Vol.15 弁護士 高橋和也先生
趣味も使命も、豊田通商で一つになった。
所属:豊田通商株式会社 法務部
担当分野:機械部門、カーボンニュートラル部門(2026年6月現在)
学生法律相談での、「ありがとう」
Q.自己紹介をお願いいたします。
高橋和也です。豊田通商株式会社の法務部に所属しています。
Q.法律家を志した理由は何でしょうか?
大学在学時の「学生法律相談所」での活動です。このサークルでは、地域の皆様に対して無料で法律相談を実施していました。法律を学びたての未熟な私のアドバイスに対して、地域の皆様が「ありがとう」と感謝してくださった経験から、法律が社会の役に立つことを実感し、法律家を目指すことに決めました。
趣味と仕事の関係性と、自己実現
Q.どうして「豊田通商株式会社」の「インハウスロイヤー」、それぞれを選んだのですか?
初めて所属したTMI総合法律事務所では、訴訟・紛争分野を中心に様々な経験を積ませていただきました。ビジネスロイヤーとして生き残っていくためには、特定の法分野の専門性を極めることが重要です。しかし私は、特定分野を絞ることに苦労しており、むしろ様々な分野を広く浅く学ぶ方が性に合っていると感じていました。インハウスロイヤーは、会社で生じる様々な分野の案件を担当することが通常ですので、私の性に合っていると考えて転職を決めました。
全世界で多角的にビジネスを展開している総合商社が、私にピッタリと感じていました。その中で弊社を選んだ理由は、私が大の車好きだからです。弊社は総合商社でありながらトヨタグループの一角であり、自動車に関連するビジネスを多角的に展開しています。自分の趣味と仕事の関係性を高めることは、職業人生における自己実現を図る上でとても重要なことですので、他ではなく「豊田通商」を選びました。
Q.実務の魅力や遣り甲斐、苦悩を教えてください。
法律事務所でもインハウスでも、弁護士の仕事は、依頼者の法的な困りごとを解決することです。この人に頼んで良かったと思ってもらえるような法的助言を行うという点では、いずれも遣り甲斐のある仕事だと思います。
法律事務所にとって依頼者とは、クライアント企業の担当者です。私が主に担当していた訴訟・紛争分野では、クライアントが求める方向性で紛争を解決するために、事実・証拠を収集し、それを法的に評価し、法的主張に昇華させることが仕事でした。クライアントが求める結論を導き出すために必要な事実・証拠を逆算して考え「こういった資料は無いですか。」と先行してヒアリングし、求めていた事実・資料が出てきたときは「上手くやったな」と遣り甲斐を感じます。他方で、どう考えても負け筋の案件においてどのようにクライアントの期待値を上回るか、クライアントの期待値をコントロールする手腕が問われるのですが、年次の浅かった私には非常に難しく、苦労しました。
インハウスロイヤーにとって依頼者とは、基本的には相談に来る事業部の皆様です。例えば投資の案件では、組成段階から事業部と一丸となり、時には海外の現場に出張に行くなどして、ストラクチャーの構築や投資の主な条件に関する議論を行います。事業部の皆様が実現したいビジネスをよく理解しストラクチャーや契約条件に落とし込むことは、非常に面白く遣り甲斐を感じます。しかし、インハウスロイヤーの究極の依頼者は会社全体であり、個々のビジネスが会社全体の利益を害する場合には、事業部のやりたいことに対してストップをかけなければならないこともあります。このようなときは事業部の説得に苦労しますが、会社の利益やレピュテーションを守るための砦として鬼の気持ちで頑張っています。
学びを一変させた、伊藤塾の衝撃
Q.伊藤塾で、どのような学びや気付きを得ましたか?
法学部に入ったものの基本六法の基本書が全く頭に入らず、何を勉強しているのか理解できませんでした。そのような私が伊藤塾の講義を受けて、そのわかりやすさに目からうろこでした。弁護士としての私の法的素養の土台は、すべて伊藤塾が作ってくれたものだということは断言できます。
Q.伊藤塾の最大の魅力や価値は何だと思いますか?
伊藤塾の最大の魅力は、圧倒的な実績に裏付けられた信頼性です。
司法試験の受験生が最も価値を置くべきなのは、自分が行っている学習方法に自信を持つことです。「この基本書だけでなくあの基本書も読んだ方がいいのかな」、「通説、判例、有力説、少数説、どこまで覚えなきゃいけないんだ」などと迷いがありながら勉強するのは長期的には深い学びにつながることは否定できませんが、短期で合格するという観点では非効率と考えます。伊藤塾の講義・教材は、これのみ学習すれば問題なく司法試験に合格できるという内容で、私を含めて過去の実績がこれを物語っています。伊藤塾の教材を極めるという一つの目標に集中すれば、余計な迷いなく学習することができます。この合格への信頼性が伊藤塾の最大の強みと考えています。
多様化し続ける、法律の役割
Q.法律家を志す方へメッセージをお願いいたします。
激動の時代の中、法律家の役割は年々拡大しています。AIの台頭により法律職の将来を危ぶむ声もありますが、何が正義なのか、何が正しいのかをAIが定義することはできず、法律家の役割は残り続けると考えています。皆様が私たちの仲間として活躍することを楽しみにしています。
Q.法律を学ぶ意義はどんな点にあると思いますか?
法律を学ぶことで世の中をより深く理解できるようになります。
何のために国家があるのか、どのように運営されているのか、私人間の取引・行為はどのように規律されているのか、会社は何のためにあるのか、なぜ罪を犯してはいけないのかといった社会の根幹にありながら答えを持ち合わせていなかった事項に対して、法律を学ぶことで一定の結論を導き出せます。世の中のことを理解していくと、自分の価値基準が固まり、自己の考え方が一定の基準に従った確固たるものになります。変化の激しい現代において自分の価値基準を持つことは極めて重要であり、これが法律を学ぶ最大の意義だと考えます。
貢献したい、豊田通商のミッション
Q.志と実力の関係を、どのように考えますか?
志は、自分が目指す理想という認識です。インハウスロイヤーの私にとっては「未来の子ども達により良い地球を届ける」という豊田通商が掲げるミッションが、私自身の志にもなっていると考えています。
実力は、志を達成するための手段という認識です。「未来の子ども達により良い地球を届ける」ために法務部の私は、当社のビジネスを法的にサポートする必要がありますが、法的サポートを行うためには法律の知識をはじめとした種々様々な能力が必要です。これを総称して実力というのだと思います。
志(理想)を達成するためには手段(実力)が必要であり、実力の伴っていない志は絵に描いた餅です。法律家としての志を達成するために、伊藤塾が実力を付与してくれます。
Q.どんな弁護士像が理想ですか?
杓子定規に法的見解を応えるような弁護士ではなく、依頼者の期待値を常に上回るような存在になりたいです。困っている人を助けるのが弁護士の本懐ですので、頭でっかちの法律屋にはならずに、常に依頼者に耳を傾け、依頼者の困りごとの解決につながるようなアドバイスを行うことができる弁護士になりたいです。
Q.今後の展望を教えてください。
豊田通商でのインハウスロイヤーとしてのキャリアに、非常に満足しています。大好きな車に関係するビジネスに携われるだけでなく、「未来の子ども達により良い地球を届ける」という豊田通商のミッションに強く共感しており、この会社に貢献することが社会にとって大きな価値になると信じています。更に活躍するためには、法的知識のみならず、経営・財経・英語といった多方面のスキルが必要です。法的知識に加えてこれらのスキルも磨きつつ、会社の皆様から信頼される存在、私に相談すれば間違いないと思ってもらえるような存在を目指します。
まとめ
事務所では紛争実務において証拠と論理を積み上げる緻密さを磨き、企業では事業部と一体でビジネスを推進しつつ全社利益の観点から歯止めも担う。
理論と現場を往復しながら実務感覚を深化させ続ける姿に加え、自動車への強い趣味性も際立って映る。

