明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第278回

2018年12月8日(土)実施

日本における難民を巡る問題と入管収容問題の現状

【講師】駒井 知会 氏(弁護士、「マイルストーン総合法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)
 
 


講師プロフィール

駒井 知会 氏(弁護士、「マイルストーン総合法律事務所」所属、元伊藤塾塾生)

駒井知会氏
東京大学教養学部教養学科第三(国際関係論)卒
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程卒(法学修士号取得) 
オクスフォード大学, Queen Elizabeth House, Refugee Study Programme 修士課程卒(Master of Studies in Forced Migration取得,Linacre College, University of Oxford, UK)
ロンドン大学経済政治科学部(LSE) 法学修士課程卒
(LLM取得, London School of Economics and Political Sciences, London, UK)
 
 
2005年        司法試験合格
2006年4月   最高裁判所司法研修所入所(第60期司法修習生)
2007年10月 横浜弁護士会にて弁護士登録 小長井雅晴法律事務所入所 
2013年1月   東京弁護士会に移籍、マイルストーン総合法律事務所入所 
 
弁護士会活動 
・日本弁護士連合会 人権擁護委員会内 入管法プロジェクトチーム等所属
・関東弁護士会連合会 外国人の人権救済委員会所属 2014年度委員長、同委員会入管プロジェクトチーム及び難民プロジェクトチーム所属
・東京弁護士会 外国人の権利に関する委員会所属、 2016年度委員長
・全国難民弁護団連絡協議会所属、2018年総会基調講演
 
教職関係
・ 東京女子大学 非常勤講師(2017年度前後期・2018年度後期など)
・ 白百合女子大学 非常勤講師(2017年度前後期・2018年度前後期など)
 
著作(共著)
・「外国人の人権―外国人の直面する困難の解決をめざして」関東弁護士会連合会編(2012年,明石書店)
・“Stateless persons from Thailand in Japan” Forced Migration Review 32 (2009年4月,Refugee Studies Centre, University of Oxford) 小豆澤史絵弁護士との共著。
・世界の難民をたすける30の方法(2018年、合同出版)
著作(単独) 
・「世界と日本の無国籍者問題-その国際的な支援と取組み」『自由と正義』62巻2号(2011年2月、日本弁護士連合会)
・「外国人収容問題に対する取組み」『人権かながわ』2011年(横浜弁護士会人権擁護委員会)
・「イギリスの収容施設訪問に関する報告─日本の入管収容施設への問題提起として」『移民政策研究』6号(2014年)
・入管収容施設の被収容者死亡事件(Mネット 2017年8月号) ほか
 
 

講師からのメッセージ 

皆さんは、難民問題は、遠い外国でだけ発生していると考えておいででしょうか?実は、日本には、昨年、19,629件の難民認定申請があり、申請者の国籍は、実に、82か国に及びました。21世紀の現在、遠いアフリカや中東からも、飛行機で、祖国における迫害の危険から逃げてきて、日本で難民認定申請する人々の存在は、他国に比べて少ないとは言え、到底、無視できるものではありません。日本は、難民の地位に関する条約・議定書に加入することで、難民を保護することを国際的に約束しています。そして、実際に、たとえば、政府の政策に反対意見を表明すると拘束され拷問される国、LGBTの方々が刑事罰の危険に曝される国、内戦下で過酷な弾圧が行われている国等から、大勢の人たちが、日本に保護を求めて難民認定申請を行っている実態があります。
20人。それが、日本における昨年の難民認定数です。難民認定率は、0.2%にも達しませんでした。難民認定申請者の中から、保護を与えるべき方々を適正に見極め、「難民」として認定する制度を用意できているのであれば、この数字も、国際条約を守った結果として、あるいは受忍可能かもしれません。しかし…。今回は、この制度の実態について、皆さんと御一緒に考えていかれましたらと存じます。また、多くの難民認定申請者や、たとえば、日本に日本人の配偶者や子らがいて祖国に帰るに帰れない方々、或いは、子どもの頃から日本に育ってきた若者たちが在留資格を失った場合などにも、入管収容施設に無期限収容されているケースも多くありますところ、入管収容施設において、非常に劣悪な処遇が行われているとの報道も増えてきました。今回、その実態も御紹介致したいと思います。法曹になることをお考えの皆さま、或いは、難民を巡る諸問題に関心のある皆さまと御一緒させていただくことを楽しみに致しております。