部署異動で崩された今までのキャリア
よし、それなら一生キャリアが積み上げられる司法書士として働こう

小柳 薫さん(30代)

◆受験回数 6回
◆主な受講講座
入門講座入門講座本科生
中上級講座》中級コース、中上級コース、
       司法書士合格への「思考力」完成ゼミ
直前対策講座》うかる!記述式、プレ模試、全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 6年間同じ部署にいて仕事に自信と責任をもっていた時、異動になりまた一からやらねばならなくなりました。その時、今までのキャリアが崩された気がし、異動先で頑張ってもまたいつか異動になるかと思うと、以前のような情熱を仕事に向けることができませんでした。もうじき30歳という節目を迎える時でもあり、ずっとキャリアを積み上げられる仕事をしようと思い、法学部出身だったことから思い切って司法書士を目指しました。

伊藤塾を活用した私の学習方法

②中上級段階の学習方法について

 基準点前後の成績から成績が一向に伸びず、このまま同じ勉強法では合格は厳しいと思い、勉強のやり方を変えなければと決意しました。効果的な暗記法として、勉強した翌日、一週間後、一ヶ月後で行うというものを聞いたことがあったのですが、働きながらで時間がない中、翌日、一週間後、一ヶ月後に復習をやるのは無理と思ってそれまでやっていませんでしたが、藁をもすがる思いで実戦することにしました。
 最初は付箋を貼って管理を試みましたが、付箋が剥がれてしまったり、どこが一週間前にやったものかわからなくなってしまったので、ノートにその日やった勉強内容を記録として残し、一週間後、更に一ヶ月後にノートを見るという勉強管理法にしました。
 それ以来覚えるべきところ、「択一実戦力養成答練」等重要度の高いものは、翌日、一週間後、一ヶ月後にやり、模試など重要度が若干下がるものは一週間後、一ヶ月後にやるルールにしました。
 勉強はまず復習からやり、それが終わってから新たなページに手をつけることにしました。復習は思っていた以上に時間がかかり、復習のみで新しいところに手をつけられない日もありました。勉強時間の7割が復習で新しいページがなかなか進まないことに焦りましたが、今まで新しいページばかり追い求め、一周してもう一度同じページに戻った時には忘れていて、同じところを間違えての繰り返しになってしまう時はぐっと堪えました。
 その結果、一ヶ月と一週間の間に、1回目、翌日、一週間後、一ヶ月後で4回繰り返したことになり、あいまいな知識から確実な知識に押し上げられ成績が一気に伸びました。
 2017年は、とにかく点数を上げることしか考えず、択一中心の勉強で、記述は週に1回やる程度でした。そのため年内にインプットが終了し、年内に択一と記述の答練があり、また1月からも択一と記述があり、バランスよく全体の底上げになり、かつペースメーカーになる「中上級コース」を受講しました。
 
 記述式は、たまにホームラン答案を書くことから、長年得意な方だと思っていましたが、「記述式ケーススタディ講座」という年内の記述の授業を受けて、事業年度の変更後の役員の任期計算など、基本的だけど今まで何となく解いていた問題を結構間違えていて、記述式の基本に『抜け』があることを気づくことができました。役員といったひとつの単元から似た事例を重点的に行うので、比較しながら基本から記述式を勉強でき、大変助かりました。
 「記述式ケーススタディ講座」の教材で、主に記述の勉強を行い、前回の復習をした後で疲れた時に記述式を1 時間弱解いて気分転換し、その後、新たな択一式の勉強という流れで勉強していました。
 記述式はケーススタディ等で鍛えましたが、答案構成を簡略化することができず、不登法は書くべき答案のひな型も答案構成に入れていたため、答案構成だけで40分位かかってしまうため、不登法はどうしても60~65分必要で、商業は50分必要だったため、択一式は60分位で解かなければなりませんでした。そのため午後択一式を60分で解く戦術を考えました。
 検討する肢を2肢にして少ない肢で判断することで、択一スピードを上げる一撃必殺型か、4肢・5肢で判断するが、瞬時にキーワードを拾い判断することで、択一スピードを上げる瞬時判断型のどちらを採用すべきか悩みました。
 2肢判断できず4肢・5肢で判断せざる得ない問題がいくつかあったのと、他の肢を見ない勇気がなかったこと、「択一実戦力養成答練」で、宇津木卓磨講師が「このワードが出たら脊髄反射する」とよく解説されたので、キーワードを拾い瞬時判断する瞬時判断型を採用しました。瞬時判断型を採用後は過去問をスマホのカウントアップ機能で測り、60分で解くには単純計算で民訴系は1問1分、それ以外は1問2分となるので、民訴系は10問で8分、それ以外は10問で16分の8掛けの時間で解くよう練習しました。その結果、午後択一式は、ほぼ60分で解くことができました。
 バランスよく全体の底上げになり、かつペースメーカーなった「中上級コース」を受講したことと、合格するため午後の戦術を考え実践したことが合格点を突き抜けた要因だと思います。

試験当日に最高のパフォーマンスを発揮する方法

 試験当日は、緊張で胃腸がやられ、あまりの気分の悪さに試験会場に行くことを目標にするほどのプレッシャーに弱いタイプです。模試ではいつも29で、30の壁を越えられませんでしたが、本番は33・32と模試以上の成績を取ることができましたので、やって良かったことをご紹介します。
①試験前は参考書を見ない
 模試を在宅受験したとき、昼休憩を30分位しか取らず午後の問題を解いたとき、異様に疲れを感じた経験から、会場に入ってからは、参考書や、まちがいノートは見ず、脳を積極的に休ませました。
②試験応援に来ている講師に不安をぶつける
 試験前に不安に思っていることを紙に書きだすと試験の結果が良くなるという話を聞いたことがあったのですが、紙に書いたら不安が現実になりそうで怖くてできませんでした。
 そのため、試験会場に応援に来ている講師に「模試で29しか取れない呪いにかかっているけど、どうしよう」、「記述の枠ずれが怖い」と不安に思っていることをぶつけました。「模試の点数はあてにならない、本番では意外ととれるもの」、「記述が枠ずれないように力をあげます」とパワーをいただき、足が震えるほどの不安がすっと消えました。
③筆記用具などの試験準備は一週間前にやる。
 今まで前日の夜に準備していると、荷物を入れるたびに明日はいよいよ試験かと緊張感が高まってきていて、夜なかなか眠れませんでした。そのため今年は試験一週間前に早めに勉強を切り上げて準備してみました。そのおかげで前日の夜は、緊張感がさほど感じずしっかり眠ることができました。
④体調が悪くても食べられるものを把握しておく
 今まで試験当日の朝は、緊張で吐き気がしているため、朝食がほとんど食べられませんでした。体調が悪い時、ごはん全体に梅が混ざった梅おにぎりを食べられた経験から、試験当日はコンビニ2件回り、おにぎり5個ゲットし、朝も昼も梅おにぎりを食べていました。食事をきちんと採れたことが安心材料になり、今までの食事が取れない→力を発揮できなかったらどうしようという不安が生じませんでした。

最後に

 基準点付近の成績の頃は、「自分の能力ではここまでが限界で、合格できないのでは」と不安になったり、「勉強を諦めて別の道に進んだ方がいいのではないか」と悩んだりしました。でも、能力でなく、自分に効果のある勉強法が確立できていなかっただけでした。足りない部分をどう補っていくのか考え実践したことが、合格に結びついたと思います。
 合格した年は、苦手な「信託」等を暗記する際は、将来の依頼者から「信託を考えているのですが」と相談されたとき困らないようにしようと、試験に合格するための勉強ではなく、将来仕事をするための勉強として取り組みました。
 今後も目の前だけに捕らわれるのではなく、その先を見据えて努力を惜しまず励みたいと思います。
 昔、恩師に「恩返しではなく恩送りをしなさい。それが一番の恩返しです」と言われました。伊藤塾の講師、スタッフの皆さん、職場の方、友人、家族に応援してもらった恩を、今後は司法書士として還元することで、恩返しをしていきたいです。