困ったときに相談したいと思われる司法書士を目指して

稲元 真一

千葉司法書士会 第1439号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1001345号
公益社団法人成年後見リーガルサポート 正会員
法テラス(日本司法支援センター) 相談登録司法書士  

紹介ダイジェスト動画

受験指導校はトイレで決めた!これが私の受験スタート

仕事も家庭も大切に考え、組織に拘束されずに、自分で自由に時間を使い、「正しいと思うこと」「楽しいと思うこと」を仕事にする、そんな父の背中を見て育った私が、一生の仕事として司法書士を選択したのは、自分の目指したものと異なると、大学を2回通っただけで辞めてしまった、二十歳過ぎのころでした。法律は、日常生活で意識することがあまりないものでありますが、大卒でも法学部でもなかった私は、法学部の学生でも法律の学習は大学入学後からのスタートであり、法学部の授業が試験に出るわけでもないので、受験生のスタートラインはみんな同じだと考え、受験指導校での勉強を決意しました。
複数の選択肢から伊藤塾を選んだのは、教材のわかりやすさと講師スタッフの情熱、丁寧な対応、そしてトイレがきれいだったことです。トイレ自体は講義や指導の質とは一見関係ないように思えますが、トイレという些細な部分まで目が行き届いているところなら、きめ細かいサポートも期待でき、受験勉強も続けられそうだと思い伊藤塾に決めました。

失敗を成功に活かす!合格した年はここが違った

最初に受講した「入門講座」はたいへんわかりやすいテキストと講義だったのですが、自分自身で“やらなければいけないこと”と“やりたいこと”の優先順位がうまく付けられず、また、やれない理由を探してしまい、あまり勉強できませんでした。弱い自分を受け入れられず、逃げていたのだと思います。時間対効果の意識が欠落し、ただ漫然と講義を受講し、過去問を解いている状態で結果は不合格でした。
本当に悔しい思いの中、この失敗を成功に活かし、私は絶対合格すると誓い、合格のための最適な方法を徹底的に考えました。ゴールから考えるという発想から、まずは事業計画(スケジュール)を長期・中期・短期で緻密に設定しました。あとはそれを実行するだけですが、とにかくスケジュールを可視化しスケジュールどおりにやる、そして今の自分の位置を把握し、何が足りないのか、それを埋めるためには何をすればいいのかを理解し実行する。この繰り返しでした。つらくなったら、合格後の自分をイメージし気持ちを奮い立たせました。
実は伊藤塾長の書かれた本を結構参考にしたのですが、今思うと仕事への取り組み方も、受験勉強とまったく同じだということに気がつきました。

“新聞に掲載されるような案件”に携わった毎日

合格後は都心の事務所で働きたいと考え、不動産関連の大型案件を数多くこなす、司法書士・土地家屋調査士の合同事務所に入所しました。実際に毎日ダイナミックな案件が飛び込み、司法書士としてのスキルを磨くことができました。最初に対応した、ある施設の地役権設定案件では「こんな権利の売買の方法があるのか」と驚き、またあるホテルのM&A案件では自分の判断で数百億という金額が動くことに緊張の中、胸の高まりを覚えました。
また、商標権の価値に対する証明書の提出が必要な案件では、「これテキストに出ていたな」と思いつつ、弁理士と連携して行う案件でした。司法書士試験の受験勉強は実務に直結している内容なので、実際の案件もテキストに出ている事が多いのですが、他の士業との連携を大事にし、協力し合って案件を進めることも多いということも学びました。

独立して“自分のなりたい司法書士”をめざす

二十代のうちに独立開業する、と決めていた私は、都心の事務所を退所し地元での開業を決意しました。もちろん、まだまだ未熟な部分もありましたが、“実務能力がついてから”ではなく、“開業して実務能力をつける”道を選びました。
業務内容は大きく変わりました。今までの案件は、事務所を通して法人のお客様を中心にご依頼を受任していたのですが、開業してからは、個人のお客様からも、私に、直接依頼していただけるようになりました。今までも「ありがとう」というお礼の言葉はいただいていましたが、個人のお客様に直接言っていただける「ありがとう」はまた格別のものでした。
あるとき、生活に困窮し手元に数百円しか残っていない方からのご相談のお電話がありました。他の司法書士には相談すら断られた方でした。おそらく仕事にはならない案件だと思いましたが、司法書士である私に、“何とかしてほしい”という気持ちでお電話をいただいたのだと思い、翌日ご自宅の近くまで行き、お話をお聴きしました。そして、他愛もない会話から法的な解決の糸口を見つけることが出来、適切な相談先を紹介することができました。帰り際に流した相談者の涙とありがとうの言葉は今でも記憶に残っています。
困っているお客様の中には、とにかく話を聞いてほしいという方も多く、このようなお客様の期待を裏切ってはいけないと考えています。先輩方が築いてきた司法書士に対する信頼と安心感を、私自身も守っていこう、何か自分のできることは無いかと常に考えて仕事をしようと考えています。
なりたい自分になれる。それが司法書士という職業だと思います。

一問一答インタビュー

合格のために具体的に工夫した点を教えてください

音読中心に、自分で自分に講義をして理解を深めました。また苦手な科目から勉強し、情報は六法に一元化しました。アウトプットでは間違えた問題は、3日続けて解き、それでも間違える問題は、弱点克服の最重要問題として、1週間毎日解きました。学習スケジュールを基準にして、とにかく講義・復習・講義・復習の繰り返しでした。

どんな司法書士を目指しているのですか?

通常の業務だけでなく、法教育活動や貧困で生活が困窮している方へのサポート活動などを通じて社会貢献もしていきたいです。今も千葉司法書士会法教育推進委員会の委員として高校生に法教育を行っています。このような活動で知り合う方はなぜか伊藤塾出身の方が多く、世代を問わず親しくお付き合いしています。

勉強している方へメッセージをお願いします。

合格を左右するのは知識量でも受験回数でもありません。合格するという気持ちだけです。合格後の自分自身を思い浮かべたり、勉強を始めた動機を思い出していくとでモチベーションも高まります。受験期間中は、辛いこともありますが、驕ることなく常に初心に帰って最後まで諦めないでください。

稲元司法書士事務所

■事務所住所

2730011
千葉県船橋市湊町2丁目15番15号 石井マンション102号室
TEL :  047-404-1231
FAX : 047-434-3209
ホームページ:http://inamoto-office.com/