明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第300回

2021年2月13日(土)実施

本気でしていると誰かが助けてくれる~「日本と原発」等の映画にも触れながら

講師プロフィール

河合 弘之 氏(弁護士、映画監督)

河合 弘之氏
昭和14年4月 旧満州生まれ
昭和38年3月 桐朋高校卒業
昭和38年4月 東京大学入学
昭和42年9月 司法試験合格
昭和45年4月 第二東京弁護士会登録、虎の門法律事務所勤務
昭和47年4月 独立して河合・竹内法律事務所(現・さくら共同法律事務所)開設
浜岡原発差止訴訟弁護団長、大間原発差止訴訟弁護団共同代表、脱原発弁護団全国連絡会共同代表、3・11甲状腺がん子ども基金理事、中国残留孤児の国籍取得を支援する会会長、環境エネルギー政策研究所監事。
『原発訴訟が社会を変える』等著書多数。

 

講師からのメッセージ

弁護士生活50年。弁護士の世界は大きく変わりました。最大の変化は弁護士数の激増と巨大事務所の出現でしょう。私も当初は事務所を大きくすることを目指しましたが、途中からついていけないと諦め、独自路線に切り替えました。それは困難and/or大規模事件を得意とすることです。平和相互銀行事件、国際興業事件、秀和対忠実屋・いなげ屋事件等の実績を踏まえてのことです。
それで繁盛しましたが、それだけでは人間として、弁護士として不十分だと思い、中国残留孤児の国籍取得事業に取り組み1,250人分を取りました。その流れでフィリピン残留日本人の国籍も260人分取っています。各々40年、20年の仕事です。更に原発差止訴訟にも取り組みましたが、敗訴に次ぐ敗訴でした。
そこに東京電力福島第一原発事故がおきました。これを機に「脱原発弁護団全国連絡会」を組織しました。今、そのメンバーが全国で原発差止訴訟を展開中です。以前と違って五分五分の勝負です。その中で反原発映画「日本と原発私たちは原発で幸せですか?」「日本と原発 4年後」、自然エネルギー映画「日本と再生 光と風のギガワット作戦」を製作・公開し大ヒットさせました。私たちの戦いは優勢になってきています。国は自然エネルギーに大きく舵を切り、原発の存在感は日に日に薄れていっています。
そんな中、スルガ銀行・シェアハウス事件が発生し、被害者救済の戦いを組みました。3年前のことです。そして350人(債務約450億円)を完全救済(借金帳消し)しました。反原発闘争と同じ手法でした。
弁護士はやろうと思えば自由に良心に従って生きることができます。その生き方を一緒に考えてみませんか。