において、売主が、自己の目的物引渡債務を履行していないにもかかわらず、代金の支払期限が到来したことから買主に対し売買代金支払債務の履行を催告した場合において、催告の時から6か月以内に支払督促の申立てをしたときは、その売買代金支払債務について消滅時効の完成が猶予される。
民法 平成21年第5問肢イ(アレンジ問題)
AがBに対する借入債務につきその利息を支払ったときは、その元本債権の消滅時効が更新される。

第5話

対抗要件主義の適用拡大に伴って、遺言執行者の権限も拡大!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成16年第11問肢オ
Aは、遺言により相続分を3分の1と指定されていたが、相続財産である甲不動産について、その法定相続分である2分の1の割合による相続登記がされた。この場合において、Aからその持分を取得したCは、登記を信頼していたとしても、3分の1の持分を取得するにとどまる。
民法 平成25年第7問肢オ
Aは、甲土地について、Bの持分を4分の3、Cの持分を4分の1として相続させる旨の遺言をしたが、Cが、甲土地について、自己の持分をその法定相続分である2分の1とする相続を原因とする所有権の移転の登記をしたところ、Cの債権者であるDが当該登記に係るCの持分を差し押さえた。この場合において、Dは、Bに対し、甲土地の2分の1の持分を差し押さえた旨を主張することができる。
不動産登記法 平成20年第24問肢オ
遺言者が甲不動産を相続人A及びBにそれぞれ2分の1ずつ相続させる旨の遺言をし、かつ、遺言執行者を指定した場合、遺言執行者は、A及びBを代理して、A及びBの共有名義にするための所有権の移転の登記の申請をすることができる。
不動産登記法 平成12年第23問肢ウ
甲土地の所有者Aが死亡し、Aの相続人が子B・Cである事例において、Aが「1.甲土地をBに相続させる。2.遺言執行者をDとする。」旨の遺言を残していた場合、Bは、単独で 相続を原因とする所有権移転の登記を申請することができ、Dの関与を要しない。

第4話

そして、危険負担の規定は生き残った!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成8年第8問肢ア
Aは、Bに対して、A所有の建物を売り渡す契約をしたが、引渡しも、登記もしない間に地震によって建物が滅失した。この場合に、AB間に特約がされていないときは、Aは、Bに対して売買代金を請求することができる。
民法 平成8年第8問肢オ
Aは、Bに対して、A所有の建物を売り渡す契約をしたが、引渡しも、登記もしない間に地震によって建物が滅失した。この場合に、Bは、Aの建物引渡義務の履行不能を理由として、契約を解除することができない。

第3話

連帯債務の改正は、連帯保証への準用にも注意!
 
【本日のゲスト向上問題】
民法 平成25年第16問肢ア
債権者Aに対してB、C及びDの3名が30万円を支払うことを内容とする連帯債務を負い、その負担部分がそれぞれ等しいという事例において、AがBに対して債務の免除をしたときは、Aは、Cに対し、20万円の限度で連帯債務の履行を請求することができる。
民法 平成25年第16問肢オ
債権者Aに対してB、C及びDの3名が30万円を支払うことを内容とする連帯債務を負い、その負担部分がそれぞれ等しいという事例において、Bのために消滅時効が完成したときであっても、Aは、Cに対し、30万円全額について連帯債務の履行を請求することができる。
民法 平成25年第16問肢エ
債権者Aに対してB、C及びDの3名が30万円を支払うことを内容とする連帯債務を負い、その負担部分がそれぞれ等しいという事例において、BがAに対して20万円の反対債権を有しているときは、Cは、Aに対し、10万円の限度で、BがAに対して有する当該反対債権を自働債権とする相殺を援用することができる。
民法 平成6年第1問肢ア
債権者が連帯債務者の1人に対してした債務の履行の請求は、他の債務者にも効力を生ずるが、債権者が連帯保証人に対してした債務の履行の請求は、 主たる債務者には効力を生じない。

第2話

特別養子縁組の改正も、2020年本試験から適用に!
 
【本日のゲスト向上過去問】
民法 新作問題
15歳以上の者は、普通養子縁組については代諾によらずに自ら行うことができるから、 養親となる者が15歳以上の者を養子とする特別養子縁組の請求をするには、その者の同意が必要である。
民法 新作問題
15歳以上18歳未満の者を養子とする特別養子縁組を成立させるためには、15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されており、かつ、15歳に達するまでに特別養子縁組の請求がされなかったことにつきやむを得ない事由があることが必要である。

第1話

譲渡制限特約に反する債権譲渡の効力が、物権的効力説から債権的効力説へ!
 
【本日のゲスト向上過去問】
民法 新作問題
譲渡を禁止する旨の特約が付いた売買代金債権を譲り受けた者が、その特約を知らなかったことにつき重大な過失がある場合には、当該譲受人は、当該債権の債務者が当該譲渡につき承諾しない限り、当該債権を取得することができない。
民法 新作問題
AがBに対する売買代金債権をCに譲渡し、当該譲渡について確定日付のある通知がされたが、AB間には当該債権について譲渡を禁止する旨の特約があり、Cが、債権を譲り受けた際、その特約を知っていた場合、Bは、Cの請求を拒むことができる。
民法 新作問題
AがBに対する売買代金債権をCに譲渡したが、AB間には当該債権について譲渡を禁止する旨の特約があり、Cが、債権を譲り受けた際、その特約を知っていた場合であっても、Cに対する債権者Dが当該譲り受け債権の差押えをした場合には、Bは、Dからの直接取立権に基づく請求を拒むことができない。

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関 信敏(せき のぶとし)講師

2003年、司法書士試験合格。2004年簡裁訴訟代理能力認定考査合格。
合格直後から入門講座クラスのクラスマネージャー及び合格者担任を歴任。加えて、司法試験を受験していた経験を織り交ぜたオリジナルなプログラム『司法書士 合格への「思考力」完成ゼミ』を開講し、「分かりやすさ」と「実力が上がることを実感できる」と大好評を博す。このゼミからは、毎年多くの合格者が輩出され、受験生の間で噂が広がる伝説のゼミとなっている。
また、受験生からの個別の質問、悩みの相談にも力を入れており、「パーソナルクラスマネージャー制度」での指導は合格体験記で「合格の要因となった」とまで記載されるほど評価が高い。
さらに、司法書士試験に進路変更する司法試験受験経験者の指導にも力を入れる。

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関 信敏 講師