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明日の法律家講座 東京校第181回

2011年7月23日(土)実施
 

外国人の人権~日本国憲法の「非民主的」性格~

【講師】 
殷 勇基 氏(弁護士)


講師プロフィール

殷 勇基 氏(弁護士)

1996年弁護士登録。
東京弁護士会・外国人の権利に関する委員会、憲法問題対策センター委員。
在日コリアン弁護士協会会員。
  

講師からのメッセージ 

国民主権の「国民」に外国人は含まれるでしょうか。外国人は非・国民ですから、含まれるはずもないようにも思えます。
日本国憲法では人権は「国民の権利」の章題の下に規定されています。もちろん、現在では、文言説は捨てられ、性質説を採っているわけですから、外国人にも人権が保障されていますし、そもそも人権は「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」なわけですから、それも当然とも思えます。しかし、実際には、例えば、法律(入管法や国籍法)が憲法よりも優位している状況があります。
そもそも憲法の「国民」とは「people」の訳語でした。「国民」=「people」なら、「国民」の中には(一定の)外国人が含まれていると解釈できる余地があります。のみならず、憲法制定(1947年)当時の「日本国民」には旧植民地人が含まれていました。また外国人の人権を手厚くするための改憲はあり得ないのでしょうか。
明治の初めから現在までを概観しながら、外国人の人権について考えてみたいと思います。