沖縄スタディツアー参加者の声
伊藤塾 沖縄スタディーツアー2025 感想文
1.沖縄スタディツアーに参加したきっかけ・理由
伊藤塾において司法書士入門講座を受講しています。ツアーを心待ちにしながら、司法書士試験ステディコースの憲法(全11科目中10科目目)まで受講を進めたうえで参加しました。
これまで講義や業務の場以外で、伊藤塾の弁護士である講師の方々やスタッフの皆さま、さらには試験合格者や法律家を志す仲間たちと、会話できる機会を願っていました。
事件の予防や早期解決、とりわけ民事の執行・保全の分野においては、法曹と司法書士、行政書士の連携が重要であり、その基盤となる相互理解を深めたいと考えていたからです。
さらに、ハンセン病で、排菌がなくても長期間社会から隔離されることで生じた問題構造は、現在のコロナや結核といった感染症対応にも、少なからず残っていると感じてきました。
重要な裁判や判決の背景となった証言を、現地で直接伺える貴重な機会であることが、今回の応募理由のひとつとなりました。
2.記憶に残った視察先と感想、抱いた考え、衝撃を受けたことなど
弁護士である伊藤真塾長や伊関祐講師から、ハンセン病の裁判について、当時の新聞記事や寄稿文を実際に手に取りながら解説していただきました。
弁護士会が主導して提起した裁判の背景や訴訟物といった具体的な話を伺うことができ、社会課題の解決は「民事しか勝たん」という確信を新たにしました。
また、司法試験合格者や司法書士の実務家とともに、昭和の沖縄で起きた出来事について、令和における権利義務のデータ構造や要件事実のアルゴリズムへ当てはめを試みました。
たとえば、読谷村シムクガマでの民生部隊による新設分割、ハンセン病患者による早田壕の所有権保存、女師・一高女からひめゆりへの商号及び目的変更など、当時の法の秩序を、合理的でないと判断できなくなってしまった社会通念がありました。その中で、おびただしい即時取得も行われましたが、一方では、80年が経過した今なお、全滅した一家の本人なき土地で、沖縄の人々が事務管理し続けている祠が印象的でした。
当初は外国会社だったコザの商店は、現在では日本生まれの方々へと承継されつつある一方で、建物の老朽化が進んでいるそうです。これは、平和ガイドの方が、屋外におられたインド人テーラー親子に話しかけてくださり、知ることができました。
また、先祖代々の土地を米軍が借り受け、さらに沖縄住民が占有して、バナナなどのリアル果実を取得してきた黙認耕作地帯の存在についても、バスガイドさんから説明を受けました。
沖縄における用益物権は、極めて複雑かつ広範であり、所有者不明土地管理問題をはじめとする社会課題の解決には、司法書士の専門性と人数の両面が不可欠であると強く思いました。
司法書士試験がより多くの担い手を社会に送り出せる(合格しやすい)制度となれば、沖縄のみならず、日本全体の重要な社会課題の解決を前に進めることにつながることでしょう。
3.ツアーで得たもの
「憲法」の司法書士入門講座のテキストに、宇津木卓磨講師によるステディコースのパワーポイント資料を挟んだ状態でツアーに持参していました。懇親の席では、その憲法テキストの巻末に、伊藤真塾長と伊関祐講師のサインをいただく機会に恵まれました。
絶対合格に向けて、「やればできる 必ずできる」という伊藤塾の流儀と矜持を、寄る辺ない受験生の勉強部屋に持ち帰ることができたことは、何より大きな励みとなりました。
また、そのサインには、弁護士としても日本社会の最前線に立つ量り知れない法律実務を「常に未完」と受け止め、ご自身も学び続けながら前進しておられる姿勢が表れているように感じました。
それは、合格後の出口をも見据えたメッセージであり、身の引き締まる思いがしました。これからも、憲法テキストの表紙をテープで補強しながら、大切に拝見してまいります。
4.ツアーの企画・運営に関するご意見・ご要望(お褒めの言葉)
帰路のバスの中で、伊藤塾スタッフの方から、5か月にわたる準備期間を経て企画されたことや、旅行会社の担当者が20年以上伊藤塾のスタディツアーを担当してきたことを伺いました。
沖縄の体験者ご本人や、その証言を長年記録・伝承してきた方々から直接お話を伺える機会としても、配慮が行き届いており、大変貴重なものでした。長年の経験と信頼関係に支えられたスタディツアーを通して、沖縄の歴史について、知識だけでなく、実感を伴って学ぶことができました。次の世代へと受け継がれていくことを願いながら、心より感謝申し上げます。