明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第209回

2013年6月29日(土)実施
 

憲法の急所と創造力~法律家の先を読む力~

【講師】 
木村 草太 氏(首都大学東京准教授、元伊藤塾塾生・第8期)


講師プロフィール

木村 草太 氏(首都大学東京准教授、元伊藤塾塾生・第8期)

1980年 横浜に生まれる。
2003年 東京大学法学部卒
2003年 東京大学大学院法学政治学研究科助手・憲法専攻(2006年まで)
現 在  首都大学東京 法学系准教授


主なご著書
『平等なき平等条項論――equal protection条項と憲法14条1項』(東京大学出版会、2008)
『憲法の急所』(羽鳥書店、2011年)…法科大学院での講義をまとめたもので、『東大生協で最も売れている本』と話題になる。
『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書、2012年)
『憲法の創造力』(NHK出版新書、2013年)  等

 
  

講師からのメッセージ 

講演のご依頼を頂いたこと、大変うれしく思います。答練のご案内以来、久しぶりに伊藤塾様からご連絡を頂き、伊藤塾長、岡講師、山本講師らの講義を聴いていた時代のことを懐かしく思い出しました。講演では、「先を読む」をキーワードに、謝罪広告強制と憲法96条改正の問題を検討してみようと思います。法学とは、先を読む学問です。例えば、刑法解釈をする場合には、目の前の被告人が有罪になる/ならないといった目先の問題だけでなく、その解釈を前提にした場合の社会の動きも考慮にいれなければなりません。また、解釈論を展開する場合、それに対して、相手がどんな反論をしてくるか、も読まねばならないでしょう。そして、解釈は、最強の反論をきちんと潰すことができる、という確信の下になされるべきです。
では、具体的に、どうやって「先を読む」べきか。二つの素材で考えます。一つは、謝罪広告の強制問題です。この問題は、民法論、刑法論、憲法論、訴訟法論と六法の知識を総動員して考えなくてはなりません。また、この問題では、どの解釈を選択するかで、社会の動きはまるでかわってしまいます。「先を読む」ために、非常に重要な素材です。
もう一つは、最近話題の「憲法96条改正論」です。法律家にとっては、言語道断の改正案ですが、その問題を一般の人に分かり易く伝えるのは、とても難しいのではないでしょうか。なぜ難しいか、というと、96条をいじって変わるのが、法律の内容ではなく、人々の行動だからです。一緒に、96条改正後の世界に読みを入れて、改正論の問題を検討してみましょう。
それでは、皆様とお会いできるのを楽しみにしています。